痔の出血で受診する目安は?〜肛門外科専門医が教える判断基準|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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痔の出血で受診する目安は?〜肛門外科専門医が教える判断基準

公開日:2026年03月31日 / 更新日:2026年03月23日

肛門出血に気づいたら〜まず知っておきたいこと

トイレで排便後、便器が真っ赤になっていたり、トイレットペーパーに血が付いていたりして驚いた経験はありませんか?

肛門からの出血は、多くの方が一度は経験する症状です。実は肛門からの出血は、単なる痔だと思って放置すると取り返しのつかないことになる可能性もあるのです。大腸がんなどの重篤な疾患が隠れていることもあります。

私は消化器外科医として長年、肛門疾患の診療に携わってきました。この記事では、肛門出血を引き起こす主な病気とその見分け方、そして受診の目安について専門的な立場から解説します。

出血の状態や特徴を知ることで、いつ病院を受診すべきか、どんな検査が必要かの判断材料になるでしょう。

出血の色と量から見える原因の傾向

肛門からの出血は、色によって出血部位をある程度推測できます。

鮮やかな赤い血(鮮血)の場合

肛門に近い場所からの出血は、血液が空気に触れる時間が短く、鮮やかな赤色をしています。便の表面に付着したり、ポタポタと垂れたり、拭いた紙に付いたりします。

これらは痔が原因の可能性が高いでしょう。しかし、大量の鮮血が突然出た場合は、憩室出血や大腸ポリープ・大腸がんも考えられます。特に、痛みがないのに大量の出血がある場合は注意が必要です。

暗赤色や黒っぽい血(タール便)の場合

胃や十二指腸、小腸など、消化管の上部からの出血が疑われる場合は、暗赤色や黒っぽい色が見られます。

タール便とは、ベタベタとした黒い便で、胃や十二指腸からの出血(消化性潰瘍など)が考えられます。少量でも持続的に出血が続いている場合は注意が必要です。

粘液が混じった血便の場合

血液とともに粘液が混じっている場合は、炎症性腸疾患や感染性腸炎の可能性が考えられます。

これらの疾患は、腸の粘膜に炎症が起こることで粘液が増え、出血を伴います。下痢や腹痛、発熱などの症状を伴うことが多いです。

内痔核(いぼ痔)による出血の特徴

肛門からの出血で最も多いのが、内痔核(いぼ痔)によるものです。

肛門の内側にできる痔で、排便時に力むことで肛門内部の血管がうっ血し、いぼ状に膨らんだ状態です。内痔核からの出血には、以下のような特徴があります。

  • 鮮やかな赤色の血が出る
  • 排便時に出血することが多い
  • 痛みをほとんど伴わない
  • 便器が血で染まるほどの大量出血の場合もある
  • トイレットペーパーに付着する程度の少量出血の場合もある

内痔核は痛みを感じにくい場所にできるため、出血して初めて気づくことが多いのです。

便秘や下痢が続いたり、長時間のトイレでのスマホ使用など、排便時に過度な力みが続くと悪化します。出血量が多くても、内痔核自体は命に関わる病気ではありません。しかし、大量出血が続くと貧血を起こすことがあります。

裂肛(きれ痔)による出血の特徴

裂肛は、いわゆる「切れ痔」と呼ばれる状態です。

硬い便が通過する際に肛門の粘膜が裂けてしまうことで起こります。裂肛による出血の特徴は以下の通りです。

  • 鮮血が少量出る(トイレットペーパーに付く程度)
  • 強い痛みを伴う(排便時に特に痛い)
  • 排便後も痛みが続くことがある
  • 便秘と下痢を繰り返すことで悪化する

裂肛は内痔核と異なり、痛みが主な症状です。「排便が怖い」と感じるほどの激痛を伴うこともあります。

裂肛を繰り返すと慢性化し、治りにくくなります。慢性裂肛になると、お通じの後1日中痛いといった状況が続くこともあります。さらに悪化すると肛門が狭くなり、大きな手術が必要になることがあります。したがって、早めの治療が大切です。

一時的な裂肛は適切な治療で改善することが多いですが、慢性化すると手術が必要になることもあります。また、思ったより出血することも多いです。

大腸がんによる出血〜見逃してはいけない重要なサイン

肛門からの出血で最も注意が必要なのが大腸がんです。

特に直腸がんは肛門に近い部位に発生するため、肛門からの出血として症状が現れることがあります。大腸がんによる出血の特徴は以下の通りです。

  • 排便時以外にも出血することがある
  • 血液が便に混じる(血便)
  • 暗赤色の血が出ることもある
  • 徐々に進行し、便が細くなる、便秘と下痢を繰り返すなどの症状を伴うこともある
  • 貧血の症状(めまい、倦怠感など)を伴うこともある

大腸がんは早期には症状がほとんどないため、出血などの症状が現れた時にはある程度進行している可能性があります。しかし、早期に発見できれば内視鏡治療や腹腔鏡手術で完治が可能な疾患です。

痔を患っている人で大腸がんが見つかった時は、すでにステージが進んでいることが多いのです。出血を痔だと思って放置してしまうことが原因です。特に、40歳を過ぎたら、一度内視鏡検査を受けることをお勧めします。

すぐに受診すべき症状〜緊急性の判断基準

以下のような症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

中には緊急対応が必要なものもあります。

  • 出血量が非常に多い(便器が真っ赤になる、下着を汚すなど)
  • めまい、立ちくらみ、顔面蒼白など、貧血症状がある
  • 出血に加えて、腹痛、吐き気、発熱などの全身症状がある
  • 便が黒っぽい(タール便)
  • 出血が止まらない、または繰り返す
  • 意識が朦朧とする
  • 鮮血が何日も続く
  • 便秘や下痢を繰り返す、便が細くなるなど、排便パターンに変化が見られる
  • 体重減少や食欲不振が見られる

腹痛、便秘、貧血(冷汗・めまい・頻脈など)といった症状を伴う血便があった場合は、速やかに消化器内科を受診してください。また、血便の量が多い場合も速やかな受診が必要です。消化管に潰瘍や腫瘍がある、食道静脈瘤や大腸憩室から出血している可能性があります。

血便が長期間続く場合も、多くの消化器疾患が疑われます。こうした場合もできるだけ早く医療機関を受診する必要があります。大量の出血は命に危険を及ぼす可能性もあります。また、血便を切れ痔やいぼ痔(内痔核)と誤解して放置し、深刻な状態になってしまうこともあります。

その他の肛門出血を引き起こす疾患

潰瘍性大腸炎による出血

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性腸疾患です。

原因は完全には解明されていませんが、自己免疫の異常や腸内細菌、食生活習慣が関与していると考えられています。潰瘍性大腸炎による出血の特徴は以下の通りです。

  • 血液に粘液が混じる
  • 下痢を伴うことが多い
  • 激しい腹痛を伴うことがある
  • 改善と悪化を繰り返す

炎症が長期に及ぶと大腸がんのリスクが上昇してしまいます。適切な治療を続けて良好な状態をキープすることが重要です。

大腸憩室出血

大腸の壁にできた小さな袋状のへこみ(憩室)からの出血です。

痛みがないことが多いものの、突然大量の鮮血が出るのが特徴です。出血量が多い場合は、貧血やめまいなどを引き起こす可能性があります。憩室部分の粘膜は薄いため、出血を起こしやすい傾向があります。

憩室出血は突然、大量の血液が肛門から出てきます。痛みがあることはほとんどなく、あった場合も下痢のような腹痛程度です。いったん出血が止まっても再出血を繰り返すことがありますので、早めに受診してください。

虚血性腸炎による出血

大腸への血流が悪くなることで炎症が起こる病気です。

突然の強い腹痛とともに、下痢や血便が見られます。高齢者に多く見られますが、若い世代にも起こり得ます。大腸に栄養や酸素を送っている血管が狭窄や閉塞を起こして血流が低下し、大腸粘膜が炎症を起こす疾患です。主な症状は激しい腹痛と下痢、血便です。

軽度であれば絶食と点滴を行い、安静にして腸を休ませることでほとんどは自然治癒します。

意外と20代などの若い方にも多い疾患です。

辻仲つくばでの診療について

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックでは、大腸内視鏡検査、胃カメラ検査、肛門外科診療を中心に提供しています。

辻仲病院グループに所属し、グループ内で培った知識や技術をもとに、専門性の高い治療を提案しています。クリニックの特徴として、検査自体の苦痛の少なさ、便利に検査や治療を受けられる体制、安心して検査や治療を受けていただくための情報提供を追求している点が挙げられます。

つくば駅から徒歩5分の立地にあり、土曜診療も実施しています。外科専門医、消化器外科専門医、大腸肛門病専門医が在籍しており、専門的な診療を提供しています。

当院では鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査を提供しており、検査への不安や恐怖感が大きい方でもリラックスした状態で検査を受けていただけます。大腸カメラ検査については事前診察が必須となっており、WEB予約またはLINE予約で事前診察と検査仮予約を取得できます。

胃カメラと大腸カメラの同日検査も対応可能です。検査時には下剤を院内で服用する体制が整っており、トイレは十分な数が準備され清潔に保たれています。下剤を飲んでいる間は看護師が頻繁に確認を行い、患者のストレスを軽減する配慮がなされています。

検査後の医師による説明は丁寧で、患者が安心して検査や治療を受けられる環境づくりに注力しています。入院が必要な治療・手術については、グループ病院の辻仲病院柏の葉と連携して治療にあたる体制を整えています。

まとめ〜自己判断せず専門医に相談を

肛門からの出血は、痔だけでなく大腸がんなどの重篤な疾患の可能性もあります。

出血の色や量、痛みの有無だけでは、完全に原因を見分けるのは困難です。そのため、疑わしい症状が続くときは、肛門外科の受診をご検討ください。

特に、大量の出血、めまいや貧血症状、腹痛や発熱を伴う場合、タール便、出血が繰り返す場合、排便パターンの変化がある場合は、早めの受診が必要です。

40歳を過ぎたら、症状がなくても一度内視鏡検査を受けることをお勧めします。早期発見・早期治療が、あなたの健康を守る最善の方法です。

辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニックでは、専門医による丁寧な診察と、苦痛の少ない検査を提供しています。つくば駅から徒歩5分の便利な立地で、土曜診療も実施しています。

気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

痔の出血が気になる方へ

痔による出血と思っていても、症状の出方で確認が必要なことがあります。初診時に診察の流れや必要な検査の目安を相談できます。

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次の一歩

出血の量や頻度、痛みの有無を整理しておくと受診時の説明がしやすくなります。繰り返す場合は早めに相談しておくと安心です。

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【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック
院長 森田 洋平(日本消化器内視鏡学会 専門医、MPH(公衆衛生大学院))

MPHは予防医学、疫学、統計のスペシャリストの学位です。大腸がんの予防的なデータを実践するスペシャリストといえます。