大腸内視鏡とCT検査の比較〜それぞれのメリットと選び方|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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大腸内視鏡とCT検査の比較〜それぞれのメリットと選び方

公開日:2026年06月12日 / 更新日:2026年06月11日

大腸の精密検査には2つの選択肢があります

大腸がんは、女性のがん死亡率で第1位、男性でも第3位を占める深刻な疾患です。

早期発見が治療成績を大きく左右するこの病気に対して、私たちが選択できる精密検査には「大腸内視鏡検査」と「大腸CT検査(CTコロノグラフィー)」という2つの方法があります。どちらを選ぶべきか迷われる方も多いでしょう。

結論から申し上げますと、検査の質という観点では大腸内視鏡検査が明らかに優れています。大腸CT検査は、内視鏡検査が困難な場合の次善の選択肢として位置づけられるものです。このことは大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン2020年に明記されています。

この記事では、辻仲病院グループで年間11,000件以上の大腸内視鏡検査を実施してきた経験をもとに、両検査の違いを詳しく解説します。

なお、当院では大腸CT検査を行っていません。行える施設は非常に限られているため、ご自身で調査されることをお勧めします。

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科

大腸内視鏡検査について気になることはお気軽にご相談ください

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大腸内視鏡検査とは〜直接観察による確実な診断

大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入して大腸内を直接観察する検査方法です。

私たち消化器内視鏡専門医は、この検査で大腸の粘膜を直接カラー画像として確認できます。大腸のヒダを広げながら観察するため、小さなポリープや早期がん、さらには平坦な病変まで見逃しません。リアルタイムで病変の性状を評価でき、必要に応じてその場で組織を採取したり、ポリープを切除したりすることが可能です。

検査と治療を同時に行える唯一の方法

大腸内視鏡検査の最大の強みは、診断と治療を一度に完結できる点にあります。

検査中にポリープを発見した場合、その場で切除することで大腸がんの発生を未然に防ぐことができます。大腸がんのほとんどは良性のポリープが悪性化することで発生するため、ポリープの段階で切除してしまえば、がんの予防につながるのです。これは大腸CT検査では決して実現できない、内視鏡検査だけが持つ大きなメリットです。

国内外の報告によると、大腸ポリープ切除による大腸癌予防率は90%程度とされており、食事などの因子よりもはるかに高いことが知られています。

辻仲病院グループの検査技術〜無送気軸保持短縮法

「大腸カメラは苦しい」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、検査技術は大きく進歩しています。

辻仲病院グループでは「無送気軸保持短縮法」という特殊な挿入技術を採用しており、従来の検査法と比べて腸への負担が少なく、不快な異物感や苦痛をほとんど感じない検査を実現しています。年間11,000件以上という豊富な実績に裏打ちされた技術で、患者さんの負担を最小限に抑えた検査を提供しています。

大腸CT検査とは〜体への負担が少ない画像診断

大腸CT検査は、肛門から炭酸ガスを注入して腸管を膨らませた状態でCT撮影を行い、3次元画像を作成する検査方法です。

CTコロノグラフィーとも呼ばれるこの検査は、内視鏡を挿入する必要がないため、検査時の身体的負担が少ないという特徴があります。肛門から数センチだけ細いチューブを挿入してガスを注入し、仰向けとうつ伏せの2つの体位でCT撮影を行います。検査時間は15分程度で、注入した炭酸ガスは腸管から速やかに吸収されるため、検査後の腹部膨満感も軽減されます。

前処置の負担が軽減される

大腸CT検査では、内服する下剤の量が大腸内視鏡検査の半分程度で済みます。

これは「タギング」という前処置法の導入によるものです。下剤と一緒に少量の造影剤を内服すると、便には造影剤が混じりますが、ポリープには混じらないという性質を利用して、便と病変を鑑別します。ただし、造影剤アレルギーがある方はアナフィラキシーショックのリスクがあるため、この検査を受けることができません。

大腸以外の臓器も同時に評価できる

CT装置が撮影する範囲は大腸だけに限定されません。肝臓、膵臓、胆のう、腎臓、子宮、卵巣、前立腺など腹部臓器全体を一度に撮影できるため、大腸以外の病変も発見できる可能性があります。

また、過去の手術による癒着があり内視鏡の挿入が困難な方や、腸が長すぎて内視鏡検査が難しい方でも、大腸の形状に左右されることなく検査を実施できます。

両検査の精度を比較する〜見逃しのリスクはどちらが低いか

検査精度という観点では、大腸内視鏡検査が優れています。

大腸内視鏡検査では、大腸の粘膜を直接観察するため、小さいポリープや早期がん、さらには平坦で粘膜に這うような病変まで発見できます。一方、大腸CT検査は3次元画像を作成して診断するため、小さめの病変や平坦な病変は見つけにくいという弱点があります。臨床試験の結果では、6mm以上の病変については大腸内視鏡検査に劣らない診断能を示していますが、それ以下の小さな病変や表面型病変の診断能は低いとされています。

治療までの流れの違い

大腸内視鏡検査では、病変を発見した際にその場で切除や組織採取が可能です。

しかし大腸CT検査はあくまでも「検査のみ」の方法です。何か異常が見つかった場合、確認や治療のために結局は大腸内視鏡検査を受ける必要があります。つまり、大腸CT検査で異常が見つかれば、再度の前処置と検査が必要になり、患者さんの負担が増えることになります。

早期発見と予防の観点から

大腸がんの多くは良性ポリープが悪性化することで発生します。

ポリープの段階で切除できれば、がんの発生を防ぐことができます。この「予防」という観点では、大腸内視鏡検査だけが実現可能な方法です。大腸CT検査ではポリープを発見できても切除はできないため、予防効果は得られません。早期発見だけでなく予防まで視野に入れるなら、大腸内視鏡検査が最善の選択となります。

それぞれの検査が適している人〜あなたに合った選択は

どちらの検査を選ぶべきかは、個々の状況によって異なります。

大腸内視鏡検査をおすすめする方

以下のような方には、大腸内視鏡検査を強くおすすめします。

  • 血便などの症状があり、大腸の病気が疑われる方
  • 便潜血検査で陽性となり、精密検査が必要な方
  • 家族に大腸がんの既往がある方
  • 40歳以上で一度も大腸検査を受けたことがない方
  • 過去にポリープを切除したことがあり、経過観察が必要な方
  • 検査と同時に治療も完結させたい方

便潜血検査で陽性となった場合、精密検査は大腸内視鏡検査が基本です。初期のがんや小さなポリープを確実に発見し、その場で治療まで行えるのは内視鏡検査だけです。

大腸CT検査を検討する方

以下のような場合には、大腸CT検査が選択肢となります。

  • 過去の腹部手術による癒着があり、内視鏡挿入が困難な方
  • 腸が長すぎて内視鏡検査が難しいと言われた方
  • 抗凝固薬を服用中で内視鏡治療ができない方
  • どうしても内視鏡検査に抵抗がある方
  • 人間ドックなどで大腸以外の臓器も同時に評価したい方

ただし、大腸CT検査で異常が見つかった場合は、最終的に大腸内視鏡検査が必要になることを理解しておく必要があります。

とはいえ、検査自体の苦痛については、鎮静剤を用いるなどの方法で軽減できたり、抗凝固薬についても内視鏡治療が全くできないことはほとんどないため、どの方法が本当に適しているかについては慎重に見る必要があります。

当院の大腸内視鏡検査の流れをご確認いただけます

検査前の準備から当日の流れまで、ご案内ページで詳しくご確認いただけます。ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

検査費用と保険適用について

検査費用も選択の重要な要素です。

血便などの症状がある場合や、便潜血検査で陽性となった場合は、保険適用となります。大腸内視鏡検査も大腸CT検査も、症状がある場合は保険診療として受けることができます。一方、症状がない場合の人間ドックなどでは自費診療となり、施設によって費用が異なります。

辻仲つくばクリニックでは、無料相談フォームや電話での問い合わせで、費用について事前に確認することができます。検査を受ける前に、費用面についても十分に確認されることをおすすめします。

検査前の準備と当日の流れ

大腸内視鏡検査の準備

大腸内視鏡検査では、検査前日から食事制限が始まります。

当日は腸管洗浄剤(下剤)を内服して、大腸内をきれいにする必要があります。近年は下剤の改良が進み、以前よりも飲む量が少なくなり、味も飲みやすくなっています。「昔の検査がつらかった」という記憶をお持ちの方も、現在の検査は格段に受けやすくなっていますので、再チャレンジをご検討ください。

大腸CT検査の準備(当院では大腸CT検査は行っていません。)

大腸CT検査でも前日からの食事制限があります。

下剤の量は大腸内視鏡検査の半分程度で済みますが、造影剤を一緒に内服する必要があります。検査当日は検査着に着替え、CT室で仰向けとうつ伏せの2つの体位で撮影を行います。検査時間は15分程度で、検査後は少し休んでから結果説明を受けて帰宅できます。

検査結果の説明

大腸内視鏡検査では、検査直後に画像を見ながら結果説明を受けられます。

ポリープを切除した場合は、その組織を病理検査に提出し、後日詳しい結果を聞くことになります。大腸CT検査では、3次元画像の作成に時間がかかるため、結果説明は後日となることが多いです。

辻仲病院グループの強み〜内科医と外科医の連携体制

辻仲病院グループには、他の医療機関にはない大きな強みがあります。

それは、消化器内科医だけでなく外科医も内視鏡検査を実施している点です。内視鏡での切除が困難な病変が発見された場合、カンファレンスを通じて情報共有し、腹腔鏡手術などの外科的治療を迅速に予定できる体制が整っています。他院では内視鏡検査後に別の医療機関へ紹介が必要な場合でも、当グループでは同一施設内で治療まで完結できます。

患者さんは再度の内視鏡検査や下剤服用、来院回数を減らすことができ、大きな負担軽減につながります。年間21,000件以上という豊富な内視鏡検査実績と、内科・外科の連携による迅速な治療体制が、辻仲病院グループの大きな特徴です。

まとめ〜あなたに最適な検査を選ぶために

大腸内視鏡検査と大腸CT検査、それぞれに特徴があります。

検査の質という観点では、大腸内視鏡検査が明らかに優れています。小さな病変や平坦な病変まで発見でき、その場で治療まで完結できるのは内視鏡検査だけです。大腸がんの予防という観点でも、ポリープを切除できる内視鏡検査が最善の選択です。

一方、大腸CT検査は内視鏡挿入が困難な方や、どうしても内視鏡検査に抵抗がある方の選択肢となります。ただし、異常が見つかれば結局は内視鏡検査が必要になることを理解しておく必要があります。

辻仲つくばクリニックでは、無送気軸保持短縮法による苦痛の少ない大腸内視鏡検査を提供しています。血便などの症状でお悩みの方、検査に不安をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。豊富な実績を持つ専門医が、あなたに最適な検査方法をご提案します。

大腸がんは早期発見できれば治る可能性が高い病気です。症状がある方はもちろん、40歳を過ぎたら一度は大腸検査を受けることをおすすめします。

茨城県つくば市竹園

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科

大腸内視鏡・CT検査の選択についてご不明な点はお気軽にご相談ください。

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著者情報

院長

森田 洋平

Youhei Morita

略歴

2007年

杏林大学卒業、東京北社会保険病院で初期臨床研修、つくばメディカルセンター病院で外科研修、埼玉医科大学国際医療センターで消化器外科フェロー。その後、消化器内視鏡、肛門外科を専門とし辻仲病院柏の葉で勤務。勤務の傍ら、聖路加国際大学公衆衛生大学院で内視鏡の検査情報を効率的に伝えるための研究を行いMaster of Public Health(MPH)を取得。

資格

  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • Master of Public Health (MPH)

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本消化器内視鏡学会