「大腸内視鏡検査を受けたいけれど、やっぱり怖い…」そんな不安を抱えている方は決して少なくありません。
今回、2024年にオリンパス社が実施した14,100人を対象とした大規模調査を参考に、多くの方が共通して不安に思っているポイントについて解説します。
興味深いことに、この調査では検査経験者と未経験者の間で不安の度合いに大きな差があることが判明しています。
この度合いの違いや、当院で内視鏡検査をうけた方々、いわば先輩たちのGoogleで寄せられた口コミなどを参考に(2025年5月31日現在 平均4.7、 合計 349件)、当院での体制も含めてご説明します。
この解説により、少しでも不安の解消になり、検査を受けるクリニック選びのポイントとして参考になれば幸いです。
当院では、この調査結果も踏まえ、患者様の不安に寄り添いながら、より安心して検査を受けていただける環境づくりに取り組んでいます。
当院はつくば市のクリニックとして、茨城県のおすすめ病院に選出されています。
つくばの内視鏡クリニックが選出|茨城県おすすめの大腸内視鏡特集
目次
1. 腸管洗浄剤でトイレに何度も行くのが面倒(36.5%)
便があると大腸を観察することができないため、検査前の腸管洗浄は必須の処置と言えます。
多くの方が抱く最大の不安
調査では、全体の36.5%の方が「腸管洗浄剤でトイレに何度も行くのが面倒」と回答しており、これが最も多い不安となっています。
しかし、知っておいていただきたいのは、大腸を調べる検査では、どの方法を選んでも腸管洗浄が必要だということです。
大腸を調べる検査としては、大腸内視鏡検査の他に、カプセル内視鏡検査、CT撮影などがあります。
その全てにおいて、便と病変を区別するのは、大腸内視鏡検査以上に難しいです。
大腸内視鏡検査は検査中にカメラで洗浄したり、便を避けたりすることができるため、むしろ他の検査よりも腸管洗浄の厳密さはやや緩和されていると言えます。
また、他の検査でポリープが見つかった場合、結局は大腸内視鏡検査による治療が必要になります。
つまり、再度下剤を飲み直すことになってしまうのです。
当院では日帰りポリープ切除に対応しているため、検査と治療を同日に完了でき、辛い下剤を飲むのは一度だけで済みます。
そういった面で、大腸内視鏡検査をするときに、下剤やそれに伴い頻回にトイレに行くという不安があると思いますが、大腸を調べる検査において、大腸内視鏡検査が優位であるという事実があります。
当院での対策
当院では、下剤に対する不安を軽減するため、以下の対策を講じています:
- 複数種類の下剤をご用意:患者様の体質やご希望に合わせて選択可能です。当院では5種類の下剤から選択できます。例えば、すぐに腸がきれいになりそうな方については、服用量が少ない下剤を用いるなどしています。
- 洗腸室完備:稀ではありますが、どうしても便がきれいにならないこともあるのが現状です。とはいえ、せっかく準備したのに検査ができないのでは非常にもったいないと思っています。当院では洗腸室を持っているため、どうしてもきれいにならない場合は洗腸などを行って検査に臨むことができます。専門クリニックである当院ならではの試みだと思います。
- 院内での下剤服用スペース:ご自宅での服用が不安な方は、当院で服用していただけます。当院にはトイレが8ヶ所あります。
- スタッフによる丁寧なサポート:服用方法や注意事項について、経験豊富なスタッフがサポートします。
実際に当院の口コミでも、『意外と大丈夫だった』、『看護師が励ましてくれた』、『なかなかきれいにならなかったが、せかされなくて準備ができた』などのコメントをいただいています。
また、これは私だけの感覚なのかもしれないですが、自分がここまでの技術を得られたのは、患者さんに協力してもらっているからだと思っています。
であれば、自分の技術を患者さんに還元して、より多くの人に快適に検査を受けてもらいたいと思っています。
なので、多少便が残ったとしても、せっかく私が内視鏡検査の技術を持っているので、そのような状態であっても最善な検査を提供することこそが、技術の還元として正しいと考えています。
したがって、便が完全にきれいにならないかもとご不安になる気持ちも分かりますが、そのような場合でもできる限り対応していきたいと思っています。
2. 検査中にお腹に強い痛みがあるのではないか(28.1%)
大腸内視鏡検査の痛みについて、正直にお話しする必要があります。
胃内視鏡検査と比較すると、大腸内視鏡検査は挿入が困難な場合、1時間程度かかることもあり、辛い検査となることがあります。
また、鎮静剤を用いない場合は、大腸憩室などで腸管が狭いなどの物理的な理由以外に、疼痛が強すぎて大腸内視鏡検査で最後まで観察できないリスクがあります。
だからこそ重要な「無痛検査」の技術
このような現実があるからこそ、当院では鎮静剤を用いた無痛検査を標準としています。
半分眠ったようなぼんやりとした状態で、リラックスしたまま検査を受けていただけます。
当院の鎮静剤の場合だと、半分眠ったというよりは、完全に寝ている方の方が多いです。
鎮静剤の効果がすぐに切れるタイプの鎮静剤であるため、痛みの状況や苦痛の状況に合わせて追加で使用していくことが基本の鎮静剤であるため、状態に合わせて追加できるからです。
専門医による高度な挿入技術
当院では、日本消化器内視鏡学会専門医が無送気軸保持短縮法という高度な技術を用いて検査を行います。
無送気軸保持短縮法とは?
従来の方法では空気を注入しながら内視鏡を挿入するため、お腹の張りや痛みが生じやすくなります。
当院で採用している無送気軸保持短縮法は、そもそも空気を注入せずに挿入するため、疼痛が軽減されます。
一旦一番奥まで入って、抜きながら観察する際は空気(二酸化炭素)を入れるのですが、抜きながら空気を入れるのと、パンパンに張った大腸の状態で押し入れるのだと腸の負担は全く違います。
我々は、早く入れることよりも、苦痛なく入れることを技術の証明と考えており、そんな考えに基づく挿入方法です(実際には慣れると、この方法の方でも十分早いですが・・・)。
経験者の声が証明する安心感
調査結果を見ると、検査経験者では22.5%、未経験者では30.7%が痛みを心配しており、経験者の方が不安が少ないことがわかります。
これは実際に当院で検査を受けた患者様からも「思っていたより全然痛くなかった」というお声をよくいただく結果と一致しています。
一方で、痛い人は本当につらいので(しかも辛い時間が長い)、このような程度を見ていないアンケートは実態を正確に表しきれない部分もあります。
私としては、可能な限り、追加できる鎮静剤を使った当院の無痛内視鏡をお勧めします。
より多くの方に使用していただけるように、ヨーロッパのガイドラインを参考に、一般的な鎮静剤よりも運転制限を通常よりも緩めています。
3. 腸管洗浄剤でお腹が痛くなるのではないか(26.8%)
この不安については、多くの方に誤解があります。
市販の下剤の多くは腸刺激性下剤といって、腸の蠕動運動を強制的に促進するため腹痛を伴うことが多いのです。
一方、大腸内視鏡検査で使用する腸管洗浄剤は腸への刺激が弱く、蠕動運動による腹痛はほとんど起こりません。
この不安について経験者17.7%、未経験者31.2%と大きな差があります。
上記の理由から、実際にはそのような症状がほとんどなかったと実感しているためと考えられます。
当院でのサポート
それでも腸管洗浄剤に不安をお持ちの方には:
- 事前の詳しい説明:下剤の種類や作用機序について丁寧に説明
- 院内での服用対応:ご希望により、当院で下剤を服用していただけます
- 体調管理のサポート:ご自宅で内服して、強い症状などあったときは電話などで専門スタッフが対応します。
当院は1日の大腸内視鏡検査数も多いため、下剤のトラブルがあった際は、検査時間の変更などで対応できることがほとんどです。
実際に当院の口コミでも、下剤で腹痛が強いというご意見はほとんどありません。
心配しないで検査に臨んでください。
4. 検査中に尿漏れや便漏れを起こさないか不安(26.7%)
まず安心していただきたいのは、便漏れや尿漏れの頻度は実際には少ないということです。
検査中には内視鏡で洗浄液や便を吸引しながら検査を行います。
したがって、通常は便漏れになることはないです。
鎮静剤を使ったとしても、便漏れや尿漏れになることは基本的にはないと思って下さい。
便漏れが起こるとすれば、腸管洗浄が十分でなかった場合に、内視鏡で洗浄した際の水圧によるものですが、これは稀なケースです。
当院の万全な準備体制 - 迷惑をかける心配は一切不要
万が一に備えて、当院では以下の対策を完備しています:
物理的な対策
- ディスポーザブル(使い捨て)検査着:下着も脱いだ状態で専用検査着を着用
- 防水シーツの完備:全例で防水シーツを使用
- 徹底した清拭・消毒:検査後は防水シーツを全て取り替え、ベッド自体も消毒
心理的な安心感
- 迷惑をかける心配は一切不要:ディスポ検査着のため、汚れても問題ありません
- 他の患者様の痕跡もゼロ:完全に清拭・消毒するため、衛生面での心配は不要
院内感染対策の徹底
当院では、このような対策を通じて院内感染対策も徹底しており、安心・清潔な環境で検査を受けていただけます。
5. 検査後にお腹の違和感や痛みがあるのではないか(26.1%)
検査後のことについて、不安な気持ちになるのもよくわかります。
鎮静剤を用いたとしても、検査後に辛かったら意味が無いと思われる気持ちもありますよね。
CO2送気による革新的な改善
当院では、検査後の違和感を最小限に抑えるため、CO2(二酸化炭素)を用いた送気を行っています。
従来の空気送気との違い
- 従来:空気を使用するため、体内に残りやすく、お腹の張りが続く
- 当院のCO2送気:CO2は水に溶けやすく、血液中に吸収されて肺から排出されるため、お腹の張りがほとんど残らない
CO2を用いることで、明確にお腹の張りの具合は異なります。
特殊な鎮静剤による快適な覚醒
痛みは記憶により助長される部分が大きいです。
さらに当院では、一般的な鎮静剤とは異なる、使用後に気持ち悪くならないタイプの鎮静剤を使用しています。
多くの患者様から「スッキリ目が覚めて、腹部の違和感も気持ち悪さもない」というお声をいただいており、検査後の不快感を大幅に軽減できています。
専用リカバリールームでの安心
検査後は専門のリカバリールームでしっかりと休んでいただき、体調の回復を確認してからご帰宅いただけます。
覚醒までが短い薬剤を使っているので、検査の回転も速く、仮に検査後に少し体調が悪いという場合でも、休んでいただく時間が十分とれるようになっています。
6. つくば駅近くの利便性と専門性の両立
今回の調査でメインとならなかった不安についても以下のように対応しています。
アクセスの良さ
当院はつくば駅から徒歩5分という好立地にあり、つくば市内および土浦、守谷、つくばみらい、常総市などからお越しの方もバスや電車での来院も可能です。
日帰り検査のため、入院の必要もありません。
ご自身で運転する際は6時間以上休んでから運転してご帰宅していただいています。
女性患者様への配慮
女性医師も在籍しており、男性医師による検査に抵抗感をお持ちの女性の方も安心してご来院いただけます。
同日検査への対応
患者様のご希望により、胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査を同日に実施することも可能です。
一度の来院で上部・下部消化管の検査を完了でき、時間的・身体的負担を大幅に軽減できます。
また、ポリープ切除も同時に行う事も出来ます。
オンライン診療を導入しており、ポリープ切除後の結果説明などにも活用できます。
専門診療
当院ではより専門性を高めるためにAIを用いた検査を行っています。
見落としなども不安という方についても安心していただける環境づくりを行っています。
また、肛門疾患についても専門ですので、大腸のみならず、痔についての相談もできます。
まとめ
14,100人の調査結果が示すように、大腸内視鏡検査への不安は多くの方が共通して抱く自然な感情です。
しかし、適切な技術と設備、そして患者様への配慮があれば、これらの不安は大幅に軽減できます。
選べる5つの腸管洗浄剤(下剤)選択、8個のトイレを活用した院内下剤、無痛内視鏡検査、熟練スタッフによるサポート、CO2送気など、
大腸がんは早期発見により、がんのない方と同等の寿命を享受できることが証明されています。
症状が気になるけれど検査への不安をお持ちの方、健康診断で便潜血陽性を指摘された方は、ぜひ一度当院までご相談ください。
経験豊富な専門医とスタッフが、皆様の不安に寄り添いながら対応します。
当院には、つくば市をはじめ、土浦市、牛久市、つくばみらい市、常総市、石岡市、阿見町、守谷市、龍ケ崎市のみならず、茨城県外も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
よくあるご質問
- 大腸内視鏡検査はどのくらい時間がかかりますか?
検査前30分前にはご来院いただきます。検査時間自体は15分~30分です。鎮静剤を使う場合は、30分から1時間程度休んでいただき、着替えてもらった後に検査結果のご説明、お会計となります。したがって、検査予定時間から2時間後ぐらいのご帰宅となります。当院の鎮静剤は早く覚めるタイプであるため、鎮静剤を用いた場合でも滞在時間が少なくなっています。
- 検査当日は仕事を休む必要がありますか?
午後の検査では、仕事をする時間はないと思います。午前の検査では、午後に仕事を行うこと自体は不可能ではありませんが、極力お休みが良いと思います。理由としては2点あります。まず、下剤内服自体が最低でも2時間かかります。排便回数が6回~10回程度となりますので、体力的にも仕事を行うのは難しいと思います。また、当院の鎮静剤は早く覚めるタイプであるため、仕事は不可能ではないと思いますが、重大な決断で誤りなどがあると心配です。
- 下剤が飲めるか心配です
ご安心ください。5種類の下剤から選択可能です。不安な方については、院内での服用も可能です。「意外と楽だった」とのお声も多数いただいています。また、当院ではどうしても途中で飲めないという方については、違う味の下剤で補強する、洗腸するという選択肢があり、不安な方についてサポートしています。また、辻仲病院グループとしてのプライドをもって、多少きれいになっていなくても大腸内視鏡検査を苦痛なく完遂するよう努力いたします。
- 検査費用はどのくらいかかりますか?
3割負担で7,500円、ポリープ切除や緊急の内視鏡的止血などの治療を行った場合は25,000 – 30,000円程度が目安です。当院では高周波電気メスも備えているため、比較的大きな病変も検査時に切除可能です。
- 胃カメラと同時に受けられますか?
必要があれば胃カメラと同時に検査を行うことができます。胃の定期的な内視鏡検査が推奨されている状態の方や腹部症状が胃によるものであることが不安な方などは、同時に検査を行うことも可能です。この場合は、通院が1度で済むのみならず、食事制限も1度ですみます。鎮静剤を使った場合は、寝ている状態で胃カメラも大腸カメラも終わる可能性が高いです。実際に口コミでも「胃と大腸内視鏡検査を受けましたが、気が付かないうちに終わりました」というお声を多数いただいています。
胃カメラについて不安がある方はこちらの記事もご参照ください。
14100人のアンケート調査から分かった5つの胃内視鏡検査への不安。つくばの内視鏡専門医が答えます。
- どのような医療機関がおすすめですか?
大腸内視鏡検査は、高度な技術と設備が必要な検査です。無痛検査への対応、ポリープ切除の実績、院内設備(トイレ数や下剤環境など)、そして専門医の在籍状況などが判断ポイントとなります。ホームページの症例数やGoogleの口コミが参考になると思います。
実際に当院は、月間1,000万PVの医療情報サイト「Medical DOC」でも「茨城県のおすすめ大腸カメラクリニック」に選出されています。ぜひ以下の記事をご参考ください。
つくばの内視鏡クリニックが選出|茨城県おすすめの大腸内視鏡特集
【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック 院長 森田 洋平(日本消化器内視鏡学会 専門医)