血便と黒い便の違いとは?〜色で分かる消化器疾患のサインを解説|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

〒305-0032 茨城県つくば市竹園1-4-1 南3パークビル2階
つくば駅から徒歩5分の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

トピックス TOPICS

診療時間
9:00~11:30
14:00~16:30

休診日:日曜、祝日
※予約がなくても外来診察をいたしますが、予約していただかない場合は、受付も含めて大幅にお待たせしてしまうことがあります。
※診察医師の希望がある場合は、担当医表をご確認のうえ電話でご予約ください。予約がない場合は、医師の希望をお受けできないことがあります。
※午前・午後とも初診を受け付けております。
※NEWSにて担当医表のご案内をしております。

血便と黒い便の違いとは?〜色で分かる消化器疾患のサインを解説

公開日:2026年03月24日 / 更新日:2026年03月23日

血便と黒い便の違いとは?〜便の色が示す出血部位

便に血液が混じっている状態を総称して「下血」と呼びます。

しかし、便の色によって出血している部位が大きく異なることをご存知でしょうか。

赤い血液が混じる「血便」と、黒いタール状の「黒色便」は、それぞれ異なる消化管の部位からの出血を示しています。便の色は、出血してからの時間経過や胃酸の影響によって変化するため、色調を観察することで出血部位をある程度推測できます。鮮やかな赤色に近いほど出血点は肛門に近く、黒っぽいほど胃に近い可能性が高いと考えられます。

血便は、肛門や大腸など下部消化管からの出血で見られます。

一方、黒色便(タール便)は、食道・胃・十二指腸など上部消化管からの出血で生じることが多いです。血液が胃酸の影響を受けると黒色に変化するため、上部消化管からの出血では真っ黒で粘りのある便になります。このように、便の色は出血部位を知る重要な手がかりとなります。

血便の種類と考えられる疾患

血便にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる疾患の可能性を示唆します。

鮮血便〜直腸や肛門からの出血

鮮やかな赤色の血液が便に付着している状態です。

直腸がん、直腸ポリープ、内痔核、裂肛などが原因として考えられます。肛門に近い部位からの出血であるため、血液が酸化される時間が短く、鮮やかな赤色のまま排出されます。排便時に便器が真っ赤になるほど大量に出血することもあり、トイレットペーパーに血液が付着するケースも多く見られます。

暗赤色便〜大腸からの出血

黒く濁った赤色の便が特徴です。

大腸憩室出血、虚血性大腸炎、大腸炎などが原因となることがあります。大腸を通る消化途中のどこかから出血が起こっており、肛門から排出されるまでにある程度時間がかかっているため、鮮血便よりも暗い色調になります。虚血性大腸炎では左下腹部の腹痛を伴うことが多く、突然の腹痛と下痢の後に血便が生じるのが特徴的です。

粘血便〜炎症性腸疾患の可能性

ゼリー状の血液と粘液を伴う便です。

潰瘍性大腸炎、クローン病、感染性腸炎などで見られます。粘液と血液が混じった便は、腸粘膜の広範囲に炎症や出血を伴う病変が生じている可能性を示唆します。下痢や腹痛などの症状を伴っている場合が多く、炎症性腸疾患では活動期に粘血便が生じることがあります。

黒色便(タール便)が示す上部消化管の出血

真っ黒で液体状の便は、胃や十二指腸からの出血を示唆します。

黒色便は「タール便」とも呼ばれ、その名の通りタールのような黒色と粘性が特徴です。消化とともに血液の鉄分が吸収されることで黒い色の便になります。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、食道静脈瘤破裂などが主な原因として考えられます。

ただし、鉄剤を内服している場合にも黒い便が見られることがあります。

鉄剤による黒色便と消化管出血による黒色便を区別することが重要です。鉄剤による黒色便は通常、粘性が少なく、出血による黒色便とは性状が異なります。黒色便が見られた場合は、鉄剤の服用歴を医師に伝えることが診断の助けになります。

上部消化管からの出血では、約100〜200mLの出血で黒色便が生じます。

止血後も数日間は黒色便が続くことがあるため、便の色だけでなく他の症状も含めて総合的に判断する必要があります。胃や十二指腸の深い潰瘍がある場合、持続的に出血しやすくなり、貧血を引き起こすこともあります。

潜血便〜目に見えない血便の重要性

目で見てもわからない少量の血が混じっている状態を「潜血便」と呼びます。

便潜血検査で見つけることができる、肉眼では確認できないレベルの出血です。

健康診断や検診で行われる便潜血検査は、この潜血便を調べる検査です。陽性が出た場合、大腸がんや大腸ポリープなどの前がん病変が存在する可能性があります。便潜血検査で陽性が出た方は、できるだけ早く大腸内視鏡検査を受けることが推奨されます。

大腸ポリープの段階で切除することで、将来の大腸がんを予防できる可能性があります。

痔がある方や生理中に検査をされた方も、便潜血検査陽性を良い機会ととらえて大腸内視鏡検査を受けることが重要です。痔からの出血と思い込んでいても、同時に大腸がんなどがある可能性も否定できません。見逃して進行させてしまう前に、適切な検査を受けることが大切です。

血便・黒色便が続くと起こるリスク

出血が続くと、貧血が進行します。

血便や下血が続くことで体内の血液量が減少し、貧血となることがあります。貧血が進行すると、めまい、頻脈、動悸、易疲労性、脱力感などの症状が現れます。重度の貧血では輸血が必要となることもあり、時には命に関わる状態になることもあります。

「これくらいは大丈夫だろう」「もう少し様子をみよう」といった考えは非常に危険です。

少量の出血であっても、原因を確かめることが重要です。大腸がんのような命に関わる疾患でも、初期には少量の出血にとどまることがあります。出血量が少ないからと安心はできません。早期に発見できれば内視鏡で治療・治癒することも可能です。

基礎疾患として肝疾患を有する患者さんで消化管出血が生じると、門脈大循環性脳症や肝腎症候群が誘発される可能性もあります。

また、虚血性心疾患を有する患者さんでは、出血による冠動脈血流の低下に起因する狭心症や心筋梗塞を発症することもあります。このように、血便や黒色便は単なる出血だけでなく、他の重篤な合併症を引き起こすリスクもあるため、早期の受診と適切な治療が必要です。

受診のタイミングと緊急性の判断

血便や黒色便があった場合、どのタイミングで受診すべきでしょうか。

すぐに受診すべき症状

以下のような症状がある場合は、緊急性が高いと考えられます。

  • 大量の鮮血便が出た
  • 便器が真っ赤になるほどの出血がある
  • 黒色便とともに吐血がある
  • めまいや動悸、冷や汗などショックの徴候がある
  • 強い腹痛を伴う血便がある
  • 発熱と血便が同時に出ている

これらの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

早めの受診が推奨される症状

以下のような症状がある場合も、早めの受診が推奨されます。

  • 少量でも血便が続いている
  • 便に粘液が混じっている
  • 排便後に残便感がある
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 便が細くなった
  • 体重減少を伴う腹部症状がある
  • 排便習慣の変化がある

1度でも血便や黒色便があった場合は、必ず消化器内科を受診してください。

がんによる出血はいつも起こっているわけではないため、出血が止まったからといって安心はできません。実際、少量の出血だから「痔だと思っていた」「肛門が切れただけだと思っていた」と様子を見ているうちに病気が進行し、気が付いた時には進行がんになっていたというケースもあります。

血便・黒色便の検査と診断

血便や黒色便で受診すると、どのような検査が行われるのでしょうか。

問診と診察

まず、問診で状況を確認します。

罹病期間(どのくらいの期間の血便か)、1日何回出るか、腹痛を伴うか、元々痔があるか、排便の痛みがあるか、下痢か便秘か、発熱があるか、体重減少があるか、色はどのようか、便自体が赤いか便の表面の血液付着か、便器が赤いだけか、ペーパーの血液付着か、薬剤服用歴はあるか、海外渡航歴はあるか、生ものの摂取があるかなど、詳細な問診を行います。

診察では、腹部の触診、聴診、打診に加えて、肛門指診を行います。

肛門指診では、肛門に指を入れて出血の状態、腫瘍の有無、痔の有無をチェックします。肛門鏡で肛門から直腸の出口を観察することもあります。

血液検査

貧血の有無、炎症所見などを確認するために血液検査を行います。

消化管からの出血によって貧血を引き起こしている可能性があるため、ヘモグロビン値や赤血球数をチェックします。また、炎症性腸疾患や感染性腸炎が疑われる場合は、炎症マーカー(CRPや白血球数)も確認します。

画像検査

腹部エコーや腹部CTで大腸の状態をチェックします。

大腸内に腫瘍性病変や腸閉塞などがないか、壁肥厚や憩室の有無などを確認します。画像検査により、緊急性を判断し、適切な治療方針を決定します。

内視鏡検査

黒色便の場合は、胃内視鏡検査(胃カメラ)を行います。

胃や十二指腸が出血している可能性があるため、できるだけ早く胃内視鏡検査で粘膜の状態を確認する必要があります。深い潰瘍がある場合、検査中に出血部位をクリップで止血する治療もできます。疑わしい部分があれば、組織を採取して生検を行い、確定診断が可能です。

血便の場合は、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行います。

大腸粘膜を直接確認し、出血部位や病変を特定します。腫瘍性病変が発見された場合は、その一部を採取して病理検査を行い、確定診断を行います。大腸ポリープが発見された場合、その場で切除する日帰り手術が可能です。

便検査

感染性腸炎が疑われる場合は、便の培養検査や遺伝子検査を行います。

原因となる病原体(細菌、ウイルス、寄生虫)を特定し、適切な治療につなげます。サルモネラ、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌などの細菌性胃腸炎では血便を生じることがあります。

辻仲つくばで受けられる専門的な診療

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックでは、血便や黒色便の原因を正確に診断し、適切な治療を提供しています。

つくば駅から徒歩5分の立地で、土曜診療も実施しています。

外科専門医、消化器外科専門医、大腸肛門病専門医が在籍しており、専門的な診療を受けることができます。辻仲病院グループに所属し、グループ内で培った知識や技術をもとに、専門性の高い治療を提案しています。入院が必要な治療・手術については、グループ病院の辻仲病院柏の葉と連携して治療にあたる体制を整えています。

大腸カメラ検査については事前診察が必須となっており、WEB予約またはLINE予約で事前診察と検査仮予約を取得できます。

胃カメラと大腸カメラの同日検査も対応可能です。検査時には下剤を院内で服用する体制が整っており、トイレは十分な数が準備され清潔に保たれています。下剤を飲んでいる間は看護師が頻繁に確認を行い、患者さんのストレスを軽減する配慮がなされています。

検査後の医師による説明は丁寧で、患者さんが安心して検査や治療を受けられる環境づくりに注力しています。

検査自体の苦痛の少なさ、便利に検査や治療を受けられる体制、安心して検査や治療を受けていただくための情報提供を追求している点が当院の特徴です。血便や黒色便でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

症状が続く場合は診察予約はこちら

まとめ〜便の色は消化器疾患の重要なサイン

血便と黒色便の違いは、出血部位を知る重要な手がかりです。

鮮血便は直腸や肛門からの出血、暗赤色便は大腸からの出血、粘血便は炎症性腸疾患の可能性、黒色便は胃や十二指腸からの出血を示唆します。便の色によって推測される出血部位が異なるため、便の色を観察することが診断の第一歩となります。

少量の出血であっても、原因を確かめることが重要です。

大腸がんのような命に関わる疾患でも、初期には少量の出血にとどまることがあります。早期に発見できれば内視鏡で治療・治癒することも可能です。1度でも血便や黒色便があった場合は、必ず消化器内科を受診してください。

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックでは、専門医による正確な診断と適切な治療を提供しています。

つくば駅徒歩5分、土曜診療も実施しており、便利に検査や治療を受けられる体制を整えています。血便や黒色便でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

血便・黒い便が気になる方へ

便の色は出血部位の手がかりになることがあります。受診先に迷うときも、まずは相談して症状に合った検査の流れを確認できます。

WEB予約

次の一歩

黒い便や繰り返す血便は、早めに評価したいサインです。受診前に出血の色や回数を整理しておくと相談がスムーズです。

血便緊急外来を見る

【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック
院長 森田 洋平(日本消化器内視鏡学会 専門医、MPH(公衆衛生大学院))

MPHは予防医学、疫学、統計のスペシャリストの学位です。大腸がんの予防的なデータを実践するスペシャリストといえます。