痔の手術は保険適用できる?費用と適用条件を解説|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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痔の手術は保険適用できる?費用と適用条件を解説

痔の手術は保険適用される?基本知識と適用条件

1.痔の手術は保険適用される?基本知識と適用条件

痔の手術を検討されている方にとって、費用面は大きな関心事ではないでしょうか。「痔の手術って保険が使えるの?」「実際にいくらかかるの?」という疑問をお持ちの方は少なくありません。

結論をお伝えすると、通常は保険適用の上で手術を行うことができます。

しかしながら、痔の手術は、症状や術式によって保険適用の可否が分かれることがあります。保険適用外の治療となる場合はその旨をしっかりとお伝えするので、知らないうちに想定外の高額な請求があることはないのでご安心ください。
  

消化器外科・肛門外科を専門とする医師として、痔の手術と保険適用について詳しく解説します。この記事では、痔の種類ごとの保険適用条件や実際の費用感、さらに知っておくべき高額療養費制度についても触れていきます。

痔でお悩みの方が、経済的な不安なく適切な治療を受けられるよう、正確な情報をお届けします。

2.痔の種類と保険適用される手術

痔には大きく分けて3種類あります。それぞれの特徴と保険適用される手術について見ていきましょう。

痔核(いぼ痔)、痔瘻(あな痔)、裂肛(切れ痔)の3つが主な痔の種類です。それぞれに適した手術方法があり、保険適用の可否も異なります。

痔核(いぼ痔)の手術と保険適用

痔核は肛門内の血管が腫れて膨らんだ状態です。出血や痛み、脱出などの症状があり、日常生活に支障をきたすことがあります。

痔核に対する手術で保険適用されるものには、以下のようなものがあります。

  • 痔核根治術
  • 硬化療法(ALTA療法を含む)
  • 結紮術

これらの手術特は保険診療として広く行われており、健康保険が適用されます。症状がある場合には、医師の判断により保険適用となることが一般的です。

痔瘻(あな痔)の手術と保険適用

痔瘻は肛門と皮膚の間に異常な管(瘻管)ができた状態です。膿が溜まって痛みや発熱を引き起こすことがあります。

痔瘻の手術で保険適用されるものには、以下のようなものがあります。

  • 痔瘻根治

痔瘻は自然治癒が難しく、多くの場合手術が必要となります。痔瘻については、現在症状が無くとも、肛門周囲用膿(肛門の周囲に膿を作ってしまう状態)の再発、発がんリスクがあるため、症状がなくとも痔瘻根治術は保険診療として認められています。

裂肛(切れ痔)の手術と保険適用

裂肛は肛門の粘膜が切れた状態で、排便時の強い痛みが特徴です。慢性化すると治りにくくなり、手術が必要になることがあります。

裂肛の手術で保険適用されるものには、以下のようなものがあります。

  • 裂肛根治術
  • 側方皮下内括約筋切開術(LSIS)

切れ痔は便秘や下痢が原因で発症することが多く、慢性化すると手術が必要になります。これらの手術も保険適用の対象となっています。

3.痔の手術が保険適用される条件

痔の手術が保険適用されるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。単なる美容目的ではなく、医学的必要性が認められることが重要です。

では、具体的にどのような条件を満たせば保険適用されるのでしょうか。

保険適用の基本条件

痔の手術が保険適用される基本的な条件は以下の通りです。

  • 医師が医学的に手術の必要性を認めていること
  • 日常生活に支障をきたす症状があること
  • 保険適用対象の手術術式であること

など、症状があり、治療の必要性を医師が認めることが重要です。

保険適用外となるケース

一方で、以下のようなケースでは保険適用外となる可能性があります。

  • 症状が軽微で医学的必要性が低いと判断される場合
  • 美容目的の手術
  • 保険適用外の術式を選択した場合

症状が軽度の場合や、単に見た目が気になるといった理由では保険適用されないことがあります。また、地域によっては保険診療でできない可能性もあるため、事前に医療機関に確認することをおすすめします。

痔の手術を検討する際は、まず専門医の診察を受け、症状の程度や適切な治療法、保険適用の可否について相談することが大切です。

4.痔の手術にかかる費用の目安

痔の手術にかかる費用は、手術の種類や入院の有無、さらには医療機関によっても異なります。保険適用される場合の一般的な費用の目安を見ていきましょう。

健康保険が適用されると、医療費の3割(高齢者は1割または2割)が自己負担となります。

日帰り手術の場合の費用

痔の日帰り手術の場合、保険適用で3割負担だと以下のような費用が目安となります。

  • 初診料:約900円(3割負担)
  • 検査料(肛門鏡検査など):約1,000円(3割負担)
  • 手術費用:約7,000円~3万円(3割負担、術式による、麻酔費用含む)

また、辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックでは年間151例(2023年実績)の痔の日帰り手術を行っており、専門性の高い治療を提供しています。

入院が必要な手術の場合の費用

より複雑な症状で入院が必要な場合は、以下のような費用が発生します。

  • 手術費用:約1万円~10万円(3割負担、術式による)
  • 入院費:約1万円~2万円/日(3割負担)
  • 食事代:約460円/食
  • その他検査費用:症状により異なる

入院期間は症状や術式によって異なりますが、一般的には3日~1週間程度です。複雑な痔瘻の場合などは、より長期の入院が必要になることもあります。

辻仲病院グループ全体では2023年度に2,856件の肛門手術実績があります。

高額療養費制度の活用

医療費が高額になる場合は、高額療養費制度を利用することで自己負担額を軽減できます。

高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費の自己負担額が一定の金額(自己負担限度額)を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。

自己負担限度額は年齢や収入によって異なりますが、例えば70歳未満の一般的な所得の方の場合、月額約8万円程度が上限となります。

事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、窓口での支払いが自己負担限度額までで済むため、一時的な負担を軽減できます。この認定証は加入している健康保険の窓口で申請できます。

5.痔の手術と手術給付金

民間の医療保険に加入している方は、痔の手術で「手術給付金」を受け取れる可能性があります。ただし、すべての手術が給付対象になるわけではありません。

手術給付金とは、公的医療保険とは別に、民間の医療保険に加入している方が受けられる給付金のことです。

手術給付金の対象となる痔の手術

これらの手術は、一般的に「手術」として認められており、多くの医療保険で給付金の対象となっています。

ただし、保険会社や保険商品によって対象となる手術や給付金額は異なります。現在の医療保険では、主に以下の2つのタイプに分かれます。

  • 公的医療保険制度に連動した1,000種類の手術を対象とする保険
  • 保険会社独自の約88種類に分類された手術を対象とする保険

前者のタイプが現在の主流で、痔の主要な手術はほとんどカバーされています。

手術給付金の請求方法

手術給付金を請求するには、以下の手順を踏みます。

  • 手術を受ける前に、加入している保険会社に手術が給付対象かどうか確認する
  • 手術後、医師に診断書や手術証明書を作成してもらう
  • 保険会社所定の請求書に必要事項を記入する
  • 必要書類を揃えて保険会社に提出する

給付金額は保険商品によって異なりますが、入院給付金日額の10倍、20倍、40倍などと設定されていることが多いです。例えば入院給付金日額が5,000円の場合、20倍であれば10万円の給付金を受け取れる計算になります。

手術給付金は、保険診療・自由診療どちらの場合でも、条件を満たせば受け取ることができます。これは公的医療保険とは別の制度なので、両方を活用することで経済的負担をさらに軽減できる可能性があります。

6.痔の手術を受ける前に確認すべきこと

痔の手術を受ける前に、いくつか確認しておくべき重要なポイントがあります。経済的な負担を軽減し、安心して治療に臨むために、以下の点をチェックしましょう。

事前の確認が、後々のトラブルや想定外の出費を防ぐことにつながります。

医療機関での確認事項

医療機関では、以下の点を必ず確認しましょう。

  • 予定されている手術の正式名称
  • その手術が保険適用されるかどうか
  • おおよその費用の目安
  • 入院の必要性と期間
  • 術後の通院回数や期間

特に手術名称は重要です。保険会社への給付金請求や高額療養費制度の申請の際に必要となります。診療明細書が発行される場合は、そこに記載されている手術名を確認しましょう。

なお、給付の対象になるかどうかは個別の保険の契約次第であり、医師の判断とはならないのでご了承ください。

保険会社での確認事項

民間の医療保険に加入している方は、保険会社に以下の点を確認しましょう。

  • 予定している手術が給付金の対象になるか
  • 給付金の金額(入院給付金日額の何倍か)
  • 請求に必要な書類
  • 請求の期限

手術給付金は保険商品によって対象となる手術や給付額が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。特に痔の手術は種類が多いので、予定している手術名を正確に伝えて確認しましょう。

高額療養費制度の事前準備

高額な医療費が予想される場合は、高額療養費制度の活用を検討しましょう。

  • 「限度額適用認定証」の申請(加入している健康保険の窓口で手続き)
  • 自己負担限度額の確認(年齢や所得によって異なる)
  • 医療機関に認定証を提示する時期の確認

「限度額適用認定証」を事前に取得しておくと、医療機関での窓口支払いが自己負担限度額までで済むため、一時的な負担を大きく軽減できます。申請から発行までに時間がかかることがあるので、手術が決まったらすぐに手続きを始めることをおすすめします。

7.まとめ:痔の手術と保険適用の基本

痔の手術は、症状や術式によって保険適用の可否が分かれますが、医学的に必要と認められる多くの手術は保険適用の対象となります。

この記事のポイントをまとめると、以下のようになります。

  • 痔核(いぼ痔)、痔瘻(あな痔)、裂肛(切れ痔)それぞれに対応した手術があり、多くは保険適用される
  • 保険適用の条件として、医学的必要性が重要
  • 日帰り手術の場合、3割負担で数千円~3 万円程度が目安
  • 入院が必要な場合は、手術費用に加えて入院費や食事代が発生
  • 高額療養費制度を利用することで、自己負担額を軽減できる
  • 民間の医療保険に加入している場合、手術給付金を受け取れる可能性がある

痔の症状でお悩みの方は、まずは専門医に相談することをおすすめします。症状の程度や適切な治療法、費用面についても相談しながら、最適な治療計画を立てていきましょう。

経済的な不安を抱えたまま症状を放置すると、痔の状態が悪化して日常生活に大きな支障をきたすことがあります。保険制度をうまく活用して、早めの治療を検討してください。

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックでは、専門性の高い肛門診療を提供しており、痔の日帰り手術にも対応しています。痔でお悩みの方は、ぜひ専門医療機関での相談をご検討ください。

詳しくは辻仲つくば 胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックまでお問い合わせください。

【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック
院長 森田 洋平
 ・日本消化器内視鏡学会専門医

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