血便は痔だけじゃない!専門医が教える5つの原因|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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血便は痔だけじゃない!専門医が教える5つの原因

血便を見つけたら考えるべき3つの原因

血便を見つけたら考えるべき3つの原因

トイレで便を流す前、ふと便器を見ると赤い血が・・・。多くの方がこのような経験をされたことがあるのではないでしょうか。血便を見つけると「痔かな?」と思われる方が多いですが、実は痔以外にも様々な病気が隠れている可能性があります。

血便は腸や肛門の異常を知らせる重要なサインです。早期発見・早期治療につなげるためにも、血便の原因をしっかりと理解しておくことが大切です。

消化器内科・大腸肛門外科の専門医として、日々多くの血便の症例を診てきました。この記事では、慢性的な血便を引き起こす代表的な35つの原因について詳しく解説します。

突然の大量の下痢や出血の場合は他の原因の可能性があります。緊急で止血が必要なことがあるので注意が必要です。緊急で大腸内視鏡検査を行うことができる施設へ受診することをおすすめします。

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1. 痔による出血 – 最も多い血便の原因

血便の原因として最も多いのが(いぼ痔・切れ痔)による出血です。痔は肛門の病気の総称で、いぼ痔(痔核)切れ痔(裂肛)が代表的です。

いぼ痔は肛門周囲の静脈がうっ血して腫れた状態で、排便時に便でこすれて出血することがあります。切れ痔は硬い便が通過する際に肛門が切れてしまう状態で、鮮やかな赤色の出血と強い痛みを伴うことが特徴です。

痔による血便の特徴は、鮮やかな赤色の血液が便の表面に付着したり、トイレットペーパーに付いたりすることです。血液と便が混ざらず分離している点も特徴的です。

ただし、「痔だろう」と自己判断して放置することは危険です。痔と思われていた出血が、実は大腸がんであったというケースも珍しくありません。特に40歳を過ぎたら、一度は専門医による診察を受けることをお勧めします。

痔の治療は症状に応じて、薬物療法、注射療法(ALTA療法)、手術療法などがあります。当院では年間151例(2023年実績)の痔の日帰り手術を行っており、専門性の高い検査で的確に診断し、必要な治療を提案しています。

2. 大腸がん – 見逃してはいけない重大な原因

血便の原因として特に注意が必要なのが大腸がんです。初期の大腸がんはほとんど症状がありませんが、進行すると出血や便通異常(便秘・下痢が続く)、腹痛など様々な症状が現れます。

特に直腸に近い部分のがんでは血便として発見されることが多く、肛門から近いほど鮮やかな赤色の血が混じります。一方、大腸の奥の方にできたがんでは、血液が便と混ざって暗赤色になることがあります。

大腸がんの怖さは、初期には痛みなどの自覚症状がほとんどないことです。そのため、定期的な検診や検査が非常に重要になります。

大腸がんは早期に発見すれば、内視鏡治療で完治する可能性が高い病気です。しかし、進行すると手術や抗がん剤治療が必要になることもあります。

血便が続く場合や、便潜血検査で陽性が出た場合は、必ず大腸内視鏡検査を受けましょう。大腸がん検診で便潜血検査陽性の方に大腸カメラを行うと、3%の方に大腸がんが見つかります。

また、便潜血検査陽性の方の中で、自分が痔だと思っているかどうかと大腸癌の割合に関係がないとする報告もあり、痔があるかどうかによらず、繰り返す場合は大腸内視鏡検査を行う事が重要です。

当院のようなクリニックレベルの医療機関であっても、2024年度は3人の20代の進行大腸がんの方を診断しました。特に40代以上の方は要注意ですが、20代の方であっても症状が続く場合は注意が必要です。当院の隣市のつくばみらい市では18歳から大腸がん検診の対象となっており、自治体レベルでも大腸がんについての関心が高まっています。

「たった一度の血便だから」「時々しか出ないから」と放置せず、専門医に相談することが大切です。

3. 炎症性腸疾患 – 若い世代にも多い慢性疾患

血便の原因として、10代〜30代の若年層にも発症することが多い炎症性腸疾患も重要です。代表的なものは潰瘍性大腸炎です。 

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができる病気で、血便や下痢、腹痛などの症状が特徴です。特に粘液の混じった血便(粘血便)が見られることが多いです。以前は稀な疾患だと考えられていましたが、近年、患者数が急増している疾患です。

炎症性腸疾患は慢性的に症状が続き、良くなったり悪くなったりを繰り返すことが特徴です。潰瘍性大腸炎は、潰瘍性大腸炎として治療しなければ症状が改善しない可能性が高い点、大腸内視鏡検査でなければ診断できない点、若年者に多い点が重要です。

若いからといって血便を軽視せず、特に粘液の混じった血便や、繰り返す腹痛を伴う血便の場合は、専門医への受診をお勧めします。

血便を見つけたらどうすべきか?

血便を見つけたら、まずは落ち着いて以下のポイントを確認しましょう。

  • 血の色(鮮やかな赤色か、暗赤色か、黒色か)
  • 血の量(少量か、大量か)
  • 血と便の関係(表面に付いているか、混ざっているか)
  • 痛みの有無
  • 頻度(初めてか、繰り返しか)
  • 他の症状(腹痛、発熱、体重減少など)

そして、以下のような場合は早めに専門医を受診することをお勧めします。

  • 40歳以上で血便がある場合
  • 大量の出血がある場合
  • 繰り返し血便が見られる場合
  • 血便に加えて腹痛や発熱、体重減少などがある場合
  • 便潜血検査で陽性と言われた場合

血便は「痔だろう」と自己判断せず、一度は専門医に相談することが重要です。特に40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的な大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

当院では、検査時に患者さんへの負担や苦痛をできるだけ軽減できるよう、鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査を行っています。また、患者さんの腸の形状や状態に合わせて、チューブが細い細径内視鏡や、腸粘膜を拡大観察できる拡大内視鏡などを使用し、無送気軸保持短縮法と呼ばれる検査方法を採用して、腸粘膜への負担や痛みの軽減に努めています。

また、AIを用いた内視鏡検査を行う事で、大腸がんの原因となる大腸ポリープの発見に努めています。

血便は体からの重要なサインです。早期発見・早期治療のためにも、気になる症状があれば、ぜひ専門医にご相談ください。

詳しい検査や治療についてのご相談は、辻仲つくば 胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックまでお気軽にお問い合わせください。当院では、専門性の高い医師による丁寧な診察と、患者さんの負担を最小限に抑えた検査・治療を提供しています。



【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック
院長 森田 洋平(日本消化器内視鏡学会 専門医、MPH(公衆衛生大学院))

MPHは予防医学、疫学、統計のスペシャリストの学位です。大腸がんの予防的なデータを実践するスペシャリストといえます。


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