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大腸がん検診は40代に必要か〜リスクと検査のタイミングを解説

公開日:2026年02月25日 / 更新日:2026年02月23日

大腸がん検診は40代に必要か〜リスクと検査のタイミングを解説

 

40代から大腸がんのリスクが高まる理由

大腸がんは、日本人の死因として極めて重要な疾患です。

年間の死亡者数は5万人を超えており、女性においては「がん死亡原因の第1位」という深刻な状況にあります。男性でも肺がんに次ぐ第2位であり、性別を問わず警戒すべきがんといえるでしょう。

大腸がんの発生率は、40歳代から男女ともに明確に上昇し始めます。50歳代になるとその増加は加速し、年齢が高くなるほど罹患率が高まる傾向が確認されています。つまり、40代という年齢は大腸がんのリスクが本格的に高まる「転換点」なのです。

かつて大腸がんは高齢者の病気というイメージがありましたが、近年では若年化が進んでいます。欧米では20代・30代の若者における大腸がんが増加しており、日本もその後を追う形で若年層の発症が増えつつあります。

このような背景から、40代で一度は大腸内視鏡検査を受けることが強く推奨されているのです。

(一部自治体、たとえば、当院の近隣でいえばつくばみらい市などではより若年でも大腸がん検診の対象となっています。)

 

40代で検診を受けるべき人の特徴

すべての40代が同じリスクを抱えているわけではありません。

特に以下の条件に当てはまる方は、40代で必ず一度は大腸内視鏡検査を受けることが望ましいとされています。

生活習慣によるリスク要因

  • 食事内容が偏っている(野菜不足、肉類中心の食生活)
  • 運動不足の状態が続いている
  • 飲酒の習慣がある
  • 喫煙をしている
  • 肉類(赤肉、加工肉)を好んで食べる
  • 肥満傾向がある

これらの生活習慣は、大腸がんの発症リスクを高める要因として医学的に認識されています。動物性脂質や加工肉の摂取機会が増えた食生活の欧米化が、日本人の大腸がん罹患率増加の主な原因とされているのです。

既往歴や家族歴によるリスク

  • 糖尿病がある
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)と診断されている
  • 高身長である
  • 家族に遺伝性の大腸疾患(家族性大腸腺腫症・リンチ症候群など)がある

特に家族歴がある場合、遺伝的な要因によりリスクが高まる可能性があるため、より早期からの検査が重要です。

症状がある場合は年齢に関係なく検査を

以下のような症状がある場合には、40代を待たずに検査を受けるべきです。

  • 血便が出る
  • 慢性的な下痢症状がある
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 便が残っている感じがする
  • お腹が張っていると感じる
  • 腹痛がある
  • 貧血が起きる
  • 急に体重が落ちた

これらの症状は大腸がんの可能性を示唆するサインです。年齢に関係なく、速やかに消化器の専門外来で相談することをお勧めします。

 

大腸内視鏡検査のメリットと検査の精度

大腸がんの検査には「便潜血検査」と「大腸内視鏡検査」の2種類があります。

それぞれの特徴を理解することが、適切な検査選択につながります。

便潜血検査の限界

便潜血検査は、便を採取して検査する簡便な方法です。自宅で手軽にできる反面、精度に課題があります。

便潜血検査では大腸がんの約4割を見逃してしまうとされており、陰性だからといって安心できるわけではありません。便潜血検査はあくまでスクリーニング(ふるい分け)の役割であり、陽性となった場合には必ず精密検査として大腸内視鏡検査を受ける必要があります。

便潜血検査免疫法は、国内外で広く用いられており、最新の検査法では以前よりも感度が大幅に向上しています。定期的に受診し、陽性になった場合には必ず精密検査を受けることで、大腸がんによる死亡がさらに減少すると考えられています。

大腸内視鏡検査の高い精度

大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入し、直腸から回盲部までを直接観察する検査です。

一生に1回受けるだけで大腸がんでの死亡確率を7割減らせるといわれており、極めて有効な検査方法です。大腸がんは他のがんと比べて進行が遅く、内視鏡検査で何も見つからなかった人が1〜2年経って進行がんが見つかるケースはほとんどありません。

内視鏡検査を1回行うと、大腸の状態によってどのくらいの頻度で検査を行えばよいかが分かります。特に問題がなければ4〜5年に1回でよいとされており、大腸ポリープが多く見つかれば検査頻度は高くなります。

その場でポリープ切除が可能

大腸内視鏡検査の大きなメリットは、検査と同時に治療ができる点です。

内視鏡で大腸ポリープや早期の大腸がんを発見した場合、その場で内視鏡切除が可能なものに関しては、そのときに切除します。つまり、日帰り手術も可能なのです。早期がんで見つかればほぼ完治できるため、早期発見・早期治療の観点から非常に有効な検査といえます。

 

無症状でも検査を受ける重要性

大腸がんの最大の特徴は、初期段階では自覚症状がほとんどないことです。

進行がんの方でも半数はほぼ症状がなく、早期がんであれば多くの方にほぼ症状がないというのが現実です。「自分は大丈夫」と思いがちですが、症状が出てからでは手遅れになる可能性があります。

症状が無い時にこそ検査を

症状が無い人は、45歳〜50歳の間で大腸内視鏡検査を受けることが重要と考えられています。

大腸がんは世界的に見て50歳以上の年齢よりもそれ以下の若年者において発生率が上昇傾向にあり、日本においても若年化の傾向が見られています。30代後半や40代での発症も珍しくなくなってきているのです。

40歳を超えると大腸がんリスクが高まるため、症状がなくても1度は検査を受けておく方がよいでしょう。

便潜血陽性なら必ず精密検査を

便潜血検査で陽性となった場合には、年齢に関係なく大腸内視鏡検査を受けるべきです。

便潜血陽性は大腸がんの可能性を示唆する重要なサインであり、精密検査を受けずに放置することは危険です。陽性となった場合には必ず精密検査を受けることで、大腸がんによる死亡率を減少させることができます。

早期発見による治療の選択肢

大腸がんは早期に発見できればがんを完全に取り除ける可能性が高く、治療後の経過が良いとされています。

たとえ進行していた場合でも、他の臓器に転移していない場合は完治できることが多いがんです。大腸がんの5年相対生存率は71.4%であり、早期発見すれば治療が可能な病気なのです。

早期に発見できれば、身体への負担の少ない治療が可能となり、生活の質を保ちながら治療を進めることができます。

 

当院での大腸がん検診の対応

辻仲つくば胃腸科肛門科クリニックでは、消化器内科・内視鏡を専門とする医科クリニックとして、大腸がん検診に力を入れています。

院長は日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医の資格を持ち、豊富な臨床経験に基づいた検査・診断を提供しています。

受診判断でお悩みの方へ

「病院に行くべきか悩んでいる」という方は少なくありません。

血便や腹部の違和感など、気になる症状がある場合には、まずはご相談ください。症状の緊急度や様子見の判断について、専門的な視点からアドバイスいたします。

無症状でも40代を迎えた方、家族歴やリスク要因がある方は、一度検査を受けることをお勧めします。

予約・相談の方法

当院では、予約、電話、LINE/WEB相談の3つの方法で対応しています。

検査を受けるか迷っている段階でも、まずはお気軽にご相談ください。検査内容、費用、治療期間、注意点など、詳しくご説明いたします。

大腸内視鏡検査は、前処置として腸管洗浄剤や下剤を服用する必要がありますが、当院では患者さんの負担を軽減するよう配慮しています。検査当日は保険証を必ずお持ちください。

検査後のフォローアップ

検査の結果、大腸ポリープが発見された場合には、その場で切除を行います。

検査結果により精密検査が必要となった場合の検査料、治療費等は保険診療扱いとなります。検査後の経過観察や再検査のタイミングについても、患者さんの状態に応じて適切にご案内いたします。

大腸がんの予防には、定期的な大腸ポリープ切除が重要です。当院では、患者さん一人ひとりに合わせた検査頻度をご提案し、長期的な健康管理をサポートしています。

まとめ〜40代からの大腸がん検診で未来の健康を守る

大腸がんは40代から発生率が上昇し、女性ではがん死亡原因の第1位という深刻な疾患です。

しかし、早期発見・早期治療により治癒が期待できるがんでもあります。初期段階では自覚症状がほとんどないため、症状が無い時にこそ検査を受けることが重要です。

便潜血検査は簡便ですが精度に限界があり、大腸内視鏡検査は一生に1回受けるだけで死亡確率を7割減らせる有効な検査です。特に生活習慣や家族歴などのリスク要因がある方、40代を迎えた方は、一度は検査を受けることをお勧めします。

「病院に行くか悩んでいる」という段階でも、まずは専門医にご相談ください。辻仲つくば胃腸科肛門科クリニックでは、予約、電話、LINE/WEB相談で対応しています。あなたの健康を守るために、今こそ行動を起こしましょう。

【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック
院長 森田 洋平(日本消化器内視鏡学会 専門医、MPH(公衆衛生大学院))

MPHは予防医学、疫学、統計のスペシャリストの学位です。大腸がんの予防的なデータを実践するスペシャリストといえます。