痔はどこまで悪化したら手術が必要?段階別の治療法と手術を判断する基準|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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痔はどこまで悪化したら手術が必要?段階別の治療法と手術を判断する基準

公開日:2026年06月04日 / 更新日:2026年06月04日

「痔かもしれないけど、まだ我慢できる」。そう思って受診を先延ばしにしていませんか?

痔は日本人にとって非常に身近な疾患です。恥ずかしさや「大したことない」という思い込みから、症状が相当悪化するまで放置されるケースが後を絶ちません。実際、外来で初めてお会いする患者さんの中には、「もっと早く来ればよかった」と後悔される方が少なくありません。

痔には大きく分けて「痔核(いぼ痔)」「裂肛(切れ痔)」「痔瘻(あな痔)」の3種類があります。それぞれ進行度や症状が異なり、治療法の選択も変わってきます。保存療法で十分な段階もあれば、手術を検討すべき段階もあります。本記事では、各疾患の段階別の治療法と、手術を判断する基準について専門的な視点から詳しく解説します。

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科

「手術が必要かどうか」は症状の状態によって異なります。保存療法・硬化療法・外科手術のどの段階が適しているかは、専門医による診察で確認できます。当院では日帰り手術にも対応しています(要事前診察)。

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痔核(いぼ痔)の段階別治療法と手術の基準

痔核の進行度を示すGoligher分類とは

痔核の重症度を評価する際、医療現場では「Goligher(ゴリガー)分類」が広く用いられています。

この分類は、痔核が肛門の外にどの程度脱出するかを基準に、Ⅰ度からⅣ度の4段階に分けたものです。段階が上がるにつれて症状は悪化し、選択できる治療法も変わってきます。それぞれの段階を正確に理解することが、適切な治療選択への第一歩です。

  • Ⅰ度:排便時に痔核がうっ血して肛門内で膨隆するが、外には出ない
  • Ⅱ度:排便時に痔核が肛門外へ脱出するが、排便後に自然に戻る
  • Ⅲ度:脱出した痔核を手で押し戻す必要がある
  • Ⅳ度:痔核が大きく外痔核と一塊化し、完全には戻せない状態

Ⅰ度・Ⅱ度:保存療法が中心

まず、生活習慣の見直しから始めます。

Ⅰ度・Ⅱ度の段階では、食物繊維や水分を十分に摂取して便通を整えること、長時間の座位を避けることが基本的な保存療法となります。薬物療法として坐薬や軟膏を使用することで、出血や疼痛の緩和が期待できます。ただし、薬物療法はあくまで症状を和らげるものであり、痔核そのものを消失させる効果はありません。脱肛症状にはほとんど効果がないため、症状が進行している場合は次のステップを検討する必要があります。

Ⅱ度・Ⅲ度:ALTA療法(硬化療法)の適応

脱出症状が強い場合は、軟膏などの保存的な治療で改善しないことも多いです。命にかかわる疾患ではないため、基本的にはいぼ痔があることで、ご自身の生活の質が落ちているか、保存的治療を以上の治療を検討する目安となります。

「メスを使わずに治したい」という方に、まず検討していただきたい治療法としてALTA両方があります。

「ALTA療法(痔核硬化療法)」は、痔核に直接注射を打ち、痔への血流を低下させて患部の繊維化を促す治療法です。メスを使用しないため術後の痛みを抑えることができ、手術時間の短縮も期待できます。痔核そのものを硬くするため再発率が低いという特徴もあります。Ⅱ度からⅢ度の内痔核が主な適応となります。

2005年に水溶性のALTA注が発売されて以降、硬化療法は大きく進歩しました。日帰りで受けられるケースも多く、仕事や家庭の都合で入院が難しい方にとって選択肢の一つとなっています。

とはいえ、麻酔の影響で気持ち悪くなる可能性があったり、注射を打った場所が術後に腫れてしまうことがあるなど、重篤な症状となりえます。医師と相談して、治療方法をご相談しましょう。

Ⅲ度・Ⅳ度:結紮切除術が手術の基準

純粋な内痔核でなく、皮膚成分も伴う場合は、手術療法が強く推奨されます。皮膚部分にはALTA療法による治療効果が臨めないためです。

「結紮切除術」は、痔核につながる部分を縛って切除する治療法です。痔核への血流を途絶えさせ、症状の根本的な改善を目指します。保存療法やALTA療法では対応が難しい大きな痔核、あるいは出血が繰り返される場合、脱肛が手で戻せないほど進行している場合が手術を決断すべきタイミングです。

 

裂肛(切れ痔)の段階別治療法と手術の基準

急性裂肛と慢性裂肛の違い

裂肛は「急性」と「慢性」で対応が大きく変わります。

急性裂肛は、硬い便や下痢などで肛門周囲の皮膚が切れた状態です。排便時の出血や痛みが主な症状で、多くの場合は保存療法で改善が見込めます。一方、慢性裂肛は繰り返す裂傷によって肛門が変形している状態です。進んでいくると、潰瘍が形成され、肛門が狭くなってきます。20〜40代の女性に多い傾向があり、「切れただけだから」と放置した結果、慢性化してしまうケースが非常に多いのが現状です。

急性裂肛:保存療法で多くが改善

便通の改善が治療の核心です。

急性裂肛の段階では、まず便秘や下痢を改善するための食事指導・生活習慣の見直しを行います。坐浴で肛門周囲の血流を促進し、軟膏や坐薬で炎症と痛みを和らげます。水分不足を改善しないと症状が長引く可能性があるため、日常的な水分摂取も重要です。適切な保存療法を継続することで、多くの急性裂肛は改善します。

慢性裂肛:手術を検討すべきタイミング

保存療法を続けても改善しない場合、手術が選択肢に入ります。

「内括約筋側方皮下切開術」は、肛門括約筋に浅くメスを入れて皮膚が切れないようにする治療法で、肛門括約筋の緊張を解除することで裂肛の再発を防ぎます。さらに、裂肛を繰り返して皮膚が引きつれたり硬くなったりした場合には「皮膚弁移動術」が行われます。ダメージが蓄積した肛門の皮膚の外側を移動させて肛門の縁に縫い合わせる方法で、重症の慢性裂肛に対応します。

さらに肛門がせまくなってしまうと、肛門の筋肉自体を開いて肛門を広げる必要があり、術後合併症のリスクなども大きくなってしまいます。

「少し切れただけ」と思っていた患者さんが、実際に診察してみると肛門が相当狭くなっていたというケースは珍しくありません。慢性化する前に、早めの受診をお勧めします。

痔瘻(あな痔)の段階別治療法と手術の基準

痔瘻は自然治癒しない疾患

痔瘻は、基本的に手術なしでは治りません。

痔瘻とは、肛門周囲に細菌感染が起こり化膿して膿が溜まる「肛門周囲膿瘍」が形成され、その膿が排出された後に管(ろう管)が残った状態です。一般的に「あな痔」と呼ばれます。肛門周囲の感染により強い痛みや腫れ、発熱などの症状が現れ、膿の排出によって下着が汚れることもあります。症状が悪化すると座った姿勢を保つことができず、日常生活に大きな影響を及ぼします。

肛門周囲膿瘍の段階:まず切開排膿

急性期の膿瘍は、まず切開して膿を出すことが最優先です。

肛門周囲膿瘍の段階では、切開して膿を排出する処置を行います。これにより急性期の強い痛みや発熱は改善しますが、多くの場合その後にろう管が残り、痔瘻へと移行します。

痔瘻:手術が根本的な治療

ろう管が残った時点で、根治的な手術を行うことになります。

「切開開放術」は、痔瘻のろう管にメスを入れて縫合せず開放した状態にする治療法です。膿が溜まる根本原因を取り除くため再発リスクを抑えられます。切開する部位が肛門の後方の場合は、排便への影響も少なく経過できます。

一方、複雑痔瘻と言われる広範な痔瘻の場合は、肛門周囲の組織を大きく切り取ることがあります。この場合は基本的には入院での手術を行います。

保存療法と手術療法、どちらを選ぶべきか

保存療法が適している場合

症状が軽度であれば、まず保存療法から始めるのが原則です。

痔核のGoligherⅠ度・Ⅱ度、急性裂肛の段階では、生活習慣の改善・薬物療法・坐浴などの保存療法で症状が改善するケースが多くあります。保存療法は体への負担が少なく、日常生活を続けながら治療を進められる点が大きなメリットです。ただし、薬物療法には限界があり、特に脱肛症状が強い場合は改善しないことがあり、進行した段階では保存療法だけでは不十分なこともあります。

また、裂肛については、肛門の変形が乏しいような場合は、肛門の状態というよりは排便状況などを含む全身症状の一つととらえるべき状態である可能性もあります。そのような場合は手術をお勧めしませんが、肛門の変形が高度な場合は、手術することによって改善する可能性があります。

手術療法を検討すべき状況

以下のような状況では、手術を真剣に検討する必要があります。

  • 痔核がGoligherⅢ度以上で、手で押し戻す必要がある、または戻せない
  • 保存療法を一定期間続けても症状が改善しない
  • 出血が繰り返され、貧血が生じている
  • 慢性裂肛で肛門が狭くなっている
  • 痔瘻(ろう管)が形成されている
  • 日常生活や仕事に支障をきたすほど症状が重い

「いつかは治るだろう」という思い込みで放置するほど、治療は複雑になります。症状が気になり始めた段階での受診が、結果的に最も負担の少ない選択につながります。

日帰り手術という選択肢

「手術」と聞くと入院が必要だと思われがちですが、現在は日帰り手術に対応しているクリニックも増えています。

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックでは、院内に日帰り手術室を併設しており、プライバシーに配慮された空間で手術を受けることができます。仕事や家庭の都合で入院が難しい方、なるべく短時間で治療を終わらせたい方にとって、日帰り手術は現実的な選択肢です。女性医師も在籍しており、「相談しづらい」「受診するのが恥ずかしい」という女性の方も安心して受診できる体制が整っています。

「手術が怖い」という方もまずはご相談を

当院ではご状況に応じた治療方法をご説明しています。「すぐに手術」ではなく、まず現在の症状を確認することから始められます。

手術の流れと費用について

手術当日までの流れ

手術を決めてから当日まで、流れを把握しておくと安心です。

まずWEB予約または電話予約で受診し、診察・検査を受けた後に手術日を決定します。手術前日はなるべく消化に良いものを食べ、手術当日は食事ができないため起床後は水分を多めに摂ることが推奨されています。来院時は車・バイク・自転車などの運転は控える必要があります。当日の持ち物は診察券、マイナンバーカード(もしくは資格確認証)、お薬手帳、同意書、説明用紙です。

術後のフォローアップ体制

手術後は別室で休息し、体調や意識状態に問題がないことを確認後、手術の経過や今後の生活に関する注意点の説明を受けて帰宅となります。術後は必要に応じて辻仲病院柏の葉と連携してフォローアップを行う体制が整っており、入院が必要な治療・手術についても同グループ病院と連携して対応します。

費用の目安(3割負担の場合)

健康保険が適用されるため、3割負担で治療を受けることができます。費用の目安は以下の通りです。

  • 痔核手術:7,000円〜30,000円(内容によって変動)
  • 肛門周囲膿瘍切開術:10,000円
  • 肛門ポリープ切除術:9,000円
  • 肛門尖圭コンジローマ切除術:11,000円〜16,000円(内容によって変動)

支払方法は現金のほか、VISA・JCB・Mastercardなどのクレジットカードにも対応しています。費用はあくまで目安であり、詳細は受診時にご確認ください。

まとめ〜痔は「段階」を知ることが治療の第一歩

痔の治療は、「どの種類か」「どの段階か」によって大きく異なります。

痔核はGoligher分類でⅢ度以上になると手術の適応が強まり、裂肛は慢性化して肛門が狭くなった段階で手術が必要になります。痔瘻はろう管が形成された時点で手術が根本治療となります。いずれも「まだ大丈夫」と放置するほど治療が複雑になり、回復にも時間がかかります。

「恥ずかしいから」「忙しいから」という理由で受診を先延ばしにしている方、ぜひ一度専門医に相談してみてください。

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックは、辻仲病院グループの専門性と豊富な診療実績を活かし、痔核・裂肛・痔瘻の3種類すべてに対応しています。日帰り手術室を院内に併設し、女性医師も在籍。つくば駅近くでアクセスも良好です。痔の症状でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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茨城県つくば市竹園

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科

痔日帰り手術・大腸内視鏡・胃内視鏡・血便緊急外来

月〜土 9:00〜11:30 / 14:00〜16:30(日曜定休)

著者情報

院長

森田 洋平

Youhei Morita

略歴

2007年

杏林大学卒業、東京北社会保険病院で初期臨床研修、つくばメディカルセンター病院で外科研修、埼玉医科大学国際医療センターで消化器外科フェロー。その後、消化器内視鏡、肛門外科を専門とし辻仲病院柏の葉で勤務。勤務の傍ら、聖路加国際大学公衆衛生大学院で内視鏡の検査情報を効率的に伝えるための研究を行いMaster of Public Health(MPH)を取得。

資格

  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • Master of Public Health (MPH)

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本消化器内視鏡学会