GLP-1注射の痛み〜実際の痛みの程度と痛みを軽減する方法|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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GLP-1注射の痛み〜実際の痛みの程度と痛みを軽減する方法

公開日:2026年03月03日 / 更新日:2026年02月24日

GLP-1注射の痛みについて知っておくべきこと

GLP-1受容体作動薬による治療を検討されている方にとって、注射の痛みは大きな不安要素の一つです。

「注射」と聞くと、どうしても痛みを想像してしまうかもしれません。しかし、実際にはGLP-1注射の痛みは多くの方が想像されるよりもずっと軽いものです。

私は消化器内科医として、多くの患者さんにGLP-1受容体作動薬の自己注射を導入してきました。その経験から、注射の痛みに関する不安を和らげるための情報をお伝えしたいと思います。

GLP-1注射は、糖尿病治療や肥満治療において重要な役割を果たす薬剤です。週に1回または毎日1回の注射で、血糖値のコントロールと体重管理を同時にサポートします。痛みへの不安から治療をためらうのは、とてももったいないことです。

GLP-1注射は本当に痛いのか?実際の痛みの程度

結論から申し上げると、GLP-1注射の痛みは非常に軽微です。

多くの患者さんから「注射はもっと痛いものだと思っていた」という声をいただきます。これは決して誇張ではありません。現在使用されているGLP-1製剤の注射器具は、痛みを最小限に抑えるよう設計されているのです。

最大の理由は、注射針の細さにあります。GLP-1製剤で使用される針は「極細針」と呼ばれ、31G(ゲージ)から34Gという非常に細い規格です。数字が大きいほど針が細くなり、34Gは髪の毛よりも細い太さです。

この極細針により、皮膚に刺す際の痛みが大幅に軽減されています。多くの方が「チクッとする程度」「蚊に刺される程度」と表現されます。中には「ほとんど痛みを感じない」という方もいらっしゃいます。

注射の種類による痛みの違い

GLP-1注射は「皮下注射」という方法で行います。これは皮膚と筋肉の間にある皮下脂肪層に薬液を注入する方法です。

皮下注射は、筋肉注射や静脈注射と比べて痛みが少ないのが特徴です。皮下脂肪層には痛みを感じる神経が比較的少ないため、注射時の不快感が軽減されます。

さらに、注射する薬液の量も少量です。週1回タイプのトルリシティやマンジャロは0.5ml程度、毎日タイプのサクセンダでも最大3.0mgと、注射時間は数秒で完了します。

患者さんの実際の体験談

私のクリニックで治療を受けている患者さんからは、次のような感想をいただいています。「最初は怖かったけれど、実際にやってみたら全然痛くなかった」「採血の方がよっぽど痛い」「慣れれば何も感じなくなった」といった声が多数です。

特にトルリシティやマンジャロで採用されている「アテオス」というデバイスは、針が内蔵されており、ボタンを押すだけで自動注入されます。針を見る必要がないため、注射への恐怖心が軽減されるという利点もあります。

痛みを軽減するための注射方法とコツ

GLP-1注射の痛みはもともと軽微ですが、さらに痛みを軽減するための方法があります。

正しい注射方法を身につけることで、より快適に治療を続けることができます。

注射部位の選び方

GLP-1注射は、皮下脂肪が多い部位に打つのが基本です。推奨される注射部位は次の通りです。

  • お腹(へそから指3本分外側)・・・吸収が良く、痛みが少ない最も推奨される部位
  • 太ももの前側や外側・・・安定して打ちやすく、自己注射に適している
  • 二の腕の後ろ側・・・使用可能だが、自己注射では少し難しい
  • お尻の上部・・・選択肢の一つだが、あまり使われない

避けるべき場所は、筋肉や骨が近い場所、傷やあざのある場所、そして同じ場所への連続注射です。同じ場所に繰り返し注射すると、皮膚が硬くなり痛みを感じやすくなるだけでなく、薬の吸収も悪くなります。

痛みを最小限にする注射テクニック

注射の痛みを減らすためには、いくつかの重要なポイントがあります。

まず、注射針を皮膚に対して垂直に刺すことです。斜めに刺すと痛みを感じやすくなります。次に、毎回注射する場所を少しずらすことが大切です。前回の注射部位から最低2〜3cm離した場所を選びましょう。

注射前に冷やしすぎないことも重要です。冷えた皮膚に打つと痛みを感じやすくなります。また、アルコール綿で拭いた後は、完全に乾かしてから注射してください。アルコールが残っていると刺激で痛みを感じることがあります。

リラックスして注射することも大切です。力が入ると痛みが強くなることがあります。深呼吸をして、肩の力を抜いてから注射しましょう。

注射後のケア

注射後は、針を抜いてから軽く押さえます。ただし、こすらないようにしてください。

少量の出血があっても心配ありません。ただし、毎回血が出る場合は、血管に当たっている可能性があるため、注射する場所を変えることをおすすめします。

注射部位に赤みや腫れが出ることもありますが、通常は数日で自然に治まります。症状が長引く場合や悪化する場合は、医師に相談してください。

GLP-1製剤の種類と注射デバイスの特徴

GLP-1受容体作動薬には、いくつかの種類があり、それぞれ注射デバイスの特徴が異なります。

使いやすさや痛みの感じ方にも違いがあるため、自分に合った製剤を選ぶことが大切です。

週1回タイプの製剤

現在、週1回の注射で済むGLP-1製剤として、トルリシティ、オゼンピック、マンジャロがあります。

トルリシティとマンジャロは「アテオス」という使いやすいデバイスを採用しています。針が内蔵されており、ボタンを押すだけで自動的に注射が完了します。針を見る必要がないため、注射への恐怖心が少なく、痛みも感じにくいという特徴があります。

オゼンピックは、ペン型の注射器で、針を装着して使用します。用量調節が可能で、段階的に増量していく際に便利です。針は極細で、痛みは最小限に抑えられています。

毎日タイプの製剤

サクセンダは、毎日1回注射するタイプのGLP-1製剤です。ペン型の注射器で、用量を細かく調節できるのが特徴です。

毎日注射する必要がありますが、1回の注射量が少ないため、痛みは非常に軽微です。また、毎日使用することで、注射に慣れやすいという利点もあります。

製剤選択のポイント

どの製剤を選ぶかは、治療目的、ライフスタイル、体質などによって異なります。

週1回タイプは注射の回数が少なく、忙しい方や注射を忘れやすい方に適しています。毎日タイプは用量調節がしやすく、副作用が心配な方に向いています。

また、食欲抑制効果の強さも製剤によって異なります。トルリシティは比較的マイルドで、マンジャロは強力な食欲抑制効果があります。オゼンピックはその中間です。

自分に合った製剤を選ぶためには、医師とよく相談することが重要です。

GLP-1注射の副作用と対処法

GLP-1注射の痛みは軽微ですが、薬剤としての副作用については理解しておく必要があります。

副作用を知っておくことで、適切に対処でき、安心して治療を続けることができます。

よく見られる副作用

GLP-1受容体作動薬の最も一般的な副作用は、消化器系の症状です。

嘔気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、食欲減退などが報告されています。これらの症状は、治療開始から8週間程度でピークを迎え、徐々に軽減していく傾向があります。

とはいえ、文献上では90%の方で副作用は起きていません。実際に、処方していても、食事を取らなくても大丈夫になったというだけで、特段副作用として認識するほどではない方がほとんどです。(Gastrointestinal adverse events and weight reduction in people with type 2 diabetes treated with tirzepatide in the SURPASS clinical trials)

注射部位の反応として、赤み、腫れ、痛みが出ることもあります。通常は軽度で、数日で自然に治まります。

その他、浮動性めまいや味覚障害が起こることもありますが、頻度は高くありません。

重大な副作用への注意

まれではありますが、重大な副作用として低血糖症、急性膵炎、胆嚢炎、アナフィラキシーなどが報告されています。

低血糖症は、特に他の血糖降下薬と併用する場合に注意が必要です。冷汗、めまい、震え、意識の低下などの症状が現れた場合は、速やかに糖分を補給し、医師に連絡してください。

急性膵炎は、腹部の激しい痛みや吐き気を伴います。このような症状が現れた場合は、直ちに投与を中止し、医療機関を受診してください。

副作用を軽減するための工夫

副作用を最小限に抑えるためには、いくつかのポイントがあります。

まず、段階的に用量を増やすことが重要です。身体が薬に慣れるまで、少量から始めて徐々に増量していきます。これにより、特に消化器系の副作用を軽減できます。実際には、消化器症状が出ない方のほうが圧倒的に多く、ネット情報でつらいと聞いていたのに全くつらくないという方がほとんどです。

食事の工夫も効果的です。脂肪分が多すぎる食事を避け、バランスの取れた食事を心がけることで、胃腸の負担を軽減できます。小分けにして食事を摂ると、吐き気を和らげる効果が期待できます。

下痢などの胃腸障害が発生した場合は、脱水症状を防ぐために水分をこまめに摂取することが重要です。

定期的に通院し、医師の指導のもとで治療を続けることも大切です。副作用が長引く場合や新たな症状が出現した場合は、速やかに医師に相談してください。

当院でのGLP-1治療サポート

辻仲つくば胃腸科肛門科クリニックでは、GLP-1受容体作動薬による肥満治療を行っています。

消化器内科・内視鏡を専門とする医師が、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療計画を提案します。

初診から治療開始までの流れ

初診では、詳しい問診と身体測定を行い、GLP-1治療が適しているかを判断します。

BMI、血液検査の結果、既往歴、現在服用中の薬などを総合的に評価し、最適な治療方針を決定します。治療開始が決まったら、注射の方法を丁寧に指導します。実際に注射デバイスを使って練習していただき、自信を持って自己注射ができるようサポートします。

定期的なフォローアップ

治療開始後は、定期的に通院していただき、体重の変化、副作用の有無、血液検査の結果などを確認します。

必要に応じて用量の調整を行い、より効果的で安全な治療を目指します。何か不安なことや困ったことがあれば、いつでも相談していただける体制を整えています。

費用と治療期間について

GLP-1受容体作動薬による肥満治療は基本的に自由診療となります。

費用、治療期間、注意点については、初診時に詳しくご説明します。治療期間は個人差がありますが、一般的に数ヶ月から1年程度を目安としています。

「終わりのあるダイエット」を目指し、患者さんの身体の状態に合わせた計画的な治療を提案しています。

ご予約・ご相談について

GLP-1治療に興味がある方、注射の痛みが心配な方は、ぜひ一度ご相談ください。

予約は当院のウェブサイトから、または電話でも承っています。LINE・WEBでの相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

病院に行くか悩んでいる方も、まずは相談だけでも構いません。専門医が丁寧にお答えします。

まとめ

GLP-1注射の痛みは、多くの方が想像されるよりもずっと軽微です。

極細針の使用、皮下注射という方法、そして進化した注射デバイスにより、痛みは最小限に抑えられています。多くの患者さんが「思ったより全然痛くなかった」と感じられています。

正しい注射方法を身につけることで、さらに痛みを軽減できます。注射部位を適切に選び、毎回場所を変え、リラックスして注射することが大切です。

GLP-1受容体作動薬は、糖尿病治療や肥満治療において優れた効果を発揮します。血糖値のコントロールと体重管理を同時にサポートし、生活習慣病の改善にもつながります。

痛みへの不安から治療をためらうのではなく、まずは医師に相談してみてください。実際に注射デバイスを見て、説明を聞くだけでも、不安は大きく軽減されるはずです。

当院では、患者さんが安心して治療を受けられるよう、丁寧な指導とサポートを心がけています。GLP-1治療に興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック
院長 森田 洋平(日本消化器内視鏡学会 専門医、MPH(公衆衛生大学院))

MPHは予防医学、疫学、統計のスペシャリストの学位です。大腸がんの予防的なデータを実践するスペシャリストといえます。