【医師監修】胃カメラの喉の麻酔が苦手な方へ|のど麻酔不要のつくばの胃内視鏡検査とは?|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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【医師監修】胃カメラの喉の麻酔が苦手な方へ|のど麻酔不要のつくばの胃内視鏡検査とは?


胃カメラに不安を感じる多くの方が共通して挙げるのが、内視鏡が喉を通る際の「オエッ」となる吐き気や嘔吐反射でしょう。

通常、この反射を抑えるために「喉の麻酔(咽頭麻酔)」が使われることをご存知の方も多いかもしれません。

オリンパス社が2024年に行った14100人に対するWEBアンケート調査でも胃内視鏡検査に対しての不安で最も多い項目がこの咽頭反射でした。

【参考】14100人のアンケートから見る胃内視鏡検査の5つの不安につくばの内視鏡専門医が答えます

しかし、中には「あの喉の麻酔自体が本当に苦手…」と感じる方も少なくないのが実情です。

実際、検査の問診票で、「のどの麻酔がつらいです」と記載する方も多いです。

当院では、そうした方々にも安心して胃カメラを受けていただけるよう、患者さんの負担を軽減するための工夫を凝らしています。

この記事では、そういった不安を感じる方に対して、当院での工夫なども含めて参考になる記事となっています。



1. 胃カメラの「喉の麻酔」ってどんなもの?「つらい」と感じる声

1-1. 咽頭麻酔の目的と方法

咽頭麻酔の主な目的は、内視鏡を挿入する際の咽頭反射(吐き気)を和らげることです。

当院では、胃カメラの直前に、喉の奥に麻酔薬を吹きかける「スプレー法」を標準としています。

これは、麻酔薬を口に含んで溜めておく「ビスカス法」と比較して、患者さんの「むせり」や「不快感」が少ないという研究結果も報告されています(水野ら)。


1-2. 咽頭麻酔の限界と「つらい」と感じる人の声

咽頭麻酔は、あくまで喉の表面的な感覚を鈍らせるものです。

内視鏡が食道や胃に進んだ際の圧迫感や、胃に入れた空気による膨満感には効果がありません。

そして、多くの患者さんが、この咽頭麻酔自体に不快感を感じることがあります。

スプレーのノズルを口に向けるだけで気持ち悪くなってしまう方麻酔薬の味や匂いが苦手な方麻酔が効いて喉の感覚がなくなることに強い違和感や不安を感じる方もいらっしゃいます。

実際、当院の標準であるスプレー法を用いた場合でも、約2%の方が「むせり」を強く感じるといった報告もあります(水野ら)。

これは、アレルギーではない、純粋な感覚的な不快感が存在することを示唆しており、この感覚的な不快感が、胃カメラ全体の大きなハードルになってしまうことも少なくありません。


2.  鎮静剤を用いた検査で咽頭麻酔を省略できる

胃カメラにおける患者さんの苦痛を和らげるために、近年では鎮静剤を用いた検査が広く行われています。

鎮静剤は点滴で投与し、患者さんはウトウトと眠ったような状態で検査を受けることができます。

この鎮静剤を用いることで、咽頭反射を含む身体の反射が十分に抑制され、喉の麻酔を省略できる可能性が生まれます。

海外の研究でも、鎮静剤を用いることで咽頭麻酔による効果はほとんどなく、むしろ咽頭麻酔自体による中程度の不快感があることから、鎮静剤を用いる際には咽頭麻酔が省略されうることが示されています(O’Connor KW, et al. 1999)。

当法人の理事である松尾医師は、以前からこの咽頭麻酔自体の不快感に問題意識を持っており、患者さんの負担を減らすため、鎮静剤によって咽頭麻酔を省略できる可能性に着目していました。




3. 一歩進んだ当院の取り組み

3-1. 当院の鎮静剤について

そんな松尾理事長の問題意識も受け継いでいる当院では、一般的に用いられる鎮静剤の中でも、特に速効性と覚醒後のスッキリ感に優れるプロポフォールという鎮静剤を用いています。

このプロポフォールは、ヨーロッパの消化器内視鏡学会のガイドライン(European Society of Gastrointestinal Endoscopy )などでも、咽頭麻酔を省略することが推奨されているほど、その高い鎮静効果が認められています。

したがって、当院では、咽頭麻酔が苦手な方や、不安を感じる方には、咽頭麻酔を省略することを提案しています。

これにより、咽頭麻酔自体の不快感をなくし、よりスムーズに検査を受けていただけます。

咽頭麻酔に強い拒否感がある患者さんからも好評をいただいています。


3-2. 検査準備の苦痛・不安も軽減する当院の思い

もちろん、患者さんの状態やご希望は様々です。

当院では基本的には咽頭麻酔を行っていますが、「咽頭麻酔をしたい」といったご要望があれば、患者さんとご相談の上、対応することも可能です。

むしろ、そういった多くの医療機関で当たり前の苦痛とみなされているような苦痛に不安があるような方にこそ、安心できる検査を提供したいと思っています。

当院では、そのようなご希望に沿った形で検査を受けていただける態勢が整っています。

ご心配な人は、ぜひ一度当院にご相談ください。


4. まとめ

胃カメラの「喉の麻酔が苦手すぎて、むせが止まらなくて苦しくなってしまい、内視鏡検査自体ができなかった」という方もいらっしゃいます。そういった患者さんにも、苦痛なく安心して胃カメラを受けてほしい。

このような思いから、当院では、患者さんの負担を最小限に抑えるため、咽頭麻酔を省略できる可能性のある鎮静剤を用いた胃カメラ検査を積極的に行っています。

喉の麻酔が苦手な方も、どうぞご安心ください。

定期的な胃カメラ検査は、あなたの健康を守る上で非常に重要です。

当院では、AIを活用した最新の内視鏡機器と消化器領域の専門医による丁寧な検査で、安心して受けていただける環境を整えています。

つくば市をはじめ、土浦市、牛久市、つくばみらい市、常総市、石岡市、阿見町、守谷市、龍ケ崎市のみならず、茨城県外も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。


【作成・監修】  

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック   院長 森田 洋平(日本消化器内視鏡学会 専門医)




よくある質問

Q1. 咽頭麻酔を省略することのデメリットはありますか?

A: あまり思いつきませんが、強いて言えば、鎮静剤を使用しなければならないという点がデメリットです。咽頭麻酔を行うことで検査中の咳き込みが強くなり、呼吸状態が安定しなくなることも多いため、咽頭麻酔をあえて使わない施設もあるぐらいです。


Q2. 咽頭麻酔を使わないと苦しくなりませんか?

私の感覚としては、咽頭麻酔を併用したほうが、検査中の安静を保ちやすい印象はありますが、患者さんの感覚として違いはないと思います。咽頭麻酔を使用しなかった方にとっても検査中辛かったという印象はないと感じます。臨床研究上も、適切に鎮静剤を用いれば、咽頭麻酔の有無で苦しさが変わらないことが示されています。


Q3. 他院で「咽頭麻酔は必須」と言われましたが、本当に省略できるのですか?

A: 医療機関によって方針は異なりますが、当院では豊富な鎮静下内視鏡の実績と、ヨーロッパのガイドラインに基づく安全な検査を提供しております。咽頭麻酔の省略について不安な方は、検査前に専門医が詳しくご説明いたしますので、ご安心ください。



参考文献