血便・下血とは？
排便した時に出血があったらびっくりしますよね？ 今回は、そういった症状があった方にむけて、どうすれば良いのかが分かるように解説します。 血便とは、便に赤い血が混じっている状態を指し、主に大腸や肛門など消化管の下部からの出血が原因で発生します。一方、下血は黒いタール便のことで、胃や十二指腸など消化管の上部からの出血によって起こります。 どちらも体内の出血のサインであり、さまざまな病気が原因となっている可能性があります。具体的には、大腸や肛門の病気、胃や十二指腸の潰瘍、そして時にはがんなどが考えられます。健康診断や検診で行われる便潜血検査は、肉眼では見えない少量の血液が便に混じっているかどうかを調べる検査です。 血便や下血が見られた場合、どのような病気が考えられるのか、詳しい診断と適切な治療を行うために、早めの受診が重要です。気になる症状がある方は、当院までご相談ください。
血便・下血の原因となる疾患
血便・下血は、さまざまな消化器疾患のサインであり、以下のような疾患が原因となることがあります。
痔
・いぼ痔：肛門周辺に負担がかかることにより発生します。 ・切れ痔：排便時のいきみや慢性的な下痢などで発生し、出血を伴うことがあります。
潰瘍性大腸炎
炎症性腸疾患の一種で、大腸粘膜にびらんや潰瘍が生じます。 主な症状には血便、下痢、腹痛があり、厚生労働省から難病に指定されている疾患です。
大腸ポリープ
大腸粘膜に隆起して形成されるポリープです。腫瘍性と非腫瘍性に分類され、腫瘍性のものはがん化することがあります。 症状はほとんど見られませんが、ポリープが大きくなると血便や粘血便を伴うことがあります。
大腸がん
大腸粘膜に発生するがんで、良性のポリープからがん化する場合と正常細胞ががん化する場合があります。 早期には症状がほとんどなく、進行すると血便、腹痛、便秘と下痢の繰り返し、便が細くなるなどの症状が現れます。
虚血性大腸炎
大腸の血流が一時的に低下することにより、炎症や潰瘍が生じる病気です。 主な症状は腹痛、下痢、血便で、動脈硬化や便秘による腹圧の上昇が原因とされています。
クローン病
口腔から肛門までの消化管、特に小腸と大腸に炎症や潰瘍が生じる病気です。 潰瘍性大腸炎と同様に炎症性腸疾患に分類され、厚生労働省から難病に指定されている疾患です。主な症状には腹痛、下痢、血便、体重減少などがあります。
大腸憩室出血
便秘による内圧の上昇や加齢によって腸壁に形成された憩室からの出血です。 比較的多量の出血が肛門から見られることがあります。通常痛みはありませんが、出血が多い場合は頻脈や冷や汗を伴うことがあり、早急な治療が必要です。
胃潰瘍
ストレスやピロリ菌感染、薬の長期服用などが原因で、胃粘膜にびらんが生じる病気です。 主な症状はみぞおちや背中の痛み、吐き気、嘔吐、食欲不振、下血、吐血、体重減少などです。
十二指腸潰瘍
ストレスやピロリ菌感染、薬剤の長期服用、刺激物の摂り過ぎなどによって十二指腸粘膜にびらんが生じます。 胃潰瘍と同様に下血やみぞおちの痛み、吐き気などの症状が見られます。
血便・下血の方が受けるべき検査
胃カメラ（胃内視鏡検査）
大腸カメラ（大腸内視鏡検査）
肛門鏡診察
血便や下血の原因の多くがいぼ痔や切れ痔です。いぼ痔や切れ痔は死に至る病というわけではありませんが、普段から症状がある方は肛門鏡診察を受けることをお勧めします。大腸カメラは大腸を診る検査であり、肛門を診るのに適した検査ではありません。肛門疾患が気になるようであれば肛門科など肛門診察ができるところを受診することをお勧めします。
血便・下血の治療方法
血便・下血の治療方法は、各種検査の結果をもとに、診断を確定し、適切な治療方法を選択します。 強い症状がある場合には、早期に医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが重要です。当院では、最新の設備と専門知識を持った医師が対応し、患者様の症状に最適な治療を提供いたします。気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
血便・下血でお困りの方は当院までご相談ください
血便・下血が見られた場合、早急に医療機関を受診してください。特に大腸がんは罹患率も高い病気であり、大腸カメラで大腸がんでないことを確認することが重要です。当院では毎日大腸カメラ検査を実施しており、緊急時には当日中の緊急検査にも対応可能です。血便・下血は重大な消化器疾患の兆候であることが多いため、放置せず、すぐに医療機関で診察を受けましょう。 また、当院は肛門病の専門病院でもあるので、肛門からの出血かどうか気になる場合なども対応可能です。 ご不安な点や症状についてのご相談は、どうぞお気軽に当院までお問い合わせください。専門の医師が丁寧に対応いたします。