痔の手術後の痛みはいつまで?回復期間と対処法|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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痔の手術後の痛みはいつまで?回復期間と対処法

1.痔の手術後に感じる痛みの特徴と期間

痔の手術を受けると、術後にどのくらいの痛みがあるのか、いつまで続くのかという不安を抱える方は少なくありません。手術の種類や個人差によって痛みの程度は異なりますが、一般的な回復の目安を知っておくことで、心の準備ができるでしょう。

痔の手術後の痛みは、手術直後から数日間がピークとなります。麻酔の効果が切れる2〜3時間後から痛みを感じ始め、その後徐々に軽減していくのが一般的なパターンです。

手術後の痛みの特徴として、じっとしている時よりも、排便時や座った姿勢をとる時に強く感じることが多いです。これは手術で傷ついた部分に圧力がかかるためです。また、痛みの種類としては鈍痛やズキズキとした痛み、灼熱感など様々な形で現れることがあります。

ではいつまで痛みが続くのでしょうか?

2.痔の手術後の痛みの経過と回復期間

痔の手術後の痛みと回復期間は、手術の種類によって異なります。一般的な回復スケジュールを見ていきましょう。

手術直後〜3日目:最も痛みが強い時期

手術直後は麻酔の効果で痛みを感じないことが多いですが、2〜3時間後に麻酔が切れると痛みが出始めます。この時期は処方された鎮痛剤を適切に服用することが大切です。我慢せずに早めに対処しましょう。

4日目〜1週間:徐々に痛みが軽減する時期

多くの患者さんは3日から1週間程度で痛みが軽くなり始めます。ただし、初めての排便時には痛みを強く感じることがあります。排便時の痛みを恐れて便を我慢すると便秘になり、かえって痛みが強くなるので注意が必要です。
 

1週間〜2週間:日常生活に戻れる時期

手術から1週間〜10日程度経過すると、傷口からの出血も減少し、痛みも大幅に軽減します。この時期になると、多くの方が通常の日常生活に戻れるようになります。デスクワークなどの軽作業であれば、復帰可能な段階です。

ただし、長時間の座位や激しい運動はまだ控えた方が良いでしょう。

3.痔の種類別・手術後の痛みと回復期間

痔には主に「いぼ痔(内痔核・外痔核)」「切れ痔(裂肛)」「痔ろう」の3種類があります。疾患の種類というよりは程度に伴い、痛みや回復期間が異なります。

いぼ痔(内痔核・外痔核)の手術後

いぼ痔の手術は、痔核を切除する方法が一般的です。内痔核は肛門の内側にできる痔で、外痔核は肛門の外側にできる痔です。特に外痔核の手術では、皮膚の切除を伴うため術後の痛みが強い傾向があります。

回復期間の目安は以下の通りです。

  • 痛みのピーク:手術後2〜3日
  • 痛みの軽減:1週間程度
  • 日常生活復帰:10日〜2週間
  • 完全治癒:約1ヶ月

いぼ痔の手術では、肛門の中だけでなく外側の皮膚にも傷口を残すことがあります。これは肛門内の傷に便が滞らないようにするためのドレナージの役割を果たします。

4.痔の手術後の痛みを和らげる対処法

痔の手術後の痛みを和らげるためには、いくつかの効果的な対処法があります。適切なケアで痛みを軽減し、回復を早めましょう。

適切な姿勢と体位の工夫

痛みを感じる時は、体位を工夫することで楽になることがあります。

  • 横向きに寝て、膝を軽く曲げる姿勢をとる
  • 長時間同じ姿勢を続けない
  • 座る時は柔らかいクッションや円座を使用する
  • 座位の場合は、時々お尻を浮かせて左右に動かす

特に排便後は痛みが強くなりやすいので、横になって休むことで痛みを軽減できます。

座浴(お尻浴)の効果的な方法

座浴は痔の手術後の痛みを和らげるのに効果的です。温かいお湯(38〜40度程度)に10分ほど浸かることで、血行が促進され、痛みの緩和や傷の治癒を早める効果があります。

座浴の方法としては、便器の上に洗面器を置き、ぬるま湯を入れてつかる方法が一般的です。市販の専用器具を使用すると、より効果的に行えます。

排便後や朝晩の1日2〜3回行うと良いでしょう。座浴後は、お尻をやさしく拭いて十分に乾かすことが大切です。

処方薬の適切な使用

手術後は、医師から痛み止めや軟膏などが処方されることが多いです。これらは指示通りに使用しましょう。

痛みが強い時は我慢せずに、処方された鎮痛剤を服用することが大切です。痛みを我慢することでストレスがたまり、かえって回復を遅らせることがあります。

ただし、処方された薬以外の市販薬を併用する場合は、必ず医師に相談してください。

5.痔の手術後の排便時の痛みと対処法

痔の手術後、最も痛みを感じるのは排便時です。排便時の痛みを軽減するためのポイントを紹介します。

排便時の姿勢と力の入れ方

排便時の姿勢は、痛みを軽減するために重要です。

  • 肛門が十分開くように足を広げる
  • 両手でお尻を引っ張り上げるようにする
  • 長時間いきまない(いきむと傷口に負担がかかる)
  • うまく排便できないときは、いったんトイレから出て時間をおく

排便時に痛みを恐れて肛門を締めてしまうと、かえって痛みが強くなります。リラックスして自然な排便を心がけましょう。

便の硬さを調整する食事と水分摂取

術後の排便時の痛みを軽減するには、便の硬さを調整することが重要です。硬すぎる便は傷口を刺激し、痛みを強くします。

バナナ状のいい便であれば、自然ないきみで排便できるため、肛門に負担があまりかからず、傷つけることもありません。そのためには以下のポイントを意識しましょう。

  • 食物繊維の多い野菜や豆類、海藻などを積極的に摂取する
  • 1日3回、規則正しく食事をとる
  • 水分を十分に摂取する(1日1.5〜2リットル程度)
  • 刺激物やアルコールは控えめにする
  • ビフィズス菌などの善玉菌を含む食品を摂取する

手術後は医師から緩下剤が処方されることが多いですが、下痢気味になりすぎないように注意しましょう。下痢便の状態が続くと肛門が固まってしまい、様々なトラブルの原因になります。

排便後のケア方法

排便後のケアも痛みを軽減するために重要です。

  • 排便後は温水洗浄便座などでやさしく洗浄する
  • トイレットペーパーで拭く場合は、こすらずに押さえるように拭く
  • 洗浄後は水分が残らないようにやさしく拭き取る
  • 可能であれば排便後に座浴を行う

排便後のケアを丁寧に行うことで、傷口の清潔を保ち、感染を予防することができます。これにより、痛みの軽減と回復の促進につながります。

6.痔の手術後の生活上の注意点

痔の手術後、日常生活ではいくつかの注意点があります。適切な生活習慣を心がけることで、回復を早め、再発を防ぐことができます。

仕事や運動への復帰のタイミング

手術の種類や個人の回復状況によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • デスクワーク:手術後4日〜10日程度
  • 立ち仕事:手術後1〜2週間程度
  • 力仕事:手術後2〜4週間程度
  • 軽い運動(散歩など):手術後1週間程度
  • 激しい運動:手術後1ヶ月程度

復帰のタイミングは医師と相談しながら決めることが大切です。無理をして早く復帰すると、回復が遅れたり、合併症のリスクが高まったりする可能性があります。

入浴と清潔の保ち方

手術後の入浴については、医師の指示に従いましょう。一般的には以下のような目安があります。

  • シャワー:手術後1〜2日程度から可能なことが多い
  • 入浴(湯船につかる):手術後2〜3日程度から可能なことが多い

入浴時は傷口をゴシゴシこすらないよう注意し、やさしく洗いましょう。入浴後は傷口をよく乾かすことが大切です。

また、傷口がきれいになるまではガーゼなどをあてることがありますが、清潔を保つためにこまめに取り替えましょう。

再発防止のための生活習慣

痔の再発を防ぐためには、日常生活での習慣改善が重要です。

  • 規則正しい排便習慣を身につける
  • 便秘や下痢を防ぐための食生活を心がける
  • 長時間の座位を避ける(1時間に1回は立ち上がる)
  • 適度な運動を行い、血行を促進する
  • 肛門括約筋を緩めたり締めたりする肛門体操を行う
  • 冬場は下着の上からカイロを使うなど、体が冷えないように気をつける

肛門体操は、肛門括約筋が鍛えられ、血行もよくなり、うっ血防止になります。また、円座を活用することも効果的です。

痔の予防には、何よりも規則正しい排便習慣が重要です。毎日決まった時間に排便する習慣をつけることで、便秘を防ぎ、痔の再発リスクを下げることができます。

7.痔の手術後に注意すべき症状と受診のタイミング

痔の手術後、ある程度の痛みや出血は正常ですが、以下のような症状がある場合は医師に相談しましょう。

正常な経過と異常な症状の見分け方

正常な経過として、以下のような症状が見られることがあります。

  • 排便時に紙につく程度の少量の出血
  • 排便時の痛み(徐々に軽減していく)
  • 肛門周囲の軽度の腫れや違和感

一方、以下のような症状は異常な可能性があるため、医師に相談しましょう。

  • 大量の出血や血の塊が出る
  • 強い痛みが続く、または増強する
  • 38度以上の発熱
  • 肛門周囲の強い腫れや赤み
  • 排尿困難

手術後は、大丈夫な出血と危険な出血を見極めることが大切です。術後1週間〜10日間は必ず出血がありますが、いつまでも止まらないものや、血の塊が直腸に溜まって一気に出たりする場合は危険なので、止血処置が必要です。

医師に相談すべきタイミング

以下のような場合は、早めに医師に相談しましょう。

  • 痛みが強く、処方された鎮痛剤でも和らがない
  • 出血が多く、止まらない
  • 発熱や悪寒がある
  • 排尿ができない、または困難
  • 肛門周囲に膿がたまった感じがする

再来院の基準ですが、基本的には同じような症状が出たら再来院していただきたいですね。一度良くなった後で、また症状が出てくる方は、だいたい前回の時よりもひどくなっています。一度経験しているので、どんな症状が出ると危ないかは把握されていると思います。ひどくなるとより治療が困難になりますので、早期治療を心掛けてください。

術後の定期検診の重要性

痔の手術後は、医師の指示に従って定期的に検診を受けることが重要です。定期検診では、傷の治り具合や合併症の有無、再発の兆候などをチェックします。

術後の経過が順調でも、予定されている検診はきちんと受けるようにしましょう。また、検診時には今後の経過や再発防止、再発の可能性についても、主治医によく相談されるとよいでしょう。

定期検診を受けることで、早期に問題を発見し、適切な対処ができます。これにより、回復を早め、再発のリスクを下げることができます。

8.まとめ:痔の手術後の回復と痛みへの対処

痔の手術後の痛みは、手術の種類や個人差によって異なりますが、一般的には手術直後から数日間がピークとなり、その後徐々に軽減していきます。多くの場合、1週間程度で痛みは大幅に軽減し、2週間程度で日常生活に戻れるようになります。

痛みを軽減するためには、適切な姿勢や体位の工夫、座浴の実施、処方薬の適切な使用などが効果的です。また、排便時の痛みを軽減するためには、排便時の姿勢と力の入れ方に注意し、便の硬さを調整する食事と水分摂取を心がけ、排便後のケアを丁寧に行うことが大切です。

日常生活では、仕事や運動への復帰のタイミングを適切に判断し、入浴と清潔の保ち方に注意し、再発防止のための生活習慣を身につけることが重要です。また、正常な経過と異常な症状を見分け、必要に応じて医師に相談し、定期検診を受けることで、回復を早め、再発のリスクを下げることができます。

痔の手術後は、痛みや不安を感じることがあるかもしれませんが、適切なケアと生活習慣の改善によって、多くの方が健康な生活を取り戻しています。不安なことがあれば、遠慮なく医師に相談しましょう。

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックでは、痔の日帰り手術に対応しており、2023年には151例の実績があります。専門性の高い検査機器を用いて診断し、必要な手術を提案しています。痔でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

辻仲つくば 胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックでは、痔の治療に関する豊富な経験と実績を持つ医師が、あなたの症状に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。

 
【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック
院長 森田 洋平
 ・日本消化器内視鏡学会専門医

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