- ◦ 目次
- ▸ 血便が出たとき、まず知っておきたいこと
- ◦ 血便にはさまざまな種類がある
- ◦ 虚血性腸炎とはどんな病気か
- ◦ 血便が出たら「何科」に行けばいい?
- ▸ 虚血性腸炎の原因と発症の仕組みを詳しく解説
- ◦ なぜ腸の血流が低下するのか
- ◦ 虚血性腸炎と間違えやすい病気
- ▸ 虚血性腸炎が発症しやすい年齢・性別の特徴
- ◦ 中高年以降に多い理由
- ◦ 若い世代・女性にも起こりうる
- ◦ よくある誤解:「血便=痔」とは限らない
- ▸ 虚血性腸炎の治療と経過について
- ◦ 多くは保存療法で改善が期待できる
- ◦ 重症化・壊死型は外科的治療が必要なことも
- ◦ 再発予防のためにできること
- ▸ 辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックのこだわり
- ◦ 苦痛に配慮した内視鏡検査
- ◦ 当院が大切にしていること
- ◦ 大腸内視鏡検査の費用目安(保険診療)
- ▸ よくあるご質問
- ◦ 📋 この記事のまとめ
- ◦ 血便・腹痛が気になる方はご相談ください
「突然の腹痛とともに血便が出た」「トイレで鮮やかな赤い血を見てびっくりした」——そんな経験はありませんか?血便は消化管のどこかで出血が起きているサインであり、原因のひとつとして近年注目されているのが「虚血性腸炎」です。
虚血性腸炎は特定の年齢層に発症しやすく、生活習慣との関係も深い病気です。このコラムでは、つくば市・茨城県南エリアにお住まいの方に向けて、虚血性腸炎の原因・年齢との関係・受診のタイミングをわかりやすくお伝えします。
- 虚血性腸炎とはどんな病気か・血便との関係
- 発症しやすい年齢・原因・リスクファクター
- 受診すべきタイミングと内視鏡検査の役割
目次
血便が出たとき、まず知っておきたいこと
血便にはさまざまな種類がある
血便といっても、その状態は多様です。鮮やかな赤い血が便に混じるもの、便器の水が赤く染まるもの、黒っぽいタール状の便など、出血している場所によって見え方が異なります。鮮やかな赤い血便は大腸・直腸・肛門付近の出血を示すことが多く、黒色便は胃や十二指腸など上部消化管の出血を示す傾向があります。
「少量だから大丈夫」「一度きりだから様子を見よう」と思いがちですが、血便は消化管の異常を知らせる重要なサインです。痔による出血と区別がつかない場合も多いため、自己判断せず専門医への受診を検討することをおすすめします。
虚血性腸炎とはどんな病気か
虚血性腸炎とは、大腸の一部への血流が一時的に低下することで腸の粘膜が傷つき、炎症・潰瘍・出血を引き起こす疾患です。「虚血(きょけつ)」とは血流が不足した状態を指します。
主な症状は突然の左下腹部の痛みと鮮血を伴う血便です。腹痛→下痢→血便の順で症状が現れることが多く、数時間以内にこの3つが重なるときは虚血性腸炎が疑われます。発熱や吐き気を伴うこともあります。
血便が出たら「何科」に行けばいい?
血便が出た場合は、消化器内科・内視鏡内科・大腸肛門科などを受診してください。大腸の内視鏡検査(大腸カメラ)によって出血の原因を直接確認することができます。虚血性腸炎以外にも、潰瘍性大腸炎・大腸ポリープ・大腸がん・痔核などさまざまな原因が考えられるため、原因を特定するためには内視鏡検査が重要な役割を果たします。
虚血性腸炎の原因と発症の仕組みを詳しく解説
なぜ腸の血流が低下するのか
虚血性腸炎が起こる最大の原因は、大腸を栄養する血管の血流低下です。大腸の中でも特に「脾彎曲部(ひわんきょくぶ)」から「下行結腸」「S状結腸」にかけての領域は血流が低下しやすく、虚血性腸炎が起きやすい部位とされています。
加齢によって血管の弾力が失われ、動脈硬化が進むと大腸の細い血管にも血流障害が起きやすくなります。高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病がある方は特にリスクが高まります。虚血性腸炎の発症と動脈硬化の関係は、多くの研究で指摘されています。
慢性的な便秘があると、いきむ際に腸内の圧力が急上昇します。この圧力が腸壁の細い血管を圧迫し、一時的に血流を遮断することが虚血性腸炎のきっかけになることがあります。便秘は虚血性腸炎の引き金のひとつとして知られており、排便習慣の改善が予防に役立つ場合があります。
一部の薬剤(血管を収縮させる作用のある薬、経口避妊薬など)も虚血性腸炎のリスクに関わることが報告されています。また、下痢・嘔吐・発汗による脱水状態、大腸の手術後の循環変化なども発症に関連する場合があります。心臓や血管の疾患がある方も注意が必要です。
虚血性腸炎と間違えやすい病気
虚血性腸炎は症状が他の大腸疾患と似ているため、自己判断は難しい疾患です。よく似た症状を示す病気として、感染性腸炎(細菌・ウイルスによる胃腸炎)、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸がんなどがあります。内視鏡検査・生検(組織検査)で初めて正確に診断できることが多いため、血便・腹痛が出たら早めの受診が大切です。
⚠ こんな症状がある場合はすぐに受診を
・突然の強い腹痛と大量の血便が同時に起きた場合
・腹痛が激しく、痛みが数時間以上続く場合
・めまい・立ちくらみ・冷や汗などを伴う場合
・高齢の方・心疾患・血管疾患のある方で血便が出た場合
上記に当てはまる場合は速やかに医療機関を受診してください。症状が重い場合は救急受診をご検討ください。
虚血性腸炎が発症しやすい年齢・性別の特徴
中高年以降に多い理由
虚血性腸炎は50歳以上の中高年・高齢者に多く発症するとされています。加齢に伴って動脈硬化が進行し、血管の柔軟性が失われることが主な理由です。また、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病を持つ方が増える年代でもあり、これらが重なることで発症リスクがさらに高まると考えられています。
つくば市・茨城県南エリアにお住まいの中高年の方で、慢性的な便秘や生活習慣病をお持ちの場合は、消化器専門医への定期的なチェックを受けることが健康管理の一助となります(個人差があります)。
若い世代・女性にも起こりうる
かつては「高齢者の病気」というイメージが強かった虚血性腸炎ですが、近年は若い世代にも見られることが報告されています。特に女性においては、経口避妊薬(ピル)の使用が血栓リスクを高めることがあり、血流障害の一因になる場合があります。また、若い女性に多い慢性便秘も虚血性腸炎の誘因として知られています。
「まだ若いから大丈夫」という思い込みは危険なこともあります。年齢に関わらず、突然の腹痛と血便が重なったときは消化器専門医に相談することをおすすめします。
よくある誤解:「血便=痔」とは限らない
多くの方が「血便が出たのは痔のせいだろう」と思い込み、受診を先延ばしにするケースが少なくありません。確かに痔による出血は多いですが、虚血性腸炎・大腸ポリープ・大腸がんなど深刻な疾患が原因のこともあるため、自己判断は禁物です。痔の出血と虚血性腸炎の出血を外見だけで区別するのは専門家でも難しく、内視鏡検査による確認が必要です。
虚血性腸炎の治療と経過について
多くは保存療法で改善が期待できる
虚血性腸炎の多くは、絶食・点滴・安静といった保存的治療によって症状が改善していくことが期待できます(個人差があります)。腸を一時的に休ませることで血流が回復し、炎症が落ち着いていくケースが多く見られます。軽症の場合は外来での経過観察が可能なこともありますが、症状の程度・範囲・合併症の有無によって入院が必要になる場合もあります。
重症化・壊死型は外科的治療が必要なことも
稀に、血流の遮断が重篤で腸の壊死(えし)が起きている「壊死型」の虚血性腸炎では、外科手術が必要になる場合があります。これは全体のごく一部ですが、早期発見・早期治療が重症化予防につながることは間違いありません。症状が気になる方は自己判断せず、早めに専門医を受診することが大切です。
✔ 早期受診のメリット
- 正確な診断が早期につく
- 保存療法での対応が期待しやすい
- 他の疾患(大腸がん等)の早期発見にもつながる
- 重症化リスクを抑えやすい
✗ 受診を先延ばしにするリスク
- 症状が悪化・重症化する可能性がある
- 大腸がんや潰瘍性大腸炎を見逃すリスク
- 「痔のせい」という自己判断で本来の原因を放置
- 治療の選択肢が狭まる場合がある
再発予防のためにできること
虚血性腸炎は再発することがあります。再発を防ぐためには、発症の背景にある生活習慣病のコントロール・便秘の改善・適切な水分補給・脱水の予防が重要とされています。また、治療後も定期的に消化器科で経過を観察することが、再発の早期発見につながります。
当院では治療後の経過観察や生活習慣のアドバイスも行っておりますので、再発が心配な方もお気軽にご相談ください。
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックのこだわり
苦痛に配慮した内視鏡検査
大規模なアンケート調査によると、日本では80%以上の方が内視鏡検査をつらいと感じているという結果が報告されています。当院院長の森田洋平も、辻仲病院グループに赴任する以前は「つらい内視鏡検査が当たり前」と思っていたと語っています。辻仲病院での検査を経験して初めて、苦痛が大幅に少ない内視鏡検査の可能性を実感したといいます。
当院では鎮静剤を使用した痛みに配慮した内視鏡検査を行っており、検査への不安や恐怖心が強い方にも受診しやすい環境を整えております。また、内視鏡AIを導入し、ポリープや病変の見落としを減らす取り組みも行っています。
当院が大切にしていること
- 鎮静剤使用の内視鏡検査:検査中の苦痛に配慮し、うとうとした状態で受けられる検査を提供しています
- 内視鏡AI導入:病変の発見精度向上をサポートするシステムを活用しています
- 胃カメラ・大腸カメラの同日検査対応:忙しい方でも1日で上部・下部の消化管をまとめて検査できます
- 女性医師在籍(木曜担当):女性の患者さまが相談しやすい診療体制を整えています
- 24時間WEB予約・オンライン診療対応:いつでもご都合に合わせて予約・相談ができます
- グループ病院(辻仲病院柏の葉)との連携体制:入院・手術が必要な場合も安心して紹介・対応できる体制です
大腸内視鏡検査の費用目安(保険診療)
当院では保険診療による大腸内視鏡検査を行っております。費用の目安は以下の通りです(3割負担の場合)。実際の費用は診察内容・処置内容によって異なりますので、詳しくは受診時にご確認ください。
| 検査・処置内容 | 費用目安(3割負担) |
|---|---|
| 大腸内視鏡検査 | 約7,500円 |
| 内視鏡的大腸ポリープ切除術(2cm未満) | 約30,000円 |
| 病理組織検査(1臓器) | 約4,000円 |
| 病理組織検査(2臓器) | 約7,500円 |
| 病理組織検査(3臓器) | 約11,000円 |
※保険診療のため料金は目安です。自費・保険の別は診察内容により異なります。
よくあるご質問
📋 この記事のまとめ
- 血便は虚血性腸炎・大腸ポリープ・大腸がんなど多様な原因が考えられ、自己判断は禁物
- 虚血性腸炎は大腸への血流低下が原因で、動脈硬化・便秘・脱水などがリスクになる
- 50歳以上の中高年に多いが、便秘がちな若い女性など若い世代にも起こりうる
- 多くは保存療法で改善が期待できるが、早期受診・内視鏡検査による正確な診断が重要
- 当院は鎮静剤使用の苦痛に配慮した内視鏡検査、AI内視鏡、同日検査対応など体制を整えている
つくばおよび茨城県南にお住まいの皆さんが、胃腸や肛門の症状について気軽に受診できるクリニックをつくることが私の目標です。内視鏡検査に対して「つらそう」「怖い」というイメージをお持ちの方に、苦痛の少ない検査の体験を提供したいと考えています。また、公衆衛生大学院(MPH)での研究を通じて培った「わかりやすい医療情報の伝え方」を活かし、検査・治療に関する情報提供にも力を入れています。グループ病院との連携もありますので、クリニックでの検査から、必要に応じた入院・手術まで、安心して受診いただける体制を整えています。まずはお気軽にご相談ください。
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科 院長 森田洋平