便秘があるけどマンジャロを使って大丈夫?消化器内視鏡専門医が答えます|つくば|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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便秘があるけどマンジャロを使って大丈夫?消化器内視鏡専門医が答えます|つくば

公開日:2026年06月25日 / 更新日:2026年06月24日

マンジャロ使うと便秘が増えると聞いて、不安になりますよね。

結論から言うと、もともと便秘のある方でも、マンジャロ(チルゼパチド)を使えないわけではありません。 ただし、「ゆっくり増やす・先回りで便秘対策をする・つらければ早めに相談する」という3つが前提です。便秘はマンジャロでよく見られる副作用のひとつですが、多くは工夫で和らげられますし、もともと便秘の方こそ、始め方と対策を知っておくことで安心して取り組めます。


「マンジャロを始めたら便秘がひどくなった」「もともと便秘なのに、使って大丈夫?」——肥満外来や消化器外来で、こうしたご相談をよくいただきます。便秘が出ると「自分には合わないのかも」と不安になりますよね。でも、便秘はマンジャロを使う多くの方が経験するもので、あなたが弱いからでも、使い方を間違えたからでもありません。私は普段から便秘という症状そのものを診ている消化器内視鏡専門医として、この記事で正面からお答えします。

この記事でお伝えすること

  • マンジャロで便秘が起こる頻度と理由
  • 便秘が「吐き気と違って続きやすい」という大事なポイント
  • もともと便秘がある方が知っておきたい始め方
  • 今日からできる便秘対策と、市販薬の使い方
  • すぐ受診すべき危険サイン
  • 他院・オンラインで処方を受けている方のご相談について

なお、肥満治療を目的としたマンジャロの使用は国内では未承認で、自費診療となります(同じ成分のゼップバウンド®は肥満症の治療薬として保険適用が認められています)。薬剤の効果や費用、禁忌の詳細はつくばのマンジャロ処方クリニックのページもあわせてご覧ください。

マンジャロで便秘になる人はどのくらい?

便秘は、吐き気・下痢・嘔吐と並ぶマンジャロの代表的な消化器症状のひとつで、**用量によっておよそ1〜2割(5〜6人に1人ほど)**の方が経験します。


肥満を対象とした大規模な臨床試験(SURMOUNT-1)では、便秘が報告された割合は5mgで16.8%、10mgで17.1%、15mgで11.7%でした。興味深いのは、必ずしも「量が多いほど便秘も増える」わけではないという点です。多くは軽度から中等度で、特に薬の量を増やしていく時期(増量期)に起こりやすいことがわかっています。


つまり、便秘はめずらしい反応ではなく、「起こりうるもの」としてあらかじめ備えておくのが現実的です。

どうしてマンジャロで便秘になるの?

主な理由は、胃や腸の動きがゆっくりになることです。


マンジャロは、胃の中の食べ物が腸へ送られる速さ(胃排出)をゆるやかにし、満腹感を長く保つことで食欲を抑えます。これは減量に役立つ仕組みですが、同時に腸の動きも穏やかになるため、便が腸の中に長くとどまります。すると便から水分が吸収されて硬くなり、出しにくくなります。


さらに、食事の量そのものが減ると、便のかさのもとになる食物繊維や水分の摂取も減りがちです。これらが重なって、便秘が起こりやすくなります。マンジャロはGIPとGLP-1という2つのホルモンの働きを併せ持つ薬で、この特徴が便秘の出やすさに関わっていると考えられています。

「待っていれば治る」とは限らない——吐き気との違い

ここが、便秘でいちばん知っておいてほしいポイントです。


吐き気は、薬を増やし始めた時期にピークを迎え、体が慣れるにつれて多くの場合は自然に和らいでいきます。一方で、便秘は吐き気ほど自然には解消せず、続きやすい傾向があります。胃腸の動きがゆっくりな状態が続く限り、対策をしないと便秘も続いてしまうからです。


裏を返せば、便秘は「先回りの対策」と「こまめなモニタリング」がよく効く症状でもあります。水分や食物繊維、必要なら下剤といった工夫で、多くの方は1〜2週間ほどで楽になっていきます。「そのうち治るだろう」と待つのではなく、早めに手を打つことが大切です。

もともと便秘がある方へ——いちばん知っておいてほしいこと

ここが、この記事の中心です。まず正直にお伝えします。


マンジャロの臨床試験は「便秘は誰にでも起こりうる」ことを示していますが、「もともと便秘がある人がどうなるか」を直接調べたデータは、実はあまり多くありません。 ですから、「もともと便秘の人は必ずひどくなる」とも「心配いらない」とも、強くは言い切れないのが正直なところです。


そのうえで、いくつかの手がかりはあります。もともと腸の動きが遅い方や便秘の持病がある方は、消化器の副作用が出やすい一因になりうるとされ、まれに腸の通りが悪くなる合併症の素因にもなりうると報告されています。専門家の合意としても、副作用が出やすい方には「薬をゆっくり増やす・症状が出たら増量を急がない・先回りで対策する」という進め方が推奨されています。これは、もともと便秘がある方にそのまま当てはまる考え方です。

院長

具体的には、次のことをおすすめします!

  • 第一に、開始前から便通を整えておくこと。水分・食物繊維・運動を意識し、必要なら普段使っている便秘薬を続けておきます。
  • 第二に、もともと便秘があることや使っている下剤を、処方する医師に必ず伝えること。これによって増量のペースを調整できます。
  • 第三に、量を増やすのを焦らないこと。便秘がつらいときは、無理に次の量へ進まず、いったん様子を見るのが安全です。
  • 第四に、つらくなったら早めに相談すること。
なお、胃腸の動きが極端に弱い病気(胃不全麻痺など)がある方は、より慎重な判断が必要です。気になる持病がある方は、開始前にご相談ください。

実際にあったご相談——「便秘がつらくて増量が怖い」

当院でも、こうしたご相談を経験しています。マンジャロを始めてから便秘の具合が悪くなり、「決められたとおりに量を増やすのが難しい」「正直、これ以上増やすのが怖い」と感じてしまう——というケースです。


このようなときに私たちが大切にしているのは、便秘を放置したまま増量を急がないことです。まずは水分・食物繊維・必要に応じた下剤で便秘のコントロールを意識していただき、お腹の調子の改善を狙います。そのうえで、「減量の目標に対して、どのくらいまで量を増やす必要があるのか」を一緒に確認していきます。


マンジャロは量を増やすほど効果が出やすい一方、副作用も出やすくなります。だからこそ、便通の状態を見ながら、増量のペースや到達点をご本人と相談して決めていきます。「怖いから自己判断でやめる」のでも「つらいのを我慢して無理に増やす」のでもなく、副作用を管理しながら、その方に合った減量の落としどころを探る——これが、副作用を専門に診られるクリニックでフォローする意味だと考えています。

今日からできる便秘対策

便秘が出てきたとき、また予防のために、まず試していただきたいことをまとめます。

  • 水分をしっかりとる。
    食事量が減ると水分も不足しがちです。こまめに飲み、1日にコップ8〜10杯ほどを目安にします。
  • 食物繊維を少しずつ増やす。
    野菜・果物・海藻・きのこなど。水に溶けるタイプの食物繊維(サイリウム=オオバコなど)は便をやわらかくするのに向いています。ただし、一気に増やすとお腹が張ることがあるので、少量から様子を見て増やします。
  • 体を動かす。
    軽い散歩でも腸の動きを助けます。
  • 食べ方を工夫する。
    一度にたくさんではなく、少量を回数を分けて。極端に繊維や水分の少ない食事に偏らないようにします。

これらで足りないときは、市販や処方の便秘薬を使います。使いやすいのは、便に水分を引き込んでやわらかくする「浸透圧性下剤」(酸化マグネシウムやポリエチレングリコール製剤など)です。腸を刺激して動かす「刺激性下剤」(センナなど)は、効果は強いものの習慣化しやすいため、短期間・必要なときだけにとどめるのがコツです。腎臓の働きが低下している方はマグネシウム製剤に注意が必要なので、自己判断で続けず、医師や薬剤師に相談してください。


当院では、看護師がタンパク質のとり方の目安や、コンビニでサッと買える高タンパク・食物繊維の食材リストをお渡しし、食事の面からも便通をサポートします。運動の習慣づけを希望される方には、連携するパーソナルジムfan’s(つくば・守谷・研究学園)のご案内もしています(ご希望の方向け)。体の中身(筋肉と脂肪のバランス)を測るInBodyも、fan’sで2026年7月から導入予定です。

こんなときはすぐ受診を——便秘の危険サイン

ほとんどの便秘は対策で和らぎますが、まれに注意が必要なサインがあります。次のような症状があるときは、いつもの便秘と考えず、早めに受診してください。
  • 強いお腹の痛み
  • 吐き気・嘔吐をくり返す
  • お腹がパンパンに張る
  • 便もガスもまったく出ない

これらは、腸の動きが止まってしまう「イレウス(腸閉塞)」を疑うサインです。マンジャロの添付文書(米国)にも、市販後の情報としてイレウス・腸閉塞・重度の便秘(便が固まって詰まる糞便塞栓を含む)が記載されています。頻度は高くありませんが、起きたときは速やかな対応が必要です。


当院は消化器内視鏡を専門とするクリニックですので、こうした腹部の症状について、必要に応じて検査(腹部の評価や内視鏡など)で原因を確かめ、対応することができます。本当に薬のせいなのか、別の病気が隠れていないかを見極められるのは、消化器を専門に診ている強みです。胃やお腹の不調が続くときの内視鏡検査については、胃内視鏡検査の受け方の解説もご参考にしてください。

関連記事 【漫画】胃内視鏡検査の受け方

他院・オンラインで処方を受けている方へ

「マンジャロは別のクリニックやオンライン診療で出してもらっている。でも便秘や副作用がつらい」——そんな方も、ご相談だけでも歓迎です。


副作用は、消化器を専門に診る医師と一緒に確認できると安心です。便秘の対処や下剤の選び方はもちろん、増量のペースをゆるめるべきか、危険なサインが隠れていないかといった見極めも、ご相談いただけます。


さらに、ご希望があれば、今後の処方そのものを当院で相談・継続していくこともできます。 副作用のフォローと処方を一つの窓口にまとめられるので、「症状が出るたびに、どこに相談すればいいか分からない」という不安が減ります。もちろん、無理に切り替えをおすすめするものではありません。相談先の選択肢のひとつとして、知っておいていただければと思います。

つくば・土浦・石岡・筑西での当院のサポート

最後に、当院でできることをまとめます。


私たちは消化器内視鏡を専門とするクリニックとして、マンジャロの胃腸の副作用に強いのが特徴です。便秘・吐き気・下痢などの相談に乗りながら、おひとりずつ増量のペースを一緒に調整します。薬だけでなく、看護師による栄養サポート、ご希望の方には運動(fan’s連携)まで含めて、無理のない減量をお手伝いします。


通いやすさ。 当院はつくば駅から徒歩5分で、電車やバスで来やすい立地です。土浦・石岡・筑西など周辺の市からも通っていただけます。


ハイブリッドな診療体制。 オンライン診療にも対応しています。便秘や副作用の程度に応じて、「軽いうちはオンラインで相談し、危険なサインや症状の悪化があるときは対面でお腹を診る」と柔軟に切り替えられます。便秘という、状態によって対面での診察が望ましいテーマと、特に相性のよい仕組みです。


初回は対面で、安心のスタート。 初回は原則として対面で行います(自己注射の経験がある方を除く)。これは、看護師の指導のもとで、その場で正しい自己注射の打ち方(注射する部位・手順・薬の保管など)を実際に学べるためです。初めての方も、画面越しではなく目の前で確認しながら始められるので安心です。2回目以降は、お住まいや生活に合わせてオンラインもご利用いただけます。


便秘があってマンジャロをためらっている方も、すでに使っていて便秘に困っている方も、まずはお気軽にご相談ください。つくばの肥満外来(メディカルダイエット)で、あなたに合った進め方を一緒に考えます。


なお、減量にともなう筋肉と脂肪のバランスについては、マンジャロで筋肉は落ちる?体組成データの解説もあわせてご覧ください。

関連記事 【つくば市 消化器内科の肥満外来】メディカルダイエットで「無理しないダイエット」を実現 関連記事 【医師監修】マンジャロで筋肉は落ちる?体組成データから考える「健康的に痩せる」コツ

よくある質問

マンジャロの便秘はいつまで続きますか?

水分・食物繊維・運動や、必要に応じた下剤などの対策をすれば、多くの方は1〜2週間ほどで楽になります。ただし、吐き気と違って便秘は対策をしないと続きやすいので、早めの対応が大切です。

もともと便秘ですが、マンジャロは使えますか?
使えないわけではありません。ただし、もともと便秘があることを必ず医師に伝え、薬をゆっくり増やしながら、先回りで便秘対策をすることが前提です。胃腸の動きが極端に弱い病気がある方は、より慎重な判断が必要です。
市販の便秘薬を使ってもいいですか?

便に水分を引き込む「浸透圧性下剤」(酸化マグネシウムなど)が使いやすい選択肢です。腸を刺激するタイプは短期間・必要なときだけに。腎臓の働きが低下している方はマグネシウム製剤に注意が必要なので、自己判断で続けず相談してください。

便秘がつらいので、薬を減らすかやめた方がいいですか?

 自己判断で急にやめると、リバウンドのリスクがあります。まずは便秘対策と増量ペースの調整を相談しましょう。それでもつらい場合の減量・中止も、医師と一緒に判断します。

どんな症状が出たら、すぐ受診すべきですか?

強いお腹の痛み、くり返す嘔吐、お腹の強い張り、便もガスも出ない——これらはイレウス(腸閉塞)を疑うサインです。様子を見ずに受診してください。

他院やオンラインでマンジャロを処方されています。便秘の相談だけでも受けてもらえますか?
はい。便秘や副作用のご相談だけでも受け付けています。消化器内視鏡専門医と一緒に確認できるので安心です。
今後の処方を当院に切り替えることはできますか?

可能です。副作用のフォローと処方を一つの窓口にまとめられます。自費診療であることや初回の対面など、実務的なことは受診時にご案内します。

茨城県つくば市竹園

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科

マンジャロにご興味のある方は、まずはお気軽にご相談ください。

月〜土 9:00〜11:30 / 14:00〜16:30 日曜休診

著者情報

院長

森田 洋平

Youhei Morita

略歴

2007年

杏林大学卒業、東京北社会保険病院で初期臨床研修、つくばメディカルセンター病院で外科研修、埼玉医科大学国際医療センターで消化器外科フェロー。その後、消化器内視鏡、肛門外科を専門とし辻仲病院柏の葉で勤務。勤務の傍ら、聖路加国際大学公衆衛生大学院で内視鏡の検査情報を効率的に伝えるための研究を行いMaster of Public Health(MPH)を取得。

資格

  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • Master of Public Health (MPH)

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本消化器内視鏡学会

【参考文献】

マンジャロ(チルゼパチド)の肥満治療における大規模臨床試験 種別: 論文 論文名: Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. 著者: Jastreboff AM, Aronne LJ, Ahmad NN, et al. 掲載誌: N Engl J Med. 2022;387(3):205-216. 本文との関係: 「マンジャロで便秘になる人はどのくらい?」の見出しで、用量別の便秘の発現頻度(5mg 16.8%/10mg 17.1%/15mg 11.7%)の根拠として引用。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2206038


マンジャロの消化器症状(忍容性)に関する解析
種別: 論文 論文名: Gastrointestinal tolerability and weight reduction associated with tirzepatide in adults with obesity or overweight with and without type 2 diabetes in the SURMOUNT-1 to -4 trials. 著者: Rubino DM, Pedersen SD, Connery L, et al. 掲載誌: Diabetes Obes Metab. 2025;27(4):1826-1835. 本文との関係: 「待っていれば治るとは限らない」の見出しで、消化器症状が一過性で、薬の量を増やす時期(増量期)に多く起こるという記述の根拠として引用。
https://dom-pubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/dom.16176


GLP-1受容体作動薬の消化器副作用マネジメントに関する専門家コンセンサス
種別: 論文(専門家合意) 論文名: Clinical Recommendations to Manage Gastrointestinal Adverse Events in Patients Treated with GLP-1 Receptor Agonists: A Multidisciplinary Expert Consensus. 著者: Gorgojo-Martínez JJ, et al. 掲載誌: J Clin Med. 2022;12(1):145. 本文との関係: 「もともと便秘がある方へ」「今日からできる便秘対策」の見出しで、ゆっくり増量・先回りの対策・下剤の使い方という推奨の根拠として引用。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9821052/


マンジャロ(Mounjaro)米国添付文書
種別: 添付文書(規制文書) 発行元: U.S. Food and Drug Administration (FDA) / Eli Lilly 本文との関係: 「便秘の危険サイン」の見出しで、イレウス・腸閉塞・重度便秘(糞便塞栓を含む)の記載の根拠として引用。
https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2025/215866s039lbl.pdf