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大腸ポリープは検査中にその場で切除できます
大腸内視鏡検査を受けられる患者さんから「ポリープが見つかったら、その場で取ってもらえるんですか?」というご質問をよくいただきます。
結論から申し上げると、多くの場合、大腸ポリープは検査中にその場で切除することが可能です。当院では、検査時にポリープが発見された場合、入院が不要な大きさであれば日帰りでポリープ切除を実施しています。
大腸内視鏡検査中にポリープが発見される確率は約30-50%とされています。検査と同時に切除を行うことで、通院回数の削減や身体的負担の軽減につながります。何より、ポリープを切除することで、大腸がんを約86%予防できることが研究で示されているのです。

参照:大腸ポリープ切除による大腸がん予防効果について(https://www.tsujinaka-tsukuba.com/topics/2025/06/15/clean-colon-goal/)
ただし、すべてのポリープがその場で切除できるわけではありません。ポリープの大きさや形状、患者さんの状態によっては、入院が必要になることもあります。
日帰りで切除できるポリープ・できないポリープの違い
ポリープの切除方法は、その大きさや性質によって変わります。
日帰り切除が可能なケース
10mm以下の比較的小さなポリープであれば、多くの場合、日帰りでの切除が可能です。当院では「コールド・スネア・ポリペクトミー」という方法を採用しており、電気を使わずにスネア(輪っか状のワイヤー)で締め付けて切除します。この方法は出血のリスクが低く、安全性が高いのが特徴です。
10mm以上の大きなポリープに対しては「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」を実施します。ポリープの下に生理食塩水を注入して粘膜を持ち上げてからスネアをかけて切除する方法で、こちらも日帰りで対応できることが多いです。
入院が必要になるケース
以下のような場合には、入院での治療が必要になります。
- 大きなポリープ(切除時や切除後に出血や穿孔のリスクが高い)
- 血管が豊富に含まれているポリープ
- 既にがん化している可能性のある腺腫性ポリープ
- 抗凝固薬や抗血小板薬を長期間服用している方
- 血が固まりにくい状態をお持ちの方
大きなポリープに対しては「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」という精密な治療が必要になることもあり、この場合は入院治療をご案内しています。
大腸ポリープ切除の具体的な流れ
実際の切除手順をご説明します。

検査前の準備段階
大腸内視鏡検査を受けるには、事前の準備が必要です。まずWEBまたはお電話でご予約いただき、初回受診時に医師の診察を受けていただきます。検査の説明を聞いた上で、実施するかどうかをお選びいただけます。
検査前2~3日は消化に良いものを召し上がっていただき、前日には当院でお渡しする検査食を食べていただきます。検査当日の朝は食事を控え、水やお茶などの水分補給のみとしてください。
下剤服用から検査まで
検査の3~5時間前から下剤を服用していただき、腸内をきれいにしていきます。自宅で服用される方は事前の指示に従ってください。院内で服用される方は、指定された時間にご来院いただきます。
当院では、患者さんの体質やご希望に合わせて数種類の下剤をご用意しています。過去に下剤服用でつらい思いをされた方も、ご安心ください。
ポリープ切除の実際
検査中にポリープが見つかった場合、以下の手順で切除を行います。
- ポリープにスネアをかけます
- スネアをそのまま締め付けて、電流を使わずにポリープを切除します(コールドポリペクトミーの場合)
- 切除したポリープを回収して病理検査に出します
切除自体は1~2分程度で完了します。当院では鎮静剤を使用しているため、患者さんは半分眠ったようなリラックスした状態で検査を受けられます。痛みや不安を感じることはほとんどありません。
治療の際に、出血予防のためにクリップにより傷を閉じることがあります。これは自然に排泄されるため、取り除く必要はありません。小さいため、排泄されたことに気が付かないことがほとんどですが、仮に、当日取れてしまっても焦る必要はありません。
検査後の過ごし方
検査が終了した後は、専用のリカバリールームでゆっくりお休みいただきます。体調や意識状態に問題がないことを確認できましたら、検査結果や今後の治療についてご説明いたします。
ポリープを切除した場合は、病理検査の結果説明のために再度ご来院いただく必要があります。オンライン診療での説明も可能です。検査結果や今後の治療プランをお聞きいただいた後は、体調に問題がなければご帰宅していただけます。
大腸ポリープ切除にかかる費用
医療費は多くの患者さんが気になるポイントです。

保険適用での料金目安
大腸に症状や病変がみられた場合は、保険証をお使いいただくことが可能です。3割負担の場合の料金目安は以下の通りです。
- 大腸内視鏡検査:7,500円
- 内視鏡的大腸ポリープ切除術(2cm未満):30,000円
- 病理組織検査:1臓器4,000円、2臓器7,500円、3臓器11,000円
お支払方法は、現金とクレジットカード(VISA、JCB、Mastercardなど)に対応しています。
医療保険の給付金について
日帰り手術であっても、加入している医療保険の種類や契約内容によっては、手術給付金が支給されるケースが一般的です。これは、手術に伴う経済的な負担を軽減するため、手術そのものに対して給付金が支払われるものです。
持病があるなどの理由で手術前後に入院が必要な場合には、入院給付金や一時金も支給されることがあります。具体的な給付内容や金額については、加入している医療保険の契約内容を確認しましょう。わからない場合は、保険会社のサポートに問い合わせると、詳しい情報を提供してもらえます。
ただし、検査扱いとされる場合や特定の術式では、手術給付金の対象外となる可能性もあります。また、特定の部位や病気については不担保期間が設けられていることもありますので、事前の確認をおすすめします。
切除後の生活と仕事復帰の目安
ポリープ切除後、どのくらいで普段の生活に戻れるのか?これは患者さんにとって最も気になる点だと思います。
切除当日から数日間の過ごし方
ポリープ切除後は、普通に生活していただいて問題ありません。フルマラソンを走るなど、過度な運動でなければ、多少運動していただいても大丈夫です。
飲食については、検査終了後の医師の指示に従っていただきます。あえて、多量に食事を摂取するなどチャレンジしなければ、基本的には普通の食事で問題ありません。

仕事復帰のタイミング
特段仕事の制限はありません。しかしながら、5日以内は出血のリスクがあります。出血した際には再度内視鏡検査を行い、止血をする必要があります。そのため、出張や抜けられない仕事などがある場合は注意が必要です。
運動や入浴の制限
運動や入浴については、大きな制限はありません。先程ご説明したように、フルマラソンなどの過度な運動でなければ普通に生活していただいて大丈夫です。治療後の生活の仕方と出血リスクは関係ないことが知られています。
切除後の合併症について
大腸ポリープ切除後には、まれに以下のような合併症が起こる可能性があります。
- 出血(切除後数日以内に起こることが多い)
- 穿孔(腸に穴が開くこと、非常にまれ)
- 腹痛
切除後に激しい腹痛、大量の出血、発熱などの症状が現れた場合は、すぐに当院にご連絡ください。夜間や休日の場合でも、緊急連絡先をお伝えしていますので、遠慮なくご相談ください。
定期的な検査の重要性
大腸ポリープは、切除しても別の部位に大腸ポリープができることがあります。
ポリープを切除したことがある方は、定期的な大腸内視鏡検査を受けることが大切です。一般的には、ポリープの大きさや数、組織型などによって、次回の検査時期が決まります。
小さな良性のポリープであれば、2~3年後の検査で問題ありませんが、大きなポリープや腺腫性ポリープの場合は、1年後の検査をおすすめすることもあります。
大腸内視鏡検査を行ったあと、3年以内に再度検査をして大腸ポリープが見つかる確率は国内の臨床研究によると35-42%程度とされています。
参考:Matsuda T, Fujii T, Sano Y, et al. Randomised comparison of postpolypectomy surveillance intervals following a two-round baseline colonoscopy. Gut. 2020;70(8):1469-1478. doi:10.1136/gutjnl-2020-321996. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33139269/
また、便潜血検査で陽性となった方、家族に大腸がんやポリープの方がいる方、便秘や下痢が続く方、腹痛や腹部の張りが続く方、便が以前よりも細い方、急な体重減少がみられる方、黒い便や血がついた便が出る方は、早めに大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。
当院での大腸内視鏡検査の特徴
当院では、患者さんの負担を最小限に抑えた大腸内視鏡検査を実施しています。
経験豊富な専門医による検査
日本消化器内視鏡学会専門医が検査を担当し、一人ひとりに合わせた検査・治療をご提供いたします。検査実績は25,093件に上り、豊富な経験に基づいた安全で確実な検査を行っています。
女性医師も在籍しており、男性医師による検査に抵抗感を持っている女性の方も安心してご来院いただける診療体制を整えております。
最新技術による高精度な検査
当院では、光の波長を変えて腸粘膜の表面や色調がはっきり見える「画像強調」を導入しています。また、腸を観察しやすくするために空気ではなく「自動送水」を実施し、腸への負担軽減に努めております。
最新AIシステムを導入したことで、これまで見つけるのが難しかった微細な早期がんや炎症、その他の病変なども、より高い精度で発見できるようになりました。
苦痛の少ない検査方法
鎮静剤を使用することで、半分眠ったようなぼんやりとした状態で、リラックスしたまま検査を受けられます。検査後は専門のリカバリールームでしっかりと休んでからお帰りいただけます。
また、無送気軸保持短縮法と呼ばれる検査方法を採用し、腸粘膜への負担や痛みの軽減に努めております。この方法は、大腸の走行を邪魔することなくチューブが挿入できる検査方法であり、安全性が高く、患者さんの苦痛が少なく済みます。
アクセスの良さ
当院はつくば駅から徒歩5分という便利な立地にあります。つくば市内だけでなく、つくばエクスプレス沿線(研究学園、万博記念公園、みどりの、みらい平、守谷、柏たなかなど)や常磐線・関東鉄道常総線沿線、茨城県全域(土浦市、牛久市、つくばみらい市、常総市、石岡市、阿見町、守谷市、龍ケ崎市など)から多くの患者さんが来院されています。
遠方からでも安心して検査を受けられるよう、プライバシーに配慮した下剤服用スペースを完備し、検査開始時間も柔軟に対応しています。
まとめ:早期発見・早期治療が大腸がん予防の鍵
大腸ポリープは、多くの場合、検査中にその場で切除することが可能です。日帰りでの切除であれば、1週間程度の安静期間を経て、通常の生活に戻ることができます。
ポリープを切除することで、大腸がんを約86%予防することが可能とされています。自覚症状がないうちに定期的な検査を受けることが、大腸がん予防の最も確実な方法です。
当院では、鎮静剤を用いた苦痛の少ない内視鏡検査を実施しており、検査と同時に日帰りポリープ切除にも対応しています。経験豊富な日本消化器内視鏡学会専門医が担当し、最新AIシステムを導入した高精度な検査を行っています。
「内視鏡検査は怖い」というイメージから受診が遠のいていませんか?早期発見・早期治療のために、ぜひ一度当院までご相談ください。WEBまたはお電話でご予約を承っております。

【作成・監修】
辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック
院長 森田 洋平(日本消化器内視鏡学会 専門医、MPH(公衆衛生大学院))
MPHは予防医学、疫学、統計のスペシャリストの学位です。大腸がんの予防的なデータを実践するスペシャリストといえます。