大腸ポリープの内視鏡切除〜手順・痛み・術後の注意点を解説|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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大腸ポリープの内視鏡切除〜手順・痛み・術後の注意点を解説

公開日:2026年03月02日 / 更新日:2026年02月24日

大腸ポリープの内視鏡切除とは

大腸内視鏡検査で見つかったポリープ。

「これって切除が必要なの?」「痛みはあるの?」と不安に感じる方も多いでしょう。大腸ポリープの内視鏡切除は、大腸がんの予防において非常に重要な治療法です。大腸ポリープの多くは良性ですが、放置すると将来がん化するリスクがあるため、検査時に発見された場合には早期の切除が推奨されます。

内視鏡切除は、開腹手術とは異なり、肛門から内視鏡を挿入してポリープを切除する方法です。体への負担が少なく、多くの場合は日帰りで治療が可能となっています。切除したポリープは病理検査に提出され、良性か悪性かの最終診断が行われます。

この記事では、大腸ポリープの内視鏡切除について、切除の手順、痛みの有無、入院の必要性、術後の生活上の注意点、再検査のタイミングなど、治療を受ける前に知っておくべき情報を詳しく解説します。

大腸ポリープ切除の種類と方法

大腸ポリープの切除方法は、ポリープの大きさ、形状、性質によって使い分けられます。

患者様一人ひとりに最適な方法を選択することで、安全かつ確実な治療が可能となります。ここでは日帰りで行う、代表的な切除方法について詳しく説明します。

ポリペクトミー

茎を持っているような隆起しているポリープに対して用いられる方法です。スネアと呼ばれる金属製の輪をポリープの根元にかけて切除します。ポリープの形態により、電気を使って焼き切る方法と、電気を使わずにスネアで切除する方法(コールドスネアポリペクトミー)、ジャンボ鉗子で切除する方法(コールドフォーセプスポリペクトミー)を使い分けます。

以前は電気を使って焼き切る方法が一般的でした。電気を使うことで切除時の出血を抑え、腫瘍の遺残を防止できるメリットがありました。しかし、通電の程度により切り口や腸壁にやけどをきたし、治療後の腹痛や穿孔の原因となる問題がありました。また、治療後数日してから出血する後出血の問題もありました。

最新の処置具ではスネアがさらに改良され、電気を使わなくても切除が可能なデバイスが使用できるようになっています。電気を使用しない最新のスネアを用いた治療法では、治療後の安静期間も短く済みます。後出血の可能性も低く、より安全に治療が可能です。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

平たいポリープ(表面型)に対しては、粘膜下層に生理食塩水などを注入し、ポリープを持ち上げてからスネアをかけて焼き切る内視鏡的粘膜切除術(EMR)を用います。また、粘膜下局注射をせず、ポリープを水に満たして管腔内に浮かび突出させた状態にして、スネアをかけて焼き切る方法(アンダーウォーターEMR)も使い分けられます。

一般的に、長径2センチメートル未満のポリープは日帰り切除が可能です。長径2センチメートル以上の大きなポリープの場合は、出血や穿孔のリスクが高まるため、入院での治療が推奨されることがあります。

切除時の痛みと鎮静剤について

「内視鏡検査は苦しい」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。

しかし、現在の大腸内視鏡検査では、鎮静剤を使用することで眠ったような状態で検査を受けることができます。多くのクリニックでは鎮静剤の使用率が95%以上となっており、検査時の苦痛を大幅に軽減することが可能です。

実際には、大腸の粘膜には痛みを感じる神経がほとんどありません。そのため、ポリープ切除自体で強い痛みを感じることは通常ありません。ご帰宅後、なんとなく治療した場所がいたいとおっしゃる方もいらっしゃいますが、基本的には治療での痛みではないことがほとんどです。もちろん、腸に穴が空くような稀な合併症が起きた場合には、疼痛がでますが、なんとなく痛いというレベルの痛みではないため、耐えられないほどの痛みとか発熱を伴うとかでなければ、ご心配は不要です。

ただし、内視鏡が大腸を通過する際に腸管が伸展されることで、腹部の張りや不快感を感じることがあります。鎮静剤を使用することで、こうした不快感も軽減されます。

鎮静剤を使用した場合、検査後はリカバリー室でゆっくり休んでいただきます。鎮静剤の効き目が残る間も安心して休めるよう、各スペースにナースコールを設置し、安全に経過を見ながら休憩が可能です。ただし、鎮静剤を使用した場合は当日の車の運転はできませんので、公共交通機関やご家族の送迎をご利用ください。

日帰り切除と入院切除の判断基準

大腸ポリープの切除は、多くの場合日帰りで行うことができます。

しかし、安全性を最優先するため、以下のような場合には入院での治療が推奨されます。

日帰り切除が可能なケース

検査時に発見されたポリープが小さく、数も少ない場合は、検査と同時に切除する日帰り治療が可能です。切除後は通常と同様に休憩後お帰りいただけます。ただし、数日間の食事・行動に制限があります。

入院切除が必要なケース

以下に該当する場合は、後日入院での切除となります。心臓病や脳血管障害疾患で抗凝固剤(血液をサラサラにする薬)を内服中の場合、ポリープが大きい、数が多いなど出血リスクが高い場合、がんの可能性が高い場合などです。

切除するポリープの形状・サイズ・数などにより、治療方針や合併症予防のために必要な対応が異なります。担当医師と相談のうえ、患者様にあわせた個別対応が可能です。

術後の生活上の注意点

ポリープ切除後は、切除した部分の傷を安静に保ち、出血などの合併症を防ぐために、一時的な生活制限が必要です。

食事制限について

切除直後から数日間は、消化の良い食事が推奨されます。ポリープ切除の状況により異なりますので、担当医の指示に従ってください。水分を多めに摂って便秘を予防し、下痢をしないよう刺激物は避けることが大切です。とはいえ、普通のものを食べる分には問題ないと思ってください。よく、何を食べてもいいですか?と聞かれますが、あえてチャレンジングなものを召し上がらなければ、常識的な範囲で食事を取っていただいて問題ありません。

食事摂取と治療後の出血については、文献的に関係性を示すデータはありません。したがって、基本的には何を召し上がっても問題ないと思ってください。

運動と仕事について

食事と同様、運動についても、治療後の出血と関係あるとするデータはありません。したがって、よほど過度な運動でなければ運動していただいて問題ありません。過度というのはフルマラソンを走るなどを想定しています。

これは、出血の予防というよりは、出血した場合に、脱水などがあると、出血のダメージが強く出てしまう可能性があるため、過度に脱水にならない程度の活動をという意味でお伝えしていることです。

その他の注意事項

アルコール類は術後から1週間は控えてください。旅行は術後1週間以降であれば可能です。アルコール類で出血するとは思っていませんが、出血した際に、止血に際して薬剤などを用いた際に負担が掛かる可能性を考えているためです。

術後の合併症と対応

大腸ポリープ切除後に最も注意すべき合併症は出血と穿孔です。

出血は切除直後から1週間程度の間に起こる可能性があります。多くの場合3日以内におこります。排便時に便器の水が真っ赤に染まるような出血がある場合、レバーのような血液の塊が何度も続けて出ている状態、強い腹痛や発熱がある場合、めまい・冷汗・意識が遠のく状態がある場合は、速やかに医療機関に連絡してください。

文献的にはEMRやホットスネアポリペクトミーなど、焼いてとった場合は、2%前後の確率とされています。

大腸ポリープ切除後出血は、ポリープの性状、切除方法、患者背景などにより個人差が大きい合併症です。少しでも不安な点がございましたら、夜間休日問わず連絡をいただいた上で対応いたします。当院では、本院である辻仲病院柏の葉で夜間や休日であっても対応いたします。

便秘への対応

検査前の下剤の影響で、腸内が完全に空になっているため、術後数日間排便がないのは当然の現象です。便の材料が腸内にたまるまでには通常2日から3日程度の時間が必要です。また、食事制限により食物繊維の摂取が制限されるため、便の量が物理的に少なくなります。

検査前に服用する強力な下剤は、腸内細菌も一緒に洗い流してしまいます。腸内細菌が元のバランスを取り戻すまでには少し時間がかかり、その間、便秘や逆にお腹が緩くなるといった症状が出ることがあります。便が腸内に長時間滞留すると、便に含まれる水分が過剰に吸収され、便はますます硬く、排出しにくくなります。

水分を多めに摂ることで便秘を予防できます。また、体調が安定してきたら、医師の指示に従って徐々に食物繊維を含む食事に戻していくことが大切です。

再検査のタイミングと経過観察

ポリープ切除後の経過観察は、大腸がんの予防において非常に重要です。

次回の検査は組織検査の結果が出る2週間以降にご来院いただきます。切除したポリープは病理検査に提出され、良性か悪性か、また将来がん化するリスクがあるかなどが詳しく調べられます。この結果に基づいて、今後の経過観察のスケジュールが決定されます。

組織検査の結果により、継続的な経過観察が必要となる場合があります。良性のポリープであっても、再発のリスクがあるため、定期的な内視鏡検査が推奨されます。一般的には、ポリープの種類や大きさ、数などに応じて、1年後から3年後の間に再検査を行うことが多いです。

大腸ポリープは再発することがあります。一度ポリープを切除したからといって、今後ポリープができないわけではありません。定期的な検査を受けることで、新たにできたポリープを早期に発見し、がん化する前に切除することができます。

40歳を越えたら、ご自身の健康を守るために検査を受けることをお勧めします。症状がなくても大腸内視鏡検査を勧められるケースもあります。家族歴がある方、便潜血検査で陽性となった方、以前にポリープを切除したことがある方などは、特に定期的な検査が重要です。

当院での対応

辻仲つくば胃腸科肛門科クリニックでは、消化器内科・内視鏡・肥満外来を専門としています。

大腸内視鏡検査と大腸ポリープ切除において、豊富な経験と実績を持つ医師が、患者様一人ひとりに最適な治療を提供しています。日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医の資格を持つ医師が、安全かつ確実な治療を行います。

当院では、最新の内視鏡システムを導入し、小さな病変も見逃さない高精度な検査を実施しています。鎮静剤を使用することで、眠ったような状態で検査を受けることができ、検査時の苦痛を大幅に軽減しています。院内に下剤服用スペースもご用意しており、ご自宅で下剤を服用するのが不安な方にも安心して検査を受けていただけます。

大腸ポリープ切除後は、専門スタッフが丁寧にアフターケアを行います。術後の注意点についても、専用の用紙を用いて詳しく説明いたします。退院後に排便時の出血や腹痛、吐いてしまうなどの異常時は、夜間休日問わず連絡をいただいた上で対応いたします。

大腸内視鏡検査や大腸ポリープ切除について、不安や疑問がある方は、お気軽にご相談ください。予約はこちらから、お電話はこちら、LINE/WEBでの相談はこちらから可能です。

まとめ

大腸ポリープの内視鏡切除は、大腸がんの予防において非常に重要な治療法です。

切除方法はポリープの大きさや形状によって使い分けられ、多くの場合は日帰りで治療が可能です。鎮静剤を使用することで、検査時の苦痛を大幅に軽減できます。術後は食事や運動に一時的な制限がありますが、医師の指示に従って生活することで、安全に回復できます。

切除後の経過観察も重要です。組織検査の結果に基づいて、今後の検査スケジュールが決定されます。定期的な検査を受けることで、新たにできたポリープを早期に発見し、がん化する前に切除することができます。

大腸内視鏡検査を受けるかどうか悩んでいる方は、まずは専門医に相談してみてください。早期発見・早期治療が、あなたの健康を守る最善の方法です。

【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック
院長 森田 洋平(日本消化器内視鏡学会 専門医、MPH(公衆衛生大学院))

MPHは予防医学、疫学、統計のスペシャリストの学位です。大腸がんの予防的なデータを実践するスペシャリストといえます。