
「バリウム検査で要精密検査っていわれたけど、そのあとどうするの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。健康診断のお知らせが届いても、具体的な手続きや検査内容がわからないと、つい後回しにしてしまいがちですよね。
この記事では、土浦市の公式情報をもとに、胃がん検診の受け方から検査の流れまでをわかりやすく解説しています。また、万が一「要精密検査」と判定された場合でも慌てないよう、医学的な観点から検査結果の意味についても丁寧にご説明します。
実は、要精密検査と言われても、実際に胃がんが見つかるのは約2%程度。多くの方は良性の変化や検査上の問題が原因なのです。正しい知識を持って、安心して検診を受けていただければと思います。
🔍 土浦市の胃がん検診について、あなたの状況は?
1. 胃がん検診について
以下では、土浦市の公式情報をもとに、土浦市の胃がん検診について詳しく解説していきます。
1-1. 胃がん検診の概要(2025年度 / 令和7年度)
対象者: 40歳以上の土浦市民の方
検査内容: バリウムによるレントゲン撮影 ※胃内視鏡検査は含まれておりません
費用: 4,000円
※土浦市国民健康保険加入者と70歳以上の方、生活保護受給者は費用が免除(無料)になります。
実施期間: 2025年(令和7年)4月1日から2026年(令和8年)3月31日まで
持ち物: 受診券、健康保険証、自己負担金
ただし、検査部位の病気で治療中または経過観察中の方、自覚症状のある方は、検診ではなく直接医療機関を受診してください。
1-2. 胃がん検診の受診方法:今から受けるなら「個別検診」
土浦市の胃がん検診には、市内の協力医療機関で受ける「個別検診」と、指定会場で受ける「集団検診」があります。
今(2025年7月以降)から年度内に受診される方は、「個別検診」が基本となります。
1. 個別検診(今からでも受診可能)
場所: 市内の指定された協力医療機関。
受診方法: 「受診券」を用意します。(※受診券の申込方法は下記参照)受診したい医療機関へ、予約が必要かなどを直接問い合わせてから受診します。
2. 集団検診(来年度の参考に)
場所: 土浦市保健センターや各地区公民館など。
注意点: こちらは事前の申込制で、2025年度(令和7年度)の申込期間(4月8日~5月8日)は既に終了しています。来年度、集団検診をご希望の方は、2026年の春ごろに市の広報やホームページをご確認ください。
1-3. 【重要】胃がん検診の「受診券」申込方法
個別検診を受けるには、まず「受診券」を手に入れる必要があります。申込方法は以下の3つです。
窓口申込(即時発行): 土浦市保健センター、市役所市民課、各支所の窓口で申し込めます。本人確認書類が必要です。申込期間:令和7年4月1日(火)~令和8年3月31日(火)
インターネット申込(後日郵送): 市のウェブサイトから申し込みます。申込期間:令和7年4月1日(火)0時00分~令和8年3月12日(木)24時00分
電話申込(後日郵送): 健康増進課(029-826-3471)へ電話で申し込みます。平日8時30分~17時15分、申込期間:令和7年4月1日(火)~令和8年3月12日(木)
2. 検査結果が陽性だった場合の対応
胃がん検診で陽性判定を受けた場合、より詳細な検査が必要となります。しかし、陽性だからといって必ずしも胃がんや食道がんがあるわけではありません。まずは検査結果の意味を正しく理解することが大切です。
2-1. 胃がん検診(バリウム)陽性の意味
胃がん検診でバリウム検査を受けて「要精密検査」と判定された場合、それは「胃の中に何らかの異常が疑われる」という意味です。
日本対がん協会が2010年に行った胃がん検診のデータによると、受診者243万1,647人のうち精密検査が必要と判定された方は20万7,877人(8.5%)で、このうち実際に精密検査(内視鏡)を受けた方は15万4,167人(77.4%)、”がん”が発見された方は2,683人(0.11%)という結果でした。
つまり、バリウム検査で陽性と判定された方のうち、実際に胃がんが見つかるのは約2%程度です。大部分の方は、胃炎やポリープなどの良性の病変、または検査上の問題(バリウムの付着不良など)が原因となっています。
陽性判定を受けた場合に考えられる可能性:
2-2. なぜ胃内視鏡検査による精密検査が必要なのか
バリウム検査は白黒の影絵を見ているにすぎず、凸凹のない平坦な病変や色の違いは認識できませんが、胃内視鏡検査では色の変化やわずかな粘膜の隆起や凹み、模様のちがいを認識できます。
特に近年増えている、ピロリ菌除菌後胃がんやピロリ菌未感染胃がんは通常のバリウム検査では見分けることがかなり難しいため、積極的に胃カメラを行うことをお勧めします。
胃内視鏡検査の利点:
- バリウム検査では発見困難な早期胃がんの発見が可能
- 病変があった場合、その場で組織採取(生検)による確定診断が可能
- 食道も同時に観察できる
- ピロリ菌感染の有無も同時に確認できる
2-3. ピロリ菌疑い(萎縮性胃炎)を指摘された場合に重要なこと
バリウム検査で慢性胃炎やピロリ菌感染疑いと診断された場合、日本の保険診療では、ピロリ菌の精密検査や除菌治療を受けるには「胃内視鏡検査(胃カメラ)で、ピロリ菌感染による胃炎が確認されること」が必須条件となっています。つまり、バリウム検査だけでは保険診療でのピロリ菌治療を受けることができません。
2-4. 検査を受ける際の安心ポイント
現在では鎮静剤の使用や経鼻内視鏡など、苦痛を軽減する方法が普及しています。「思っていたより楽だった」という声を多くいただいており、検査技術の向上により安心して受けていただくことができます。
要精密検査判定を受けた方は、速やかに専門医療機関での胃内視鏡検査を受診されることをお勧めいたします。
3. 精密検査を受ける:つくばの当院での胃内視鏡検査という選択
胃がん検診で陽性判定を受けた場合、精密検査を受ける医療機関は、ご自身で自由に選ぶことができます。土浦市外の医療機関でももちろん受診可能です。
精密検査では胃内視鏡検査が必要となりますが、「胃内視鏡検査は不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。実際に、オリンパス社が2024年に行った14,100人を対象とした調査でも、多くの方が胃内視鏡検査に対して様々な不安を感じていることが明らかになっています。
このような不安があるためか、当院はつくば市にありながら、土浦市を含む、牛久市、阿見町(稲敷郡)、かすみがうら市、石岡市、小美玉市など土浦方面から多くの方が当院へ受診されています。
土浦にお住まいの方に選ばれる理由をご紹介します。
3-1. 理由1:土浦・荒川沖方面からもアクセスが便利
当院は、つくばエクスプレス「つくば駅」すぐです。JR常磐線の主要駅からもバス路線が充実しており、広範な地域から受診しやすい環境です。
お車でのご来院を希望される方へ
鎮静剤を使用した場合は、基本的には運転をおすすめしませんが、どうしても必要な場合は、6時間は車の運転をお控えいただき、体調を判断していただいた後に運転をお願いします。国内外の臨床研究では、当院で使用している作用時間の短い鎮静剤(プロポフォール)について、1-2時間後から運転可能という研究は多いものの、ヨーロッパガイドラインでは6時間あけることが推奨されているからです。
どうしてもお車でご来院されたい方のために、当院では以下のようなプランをご提案しています。
【お勧めのプラン】
午前中の検査を予約 → 検査後に駅周辺で昼食・休憩 → 夕方にご帰宅
つくば駅前には、お食事や買い物ができる施設、また少し足を延せばつくばエキスポセンターなどの観光スポットもございます。検査後に数時間ゆっくりと過ごしていただくことで、安全に運転してご帰宅することが可能です。
駐車場について:専用駐車場はないため、近隣の駐車場に停めていただく必要があります。当院上階にある南3駐車場、または近隣の駐車場をご利用ください(駐車料金は、患者さんのご負担となります)。
土浦駅から車でのアクセス(約9.3km・18分)
土浦駅から当院まで約9.3km、通常18分程度でお越しいただけます
※地図をクリックすると、詳細なルート案内をご覧いただけます
3-2. 理由2:鎮静剤を用いた「苦痛の少ない」胃内視鏡検査
当院では、消化器内視鏡専門医が、鎮静剤を用いた苦痛の少ない胃内視鏡検査を標準としています。
胃内視鏡検査はつらいことの代名詞であり、本当にご不安に感じますよね。私自身も24歳の研修医のときに、内視鏡検査でつらい経験をしたからこそ、その不安がよくわかります。その経験については大規模アンケートの結果とともに以下の記事で詳しく語っています。
当院で胃内視鏡検査を受ける方の95%以上が鎮静剤を使用しており、これは決して特別なことではありません。欧米では「鎮静剤なしで胃カメラを行うことは、大道芸の方が剣を飲むのとさして変わらない」と驚く医師もいるほど、患者様の苦痛軽減は当然のことと考えられています。
「鼻からの検査なら楽」というイメージがありますが、経鼻内視鏡で検査を受けた約半数の方が「つらい」と感じているという大規模調査の結果があります。当院では経鼻内視鏡も選択可能ですが、より確実に苦痛を軽減できる鎮静剤を用いた検査をお勧めしています。
3-3. 理由3:土浦市お勧め内視鏡クリニックに選出
当院は、Medical DOC『土浦市の内視鏡検査 おすすめしたい医院』、『茨城県の内視鏡検査おすすめしたい医院』に選出されています。つくば市にありながら、市を越えて推薦されたのは、「見逃しリスクの徹底的な低減」と「圧倒的な苦痛の少なさ」を両立する取り組みが客観的に評価された結果です。
豊富な実績:法人全体で、2023年に胃内視鏡検査を23,886件実施しており、この豊富な経験と実績が、質の高い医療を提供する土台となっています。
3-4. 理由4:安心の地域医療連携
これまでにも、土浦市にお住まいの多くの患者様が当院の内視鏡検査を受けにご来院されています。検査の結果、入院や手術が必要な病変が見つかった際には、患者様のご希望やお住まいを考慮し、地域の基幹病院へ責任をもってご紹介します。土浦協同病院や東京医科大学茨城医療センター(阿見町)など、土浦エリアの病院ともスムーズに連携できる体制を整えていますので、ご安心ください。
もちろん、つくば市内や都内の病院を希望される場合は、ご希望の医療機関へ紹介することも可能です。
3-5. 理由5:オンライン診療で、通院の負担を大幅に軽減
内視鏡検査は、受けて終わりではないケースが少なくありません。例えば、胃カメラでは約15%(2024年胃内視鏡検診マニュアル改定第2版)の確率で、組織を採取する病理検査が発生します。これは、想像以上に多くの方が、結果を聞くために再度来院する必要があることを意味します。
特に土浦市からご来院の場合、この再来院のための往復時間や交通費は大きな負担です。当院では、この負担を解消するため、オンライン診療での結果説明に力を入れています。
さらに、24時間対応のLINE・WEB予約や、来院前にご自宅で問診を済ませられるオンライン問診システムを導入し、院内での待ち時間短縮にも全力を注いでいます。
4. 土浦市の胃がん検診における課題と当院の使命
土浦市には、見過ごすことのできない重要な課題があります。
4-1. 土浦市の精密検査受診率の現状
茨城県が発表した令和5年度の報告書によると、土浦市の胃がん検診で「要精密検査」と判定された方が、その後に実際に精密検査を受ける割合を示す「精密検査受診率」は73.1%でした。
これは茨城県全体の平均78.4%を下回っており、改善の余地がある状況です。約4人に1人の方が、精密検査を受けていないということになります。
4-2. 精密検査を受けないリスク
胃がん検診で陽性判定を受けたにも関わらず精密検査を放置することは、命に関わる重大なリスクを伴います。早期発見できれば治癒可能な胃がんも、発見が遅れることで進行がんとなり、治療が困難になる可能性があります。
4-3. 当院の使命:苦痛のない検査で精密検査受診率向上への貢献
このような土浦市の課題を受けて、当院では鎮静剤を用いた苦痛の少ない胃内視鏡検査を提供することで、少しでも精密検査受診率の向上に貢献したいと考えています。
「検査が怖いから」という理由で精密検査を先延ばしにしてしまう方に対して、「こんなに楽なら早く受けておけばよかった」と感じていただけるような検査環境を整備しています。
実際に当院で検査を受けた多くの患者様から、以下のような声をいただいています:
- 「あの辛かった胃カメラが…嘘のようにラクでした」
- 「検査前の事前診察から検査終了まで、一度も嫌な思い・怖い思い・痛い思いをしなかった」
- 「これから検査すると思ったら終わっていた」
4-4. 地域の健康課題解決への責任
当院がMedical DOC『土浦市の内視鏡検査 おすすめしたい医療施設』として選出されたことは、この地域課題の解決に貢献する責任があると受け止めています。
つくば市にありながら土浦市のおすすめ医療機関として選ばれたのは、単に医療技術が優れているだけでなく、患者様の不安を取り除き、安心して検査を受けていただける環境を提供していることが評価されたからだと考えています。
土浦市の皆様が、胃がん検診で陽性判定を受けた際に、「検査への不安」という理由で命を守る機会を逃すことがないよう、引き続き苦痛のない質の高い検査を提供してまいります。
当院では土浦市の大腸がん検診(便潜血検査)も含めて情報提供を行っており、つくば市のみならず、土浦市を含めた近隣地域の胃がん対策、大腸がん対策に貢献しようと考えています。
まとめ
検査で陽性判定を受けても、実際に胃がんが見つかるのは約2%程度です。しかし、精密検査を放置することは危険です。土浦市の精密検査受診率は県平均を下回る73.1%という現状があり、約4人に1人が精密検査を受けていません。
早期発見・早期治療のために、対象年齢の方はぜひ受診をご検討ください。そして、検査結果で陽性判定を受けた場合は、決して先延ばしにせず、速やかに胃内視鏡検査による精密検査を受けることが何より重要です。
当院について
当院では、鎮静剤を用いた苦痛の少ない胃内視鏡検査を提供しています。土浦・荒川沖方面からもアクセスが良く、オンライン診療も活用できるため、通院の負担を最小限に抑えることが可能です。検査への不安をお感じの方も、安心して検査を受けていただける環境を整えています。
よくある質問
土浦市では胃がん検診に加えて、血液検査でピロリ菌感染とペプシノゲンによる胃粘膜萎縮度を調べる「胃がんリスク検診」も実施しています。詳細については別記事で解説予定です。
診断精度の観点では胃内視鏡検査の方が優れていますが、土浦市の胃がん検診ではバリウム検査のみとなっています。異常が見つかった場合は胃内視鏡検査による精密検査を受けることが重要です。
いいえ。実際に胃がんが見つかるのは陽性者の約2%程度です。多くは良性の胃炎やポリープなどが原因です。ただし、正確な診断のために胃内視鏡検査を受けることが大切です。
このあたりがバリウム検査による限界の大きな問題です。隣の大つくば市の胃がん検診では胃内視鏡が選択できます。その他、人間ドックなどでは胃カメラをご希望することは可能で、実際に土浦市からも人間ドックなどの一環として胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査のみ当院へ受信される方も多いです。
はい、必要がある場合は同日に両方の検査を行うことが可能です。土浦市から来院される方にとって、検査のために何度も通院することは大きな負担になることを理解しています。
当院は、苦痛の少ない大腸内視鏡検査も含めて、Medical DOC『土浦市の内視鏡検査 おすすめしたい医院』に選出されています。胃・大腸両方の内視鏡検査において、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査を提供しており、同日検査をご希望の場合は、患者様の体調を考慮しながら対応させていただきます。
1. 土浦市公式ウェブサイト「胃がん検診について」
https://www.city.tsuchiura.lg.jp/kenko-fukushi-iryo/kenko-iryo/kenshin-annai/jushinkomokukarasagasu/page000131.html
2. 土浦市公式ウェブサイト「医療機関検診について」
https://www.city.tsuchiura.lg.jp/kenko-fukushi-iryo/kenko-iryo/kenshin-annai/ukekatakarasagasu/page004022.html
3. 土浦市「令和7年度各種検診協力医療機関一覧」
https://www.city.tsuchiura.lg.jp/data/doc/1743463122_doc_25_0.pdf
4. 日本消化器内視鏡学会「胃がん検診を受けようと思っていますが、バリウムと胃カメラ、どちらの方がよいですか?」
https://www.jges.net/citizen/faq/general_04
5. 茨城県「令和5年度 市町村による各がん検診の精密検査受診率」
https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/yobo/sogo/yobo/cancergrop/cancer-h26/documents/r5_seimitsujushinritsu.pdf