女性が相談しやすい肛門・便の悩み|受診の流れと「恥ずかしさ」を減らす工夫

目次
肛門や便の悩みを抱える女性の現状
肛門や便の悩みは、多くの女性が日常的に抱えている問題です。
厚生労働省の調査によると、便秘を訴える女性は20歳を超えると徐々に増加し、70歳以上では10人に1人に達しています。また、痔核や裂肛などの肛門疾患も女性に多く見られる症状であり、特に出産経験のある女性では便失禁や排便困難といった骨盤底のトラブルも少なくありません。
しかし、こうした悩みを抱えていても「恥ずかしい」「どんな診察をされるのか不安」という理由から、受診をためらってしまう方が多いのが現実です。実際、肛門科の受診を決意した患者さんの中には、前日の夜に緊張で眠れなかったという方もいらっしゃいます。
デリケートな部位だからこそ、相談しにくい気持ちはよく理解できます。けれども、放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたすこともあります。早期発見・早期治療が何より大切なのです。

女性が相談しやすい環境づくり
女性医師による診察
男性医師による診察に抵抗感を持つ女性は少なくありません。
そのため、多くのクリニックでは女性医師による診察体制を整えています。当院でも女性医師が在籍しており、女性同士だからこそ話しやすい悩みも安心してご相談いただけます。女性特有の疾患である直腸瘤や小腸瘤、分娩後の便失禁や排便困難にも対応しています。
プライバシーへの配慮
診察室は個室であり、他の患者さんに見られる心配はありません。
待合室も女性専用ブースを設けているクリニックがあり、男性の目を気にする必要がありません。また、診察時にはカーテン越しに準備を行うなど、細やかな配慮がなされています。診察台も背中側から診察するシムス体位を採用しているため、医師の顔を見ることなく診察を受けられます。
痛みへの配慮
「肛門科の診察は痛い」というイメージを持つ方もいらっしゃるでしょう。
実際には、診察で痛い処置をするのはごく一部です。指診や肛門鏡の挿入時には、ゴム手袋を使用し、潤滑油としてゼリーを塗るなど、痛みを与えないよう配慮されています。診察時のコツは、全身の力を抜いてリラックスすることです。力が入ると肛門が器具を締め付けてかえって痛みが増してしまいます。

初診の流れを知って不安を解消
問診
診察は一般的な病院と同じで、まず問診から始まります。
問診表に記入する場合と、医師が直接質問する場合があります。主な質問内容は、痛みの有無や場所、出血の量やタイミング、脱出物の有無、腫れやかゆみ、便通の状態などです。当院では、WEB問診を用いるなど、ご不安な状況をご説明いただく機会を設けています。
診察
問診が終わったら、診察台に移動します。
多くのクリニックでは、左下横向きで軽く両下肢を屈曲した「シムス体位」をとります。着衣は膝くらいまでおろすだけで、全部脱ぐ必要はありません。看護師が必要時に介助してくれます。診察は背中側から行われるため、医師の顔を見ることなく受けられます。
まず、おしり全体を観察する視診を行います。次に、潤滑剤をつけた指で肛門内を触診する指診を実施します。その後、肛門鏡という筒状の器具を挿入して内部を観察します。肛門鏡はゼリーを十分につけてすべりやすくし、なるべく痛くないように配慮されています。
説明
すべての診察が終わると、医師から病名や症状、これからの治療方針について説明があります。
当日即手術となることは、ほとんどありません。説明の中で不安なことや疑問点があれば、遠慮せず質問しましょう。必要に応じて、おしりの図やデジタル肛門鏡の画像などを用いて、わかりやすく説明してくれます。

大腸内視鏡検査で詳しく調べる
肛門や便の悩みの原因が、大腸にある場合もあります。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は、肛門や大腸にある病変を特定し、正確に診断するために行う検査です。大腸がんや大腸ポリープの早期発見・治療に必要不可欠な検査として位置付けられています。
鎮静剤を使った苦痛の少ない検査
「内視鏡検査は怖い」というイメージから、受診をためらう方もいらっしゃるでしょう。
当院では、検査時に患者さんへの負担や苦痛をできるだけ軽減できるよう、鎮静剤を使用しています。半分眠ったようなぼんやりとした状態で、リラックスしたまま検査を受けられます。また、検査後は専門のリカバリールームでしっかりと休んでからお帰りいただけます。
当院の検査実績は25,093件に上ります。
女性医師による検査対応
大腸内視鏡検査も女性医師が担当できます。
男性医師による検査に抵抗感や恥ずかしさ・恐怖や不安をお持ちの方も、安心してご来院いただけます。当院には女性医師が在籍しており、経験豊富な専門医が検査を担当します。
選べる下剤で前処置も楽に
大腸内視鏡検査の前には、腸内をきれいにするために下剤を服用します。
「下剤が不安」という声も多く聞かれますが、当院では患者さんの体質やご希望に合わせて数種類の下剤をご用意しています。初めて検査を受ける方で下剤服用が不安な方、過去に内視鏡検査の下剤服用でつらい思いをされた方も安心してご相談ください。
参考:大腸内視鏡検査めの下剤の工夫
検査と同時にポリープ切除も可能
一般的に大腸内視鏡検査中に、ポリープが発見される確率は30-50%と言われています。
当院では検査の利便性を上げるために、入院が不要な場合は日帰り大腸ポリープ切除に対応しています。ポリープのない状態を作ることで、大腸がんを約86%予防することが可能とされています。お仕事などが忙しくて通院が難しい方や、負担の少ない検査をご希望の方にもおすすめです。
最新技術による高精度な検査
当院では、高精度の検査を実現するために「画像強調」や「自動送水」を導入しています。
さらに、最新のAIシステムも活用しており、微細な早期がんや炎症などをより高い精度で発見できるようになっています。また、患者さんの腸の形状や状態に合わせて、細径内視鏡や拡大内視鏡などの豊富な機器を使用し、無送気軸保持短縮法という検査方法を採用することで腸粘膜への負担や痛みの軽減に努めています。

受診をためらわないために
肛門や便の悩みは、誰にでも起こりうる問題です。
恥ずかしさや不安から受診をためらう気持ちはよくわかりますが、早期発見・早期治療が何より大切です。多くのクリニックでは、女性医師による診察、プライバシーへの配慮、痛みへの配慮など、女性が相談しやすい環境づくりに力を入れています。
当院は、つくば駅から徒歩5分という便利な立地で、つくば市内だけでなく、つくばエクスプレス沿線(研究学園、万博記念公園、みどりの、みらい平、守谷、柏たなかなど)や常磐線・関東鉄道常総線沿線、茨城県全域(土浦市、牛久市、つくばみらい市、常総市、石岡市、阿見町、守谷市、龍ケ崎市など)から多くの患者さんが来院されています。遠方からお越しの方でも安心して内視鏡検査を受けていただけるよう、プライバシーに配慮した下剤服用スペースを完備し、内視鏡検査の開始時間も柔軟に対応しています。
便に血が混じっていたり、痛みがある場合は、放っておくと重大な健康問題を引き起こす可能性があります。少しでも、肛門及びその周囲がいつもと違う状況であれば、迷わず早めの受診をおすすめします。
診察の流れを知ることで、不安も軽減されるのではないでしょうか。
一人で悩まず、まずは気軽にご相談ください。経験豊富な専門医が、一人ひとりに合わせた検査・治療をご提供いたします。
参考文献:
厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf
便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症 日本消化管学会
https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00812/

【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック
院長 森田 洋平(日本消化器内視鏡学会 専門医、MPH(公衆衛生大学院))
MPHは予防医学、疫学、統計のスペシャリストの学位です。大腸がんの予防的なデータを実践するスペシャリストといえます。