切れ痔|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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疾患 DISEASE

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切れ痔とは

「まさか自分が切れ痔になるの?」と疑問に思う方がいるのではないでしょうか。 実は、切れ痔の発症率は比較的高く、生涯発症率は11.1%とされています。また、日本では痔核(いぼ痔)の次に症例数が多いのが切れ痔です。 切れ痔とは、肛門周囲の皮膚や粘膜が切れ、痛みや出血を引き起こす疾患です。とくに便秘気味の方に多いとされています。 切れ痔は、下痢などの刺激を受けたり、便秘で硬くなった便を押し出したりして生じることが多い疾患です。 一方で、出血などを切れ痔の症状だと思っていたら、実は大腸がんが見つかることもよくあります。 切れ痔は頻度の高い疾患なので、切れ痔があるからといって、大腸がんなどの重篤な疾患がないとは言えないため、切れ痔だと思っても専門医に相談しましょう。

切れ痔の症状

切れ痔の症状は、出血や排便時の激しい痛みなどです。 切れ痔によって切れた部分は、周りを引き込むようにして回復していきます。治癒部分は、固くなり、肛門が広がりづらくなってさらに切れ痔を引き起こしやすくなります。症状が進行すると、傷が瘢痕化し、肛門が狭くなって便が細くなるのが特徴です。 また、肛門が狭くなった結果として生じた肛門の変形で、イボや肛門ポリープが現れることがあります。 切れ痔の症状である痛みの影響で、排便するのが怖くなり、便秘になってしまうこともあります。

切れ痔の原因

切れ痔のおもな原因は、下痢便が勢いよく出たり、便秘によって硬い便や太い便が出たりすることです。 普段は症状がない方でも、授乳中に脱水気味になって便秘が悪化したり、冬場に水を飲む量が減少したりすることで切れ痔になることがあります。 このように切れ痔は、排便習慣や生活習慣の変化と関わりがある疾患です。

切れ痔の検査方法

切れ痔の場合は、触診(幹部を触って診断する)・視診(目視して診断する)をおこない、肛門の周りの皮膚の状態を確認します。 また、肛門鏡(肛門の中を見るための器具)で肛門の内側と直腸の診察も実施します。 一方で、先述のように出血の原因としての大腸がんは否定できません。大腸がんの可能性を除外するための大腸内視鏡検査をおこなう必要があります。 とくに40歳以上の方は、かかりつけ医の先生が切れ痔と診断したとしても内視鏡検査を受けることを強くおすすめします。症状が続く場合は、若い方も内視鏡検査を受けましょう。

切れ痔の治療方法

切れ痔の治療法には保存療法と外科的治療があります。

保存療法

肛門の変形がない、もしくは軽度の場合は手術をおこなわない治療を提案しています。実際、切れ痔の頻度は高いため、ほとんどの方は手術ではなく保存的に治療を提案しています。 切れ痔の患者さんの場合、便の性状を整えるような生活や薬物治療が重要です。便秘の予防のために規則正しい生活や運動をおこなうようにしましょう。 将来的に手術をおこなうことになっても、便秘や下痢を繰り返す場合は再発リスクが上がるため、治療の基本といってもよいです。 また、食事に関しては肉類の過剰摂取に注意し、繊維成分の摂取をすることをおすすめします。 とくに冷たい飲み物やアルコール、香辛料を過剰に摂取すると下痢になるおそれがあるため、注意してください。切れ痔部分に対しては軟膏を塗り、回復を目指しましょう。 また、痛みが強い場合は鎮痛薬の処方などもおこなっているため、診察の際に痛みが強い場合は鎮痛薬の処方の希望も教えてください。 痛みのせいで生活の質が落ちたり、排便が滞ることで便秘が助長されると、切れ痔の増悪につながります。

外科的治療

肛門の変形が強い場合や保存療法をおこなっても痛みがひどく、日常生活に差し支える場合は、以下の手術をおこなう場合があります。

裂肛ドレナージ

裂肛ドレナージは、切れ痔部分を治りやすい形に整えるためにおこなう手術です。肛門が狭くない場合におこないます。

側方皮下内括約筋切開術

側方皮下内括約筋切開術は、肛門の筋肉の緊張を取り除き、排便の際に肛門に負担がかからなくする手術です。 肛門の左側の皮膚(肛門括約筋繊維)を5mm程度切開し、肛門を適度な大きさに広げます。患者さんの切れ痔の状態によって裂肛ドレナージと併用する場合があります。

肛門形成術

肛門形成術は、肛門が狭い場合におこなう手術です。切れ痔部分を切除し、肛門括約筋繊維をわずかに切り離すことで肛門を適切な広さに拡張します。 また、皮膚を切開することで狭くなった肛門の皮膚の緊張を取り除きます。

切れ痔が不安であったりお困りの方は当院までご相談ください

切れ痔は、切れたり治ったりする状態が続くと肛門が狭くなり、傷が回復しにくくなります。 また、肛門周辺の肛門上皮や皮膚が炎症を繰り返すと、肛門ポリープやみはりイボができる場合もあるでしょう。 切れ痔は死に至る疾患ではないため、手術が必須ではありません。しかし、患者さんの症状の具合や肛門の状態によっては手術が適用になる場合があります。 切れ痔は、排便習慣が原因である場合が多いため、生活習慣を整えることが大切です。適度な水分摂取や栄養バランスに配慮された食事を心がけ、やわらかい便を保ち、硬い便を避けることが重要です。 何よりも重要なのは、大腸内視鏡検査です。大腸がんが隠れていることがあるため、検査を受けることを強く推奨します。 切れ痔によって痛みが続く場合や出血が止まらない場合は当院までご相談ください。